この記事では、「敵に塩を送る」と「呉越同舟」の違いを分かりやすく説明していきます。
「敵に塩を送る」とは?
敵に塩を送るとは、敵が苦しんでいる時に弱みにつけ込むことはせず、逆に苦境を救うことをいいます。
相手のことを認めた上で、万全の体制で戦うために援助することを表していることわざです。
その由来は、上杉謙信が武田信玄に塩を送ったことにあります。
武田信玄は甲斐という国を治める戦国武将ですが、海に面していないため塩を東海地方から仕入れていました。
しかし、東海地方を牛耳る今川氏と北条氏が塩を甲斐に売ることを禁じたため苦境に陥ります。
それを知った上杉謙信が、争いは武力でするべきで生活に必要な塩ではないといい商人たちに塩を適性な価格で販売させたという逸話が残っています。
「呉越同舟」とは?
呉越同舟とは、仲の悪い者同士が一緒に行動したり何かの目的のために協力関係を結ぶことをいいます。
呉越同舟は、中国の「孫子」という兵法書が語源です。
呉越同舟の「呉越」は、中国の春秋戦国時代に存在していた呉という国と越という国のことを表しています。
呉と越は敵対関係にありましたが、呉人と越人が同じ船に乗り難破するかもしれないとなったら協力して船が沈まないようにするという話があります。
「敵に塩を送る」と「呉越同舟」の違い
敵に塩を送るとご呉越同舟は意味がよく似ていて、敵対関係にある者同士が協力することを表しています。
敵に塩を送るは困っている方をもう一方が助けることで、呉越同舟はお互いに共通の目的のために協力することを表しています。
呉越同舟の場合、どちらか一方が助けるという関係にあるわけではありません。
対等な立場にあります。
まとめ
敵に塩を送るは、普段は敵対していても弱みにつけ込んだりはせずに苦境を助けることをいいます。
それに対して呉越同舟は、仲の悪い者同士が一緒に行動したり何らかの目的のために協力したりすることをいいます。