「向上心」と「上昇志向」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「向上心」と「上昇志向」の違い生活・教育

この記事では、「向上心」「上昇志向」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「向上心」と「上昇志向」の違い

「向上心」は、「自分の能力・スキル(技能)を今よりも上達させようとする主観的な心理傾向」を意味しています。

「向上心」と比べて「上昇志向」は、「客観的に他者が見ても確認できる社会的地位・経済状態(生活水準)などを、今よりも上昇させようとする考え方・傾向」を意味している点に違いが認められます。

「向上心」とは「自分が納得できる能力・状況の上昇を目指す心」です。

一方、「上昇志向」「他者が見ても上がったことが分かる、肩書き・権力・地位・生活水準(お金)の上昇を目指す考え方」を示唆している違いを挙げることができます。


「向上心」と「上昇志向」の使い方の違い

「向上心」は、「自分の実力・技量などを今よりも上げていこうとする心のあり方」を意味して使います。

それに対して「上昇志向」は、「客観的に比較できる会社での地位・社会的な影響力・経済的な状態(生活水準の豊かさ)などを上昇させようとする心理傾向」を示して使えるという違いがあります。

「向上心によって勉強ができるようになりました」の文章は、「自分の学力を上げようとする心」の意味で使われています。

しかし、「上昇志向によって勉強ができるようになりました」とすると、「良い大学に入って良い会社で働くために」といった「世俗的・客観的な他と比較できる欲望」が前提になる違いを指摘できます。


「向上心」と「上昇志向」の英語表記の違い

「向上心」を、英語を用いて表記すると以下になります。

“aspiration”……自己の能力を高めて何かを成し遂げようとする野望・願望。向上心。

“ambition”……大きな目的を達成してやろうとする大志・野心。向上心。「上昇志向」を、英語を使って表現すると以下になります。

“desire(ambition) to rise in the world”……この世界で上昇しようとする欲望。上昇志向。

“upward mobility ”……より上へ向かおうとする姿勢・動き。上昇志向。

“desire for improvement”……前進・成長しようとする欲望。上昇志向。

「向上心」の意味

「向上心(こうじょうしん)」とは、「自分の能力・実力・スキルを今よりも上達させようとする心理」を意味しています。

「向上心」の別の意味として、「今よりも相対的なポジション・成績を高めようとする心持ち」もあります。

「向上心」の使い方

「向上心」という言葉は、「今のレベルよりも、自分の能力や技術などを上昇させたいという気持ち」を意味して使うことができます。

「向上心」の表現は、「主観的に自分の能力・技術のレベルを高めたい心理」の意味で使う使い方があるのです。

例えば、「向上心がある生徒は、学期後半の成績の伸びが大きいのです」などの文章で使用されます。

「向上心」を使った例文

・『彼は負けず嫌いで、自分が一番になるまで練習する向上心の塊のような生徒でした。』

・『向上心がなければ、誰もが優勝を目指している厳しい競争環境では勝ち残れません。』

・『同級生と切磋琢磨しながらサッカーをしていた経験で、向上心が鍛えられました。』

・『最終的に難関の入試・資格試験に合格しているのは、やはり向上心が抜きん出いている人なのです。』

・『有能な教育者は、子供達の向上心を伸ばしてあげる指導や励ましを工夫しているものです。』

「向上心」の類語

「向上心」の類語には、以下の言葉があります。

・『野望(やぼう)』……今よりもっと多くのものを手に入れたいという、分をわきまえない強い欲望。

・『自己研鑽(じこけんさん)』……自分で自分の人格・能力・技術などを磨いて高めること。

・『意欲(いよく)』……何かをやろう、何かを達成しようとする自発的な欲求。

・『チャレンジ精神』……今よりも高いレベルの目標や難しい物事に挑戦しようとする心持ち。

「向上心」の対義語

「向上心」の対義語には、以下の言葉があります。

・『無気力(むきりょく)』……上達しようとか何かを成し遂げようとかいう気力・やる気がないこと。

「上昇志向」の意味

「上昇志向(じょうしょうしこう)」とは、「会社内の地位や経済的な生活水準などを今よりも高めようとする傾向」を意味している言葉です。

「上昇志向」というのは、「主に組織の職位・社会的地位・経済水準(生活水準)などを、現時点よりも高めていこうとする気持ち・方向性」を意味している表現になります。

「上昇志向」の使い方

「上昇志向」の言葉は、「今よりも上の地位・暮らし・権力を手に入れたいという考え方が強いこと」を指して使うという使い方になります。

例えば、「上昇志向の考えがなければ、組織内の厳しい競争に打ち勝つことはできません」といった文章で使用することができるのです。

「上昇志向」を使った例文

・『彼女は法学部の在籍時代から、最高裁の裁判官になりたいという強い上昇志向を隠そうともしていませんでした。』

・『大企業は上昇志向が強い人ばかりかと思っていたら、実際はそうでもありませんでした。』

・『努力が正当に報われない職場環境が多いので、上昇志向のある若者が減少するのも無理はありません。』

・『現代の若者のコミュニティーでは、権力・地位を求める上昇志向が強すぎる人は煙たがられます。』

・『上昇志向がない人は、社会的・経済的に成功する可能性は低くなるでしょう。』

「上昇志向」の類語

「上昇志向」の類語には、以下の言葉があります。

・『権力志向(けんりょくしこう)』……人に何かを指示命令できるような高い地位・権力をゲットしたいという強い気持ち・傾向。

・『セレブ志向』……お金持ちになって贅沢で華やかな暮らしをしたいという欲求が強い傾向。

・『出世欲(しゅっせよく)』……会社・公的機関などの組織において出世したいという欲求。

・『強い野心(やしん)』……今よりも高い地位・生活水準・影響力などを実現したいという心理。

「上昇志向」の対義語

「上昇志向」の対義語は、以下になります。

・『下落志向(げらくしこう)・下落トレンド』……上にあがろうとするのではなく、下に落ちようとする傾向。

・『現状維持(げんじょういじ)』……今よりも高いポジションに上昇しようとするのではなく、現時点のポジションや評価が変わらないように保つこと。

まとめ

「向上心」「上昇志向」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか?

「向上心」「上昇志向」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しくリサーチしたい時は、この記事で書いた内容をチェックしてみてください。