「反省」と「後悔」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「反省」と「後悔」の違い生活・教育

この記事では、「反省」「後悔」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

反省と後悔の違い

「反省」「後悔」は意味が被るところのある言葉です。

どちらも「過去の失敗について思い巡せている様子」というところは変わりありません。

ですがこの二つの言葉には、明確に異なる点があります。

「反省」には「省みる」という言葉が入っています。

「省みる」とは「自らを振り返り、もう一度考えてみる」ということです。

一方「後悔」は、「悔いる」という字が入っています。

悔しい気持ち、惜しいと思う気持ちに焦点があてられた言葉です。

「反省」「改善点を探るため、過去の行いを振り返り、もう一度考えてみること」という意味です。

これに対し「後悔」は、過去の失敗から改善点を探ろうとしているわけではありません。

過去に起きてしまったことや取ってしまった行いについて深く悩み、「あんなことをしなければよかった」と囚われている気持ちが「後悔」です。


反省と後悔の使い方の違い

「反省」「後悔」も、過去の過ちについて考えることです。

しかし「反省」には、「どうして失敗してしまったのか」という点を冷静に分析する視点があります。

どうすれば失敗しなかったのか、改善箇所を探るために過去について思い巡らすことが「反省」です。

今後、よりよい結果を出すために、過去の振り返りを行うことが「反省」です。

これに対し「後悔」は、過去の振り返りを行ってはいますが、改善点を見出そうとはしていません。

「悔しい」「失敗した」という気持ちを反芻してしまうとき、「反省」ではなく「後悔」という言葉が用いられます。


反省と後悔の英語表記の違い

「反省」の英語表記は“reflection”です。

「後悔」の英語表記は“regret”となります。

反省の意味

「反省」とは、「過去の行いに対して間違いがなかったか考え、改善できる箇所を見つけようとすること」です。

何か失敗してしまったときに過去を振り返り、失敗の原因を探るために「ああした方がよかったかもしれない」など、自問自答しながら分析していくことを「反省」と言います。

反省の使い方

「物事を失敗したときに、その失敗を繰り返さないために今までの行いを振り返ること」「反省」です。

「後悔」とは違い、ただ悩むのではなく、「改善点を見つけよう」という気持ちがあることがポイントです。

反省を使った例文

・『今までの無計画を反省して、今度からはきちんと計画を立てることにした』
・『この反省文にはきちんと今後の目標が書かれており、好感が持てる』
・『以前に怒鳴りつけてしまったことを反省していたので、彼女は今、優しい声音で子どもに問いかけた』
・『昨日彼を叱ったのに今日も仕事中の私語が止まない。彼は本当に反省しているのか疑わしい』
・『私は反省して、母親に謝りに行くことにしました』
・『自分は間違ったことをしていないと思っていたので、反省の気持ちを持つのは難しかった』

反省の類語

「反省」「過去を振り返り、じっくりと考えてみること」という意味です。

なので類語として、「内省」「自省」が挙げられます。

どちらも「自分の内面や行いを振り返り、可否や善悪を判断すること」という意味です。

反省の対義語

「反省」の対義語は「慢心」が挙げられます。

「慢心」とは「過去や現状をあなどる気持ちがあり、油断して、おごり高ぶっている心」という意味です。

過去を顧みておらず、傲慢にふるまう様子のことなので、「反省」の対義語であると考えられます。

後悔の意味

「後悔」「自分の行いに対して、こうしなければよかったと悔やむこと」です。

過去の失敗について悩んでおり、そのことばかり考えてしまい、塞ぎ込んでしまう気持ちのことです。

後悔の使い方

「後悔」「反省」と似た使われ方をします。

異なるのは、「後悔」という言葉が使われるとき、「悔やむ気持ち」に焦点が当てられていることです。

物事を改善しようと思う気持ちが少なく、「ああしなければよかった」という思いばかりに囚われてしまっているとき、「後悔」という言葉が使われます。

後悔を使った例文

・『弟は財布を落としてしまったことをとても後悔している』
・『後悔の気持ちが大きく、今はまだ未来に対して明るい展望を持つのが難しい』
・『後悔ばかりしていても先に進めないと言うけれど、あのとき過去について好きなだけ悩めたことは、今の私の糧になっていると思います』
・『私はどうして先生にあんなことを言ってしまったのだろう。とても後悔しています』
・『どれだけ後悔しようと、反省しなければ意味がない』
・『いくら後悔しても、つい彼に向けてしまった侮蔑の言葉を取り返すことはできなかった』

後悔の類語

「後悔」「してしまった行いを後から悔やむ気持ち」のことです。

なので類語は「自責」が挙げられます。

「過去の行いを恥じ、自分のことを責めている」という意味です。

「悔恨」も類語といってよいでしょう。

「悔恨」は、「深い後悔」という意味です。

「悔しい」「口惜しい」という意味の熟語です。

後悔の対義語

「後悔」の対義語は、ぴったりした言葉はありませんが、あえて言うなら「満足」が考えられます。

「思い悩む気持ちがなく、満ち足りている」という意味です。

まとめ

「反省」「後悔」の違いについてまとめました。

「反省」「後悔」も過去を振り返って思い巡らす行為のことです。

違いは、「反省」「改善点を見つける気持ち」があるのに対し、「後悔」「ただ思い悩む気持ち」が大きいことが挙げられます。