「職種」と「職務」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「職種」と「職務」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「職種」「職務」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「職種」と「職務」の違い

「職種」「仕事の種類」を意味する言葉ですが、「職務」「仕事の果たすべき義務的な内容」を示している違いがあります。

「職種」というのは、「営業職・事務職・エンジニア・医療職・建築業・俳優などのいろいろな職業の種類」のことを意味しています。

「職種」と比較すると「職務」という言葉は、「職業を分類した場合の種類」ではなくて「職業として責任を持って遂行することが期待されている任務」を指示している点が違っているのです。


「職種」と「職務」の使い方の違い

「職種」「職業をその内容・範囲などによって分類した種類」を意味して使いますが、「職務」はその意味では使えません。

「職種を選んで転職活動をしています」とは言えますが、「職務を選んで転職活動をしています」とは言い換えられない違いがあるのです。

また「職務」の表現は「職業活動として義務的にやらなければならない任務」の意味で使用されますが、「職種」にはその意味合いでの使い方はありません。

そのため、「職務を果たしました」という文章を、「職種を果たしました」に言い換えると意味が通じなくなる違いを挙げられます。


「職種」と「職務」の英語表記の違い

「職種」を、英語を使って表現すると以下になります。

“occupation”“the sort(type) of occupation”……職業をそれぞれの内容・特徴・業界によって分けた場合の種類・タイプ。職種。

“an occupational category”……職業を分類したカテゴリー・範疇。職種。

“a job”……一般的な仕事およびその種類。職種。「職務」を、英語を使用して表記すると以下になります。

“job duties”……仕事で義務的にやるべきこと。仕事として遂行が期待されている役割。職務。

“job description”“job specification”……その職業においてやらなければならないとされている特定の仕事内容。職務。

「職種」の意味

「職種(しょくしゅ)」とは、「職業・仕事の種類」を意味しています。

「職種」というのは、「コンサルタント・教職・営業職・事務職・システムエンジニア・研究者など、それぞれの職業の内容・領域によって分けた種類」を示している表現なのです。

「職種」の使い方

「職種」は、「職業をその内容・業界・資格や免許などによって分類した場合の種類」を意味して使うことができる言葉です。

例えば、「職種によって、その会社が求めている人材のスキルや経験が大きく変わってきます」といった文章において、「職種」の表現が使用されるのです。

「職種」を使った例文

・『景気が回復してきましたが、私が希望している職種の求人情報はまだかなり少ない状況が続いています。』

・『小学生や中学生の頃から、どんな職種があるのかを教えておくことも職業教育の一環になります。』

・『職種を絞りすぎるとなかなか就職できないので、はじめは幅広いジャンルの仕事に興味を持ちましょう。』

・『キャリアの長い中年期以降の転職活動では、異なる職種へのチャレンジが難しくなってきます。』

・『私は長らくコンピューターサイエンスの専門家として働いてきたため、職種を意識したことはほとんどありません。』

「職種」の類語

「職種」の類語には、以下の言葉があります。

・『職業分野(しょくぎょうぶんや)』……職業をその内容の特徴や職能によって分けたジャンル。

・『仕事の分類(しごとのぶんるい)』……営業職・事務職・専門職などの仕事の種類を分けたもの。

「職種」の対義語

「職種」という表現は「事務職・プログラマー・現場作業などの職業の種類」を示唆しています。

そのため、それと反対の意味を持つ対義語は考えづらくなっていて、国語辞典などに掲載される「職種」の対義語はないということになります。

「職務」の意味

「職務(しょくむ)」とは、「職業としてしなければならない任務・役務」を意味しています。

「職務」というのは、「その人が責任を引き受けて担当している仕事・任務」を示している言葉なのです。

「職務」には、「仕事上の責任・義務を負ってしなければならない」「その役割を引き受けて担当しなければならない」といった意味のニュアンスがあります。

「職務」の使い方

「職務」は、「その人が義務として担当している役割・任務」を意味して使われる言葉です。

「職務」の表現は、「職業活動における、それをしなければならない責務・任務」を意味して使うことができます。

例えば、「職務経歴書・職務遂行・職務を果たす・職務として」などの使い方で、「職務」という言葉を使えるのです。

「職務」を使った例文

・『寝不足をすると公共交通機関の運行という職務に支障をきたすので、早寝早起きを毎日心がけています。』

・『不祥事を起こして職務に対する適格性が欠けていると判断したため、その社員に退職を勧めました。』

・『彼は約30年にわたって、我が社の基幹事業のリーダーとして立派に職務を果たしてくれました。』

・『最近遅刻が続いていたため、上司から呼び出されて自分の職務を思い出して責任を果たせと説諭されました。』

・『普段は気楽な一人旅で放浪していますが、授業中は数学科教員としての職務を果たすことに専念しています。』

「職務」の類語

「職務」の類語には、以下の言葉があります。

・『仕事(しごと)』……何かを生産したり誰かの役に立ったりするような生産的・貢献的あるいは義務的な活動。

・『任務(にんむ)』……責任を持って行わなければならない、自分に割り当てられた仕事。

・『役割(やくわり)』……それぞれの人に割り振られた義務的な役目・仕事。

・『責務(せきむ)』……特定の活動における義務を果たさなければならない責任。

「職務」の対義語

「職務」という言葉は「職業として義務的にしなければならない仕事」を意味しています。

そのため、それとは反対の意味を持っている対義語は想定しにくく、国語辞典などで挙げられる「職務」の対義語はありません。

まとめ

「職種」「職務」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「職種」「職務」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しくリサーチしたい時は、この記事の解説をチェックしてみてください。