「強要」と「強制」は同じような意味で使われる言葉ですが、2つの言葉はどのような違いで区別されているのでしょうか。
この記事では、「強要」と「強制」の違いを分かりやすく説明していきます。
「強要」とは?
「強要」とは、「相手に対し無理な要求を出してやらせようとすること」を意味する言葉です。
相手を説得し納得の上でやるのではなく、立場や権限など力を利用して強引にやらせることを意味します。
基本的には要求という形を取って行われる強引な振る舞いに対して用いられる表現です。
形式上は相手に自らはいと言わせ同意を取った形に持ち込んで事を進める場合に用いられますが、拒否すると不利益を被るなど実質的な選択権はなく形ばかりの同意でしかありません。
「強制」とは?
「強制」とは、「相手に無理やりやらせること」を意味する言葉です。
強引に仕事をやらせたり連れ去ったりなど、相手に選択の余地を与えず無理やりするさまを表します。
一般的には権力を背景にして押し付ける場合に使われる表現で、拒否権を与えず一方的に強いてやる様子を指す表現です。
「強要」と「強制」の違い
「強要」と「強制」の違いを、分かりやすく解説します。
「強要」と「強制」の違いは「選択権の有無」です。
どちらも押し付けて強引にやらせることを意味する言葉ですが「強要」は押し付けている相手に形式的な選択権を認めているのに対し「強制」は選択権を認めていません。
実質的には選択権がなく押し付けではあるものの形式的には相手が同意するまで実行しないのが「強要」で、相手の意見や態度を無視して強引に実行するのが「強制」という違いで区別されます。
「強要」の例文
・『親が運動部に入るよう強要してくる』
・『寄付金を強要するのは違法である』
「強制」の例文
・『野球部だからと言って丸刈りを強制するのは時代遅れだ』
・『植民地の人たちは現地語を捨てフランス語を使うよう強制された』
まとめ
「強要」と「強制」は相手の同意を要求するかしないかで区別します。
どちらも実質的な押し付けであることに違いはありませんが、形式上は大きく異なるので違いを理解しておきましょう。