「繁殖」と「増殖」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「繁殖」と「増殖」の違い生活・教育

この記事では、「繁殖」「増殖」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

繁殖と増殖の違い

「繁殖」とは、植物や動物が生まれて増えることです。

生殖によって個体数が増えることを意味しています。

「増殖」には、2つの意味があります。

1つめは、増えること、増やすことです。

この意味の増えるは、資産など物質を主に指しています。

もう一つの意味は、生物の細胞や固体が増えること、また増やすことです。

生物には、植物も動物も含まれます。

「増殖」の後者の意味は、「繁殖」と同じ意味を指す場合があります。

しかし、厳密にいうと「繁殖」は生殖によって増えることですが、「増殖」は生殖によらない増え方のことも指すことができます。

たとえば、試験管内で細胞を増やすことです。

これは生殖によらない増え方です。


繁殖と増殖の使い方の違い

「繁殖」は、生殖によって植物や動物が増えることに使います。

人間も動物の一種といえますが、人間にはあまり使いません。

動物に使う場合は、犬や猫のブリーダーや動物園などで使われています。

ブリーダーは、動物の繁殖を専門に行っている人です。

動物園には、生殖や繁殖にかかわる研究をする役割があります。

「増殖」は、植物や動物などの細胞や個体数が増えることや増やすこと、資産などが増えることに使います。

「繁殖」に比べると使用の幅が広いです。


繁殖と増殖の英語表記の違い

「繁殖」は英語で、子孫を作ることという意味では“breeding”と表記をし、動植物の繁殖という意味では“propagation”と表記をします。

「増殖」は英語で“increase”“multiplication”“propagation”と表記をします。

繁殖の意味

「繁殖」とは、植物や動物が生まれて増えることです。

植物や動物が増える方法には、生殖によるものと、生殖によらないものがあります。

セイロンベンケイという植物は、葉の縁のくぼみのあたりから芽を出して増えることができます。

これは生殖によらない増え方です。

「繁殖」が意味するのは、生殖によって個体数が増えることです。

カビは勝手に増えているように感じますが、雄株と雌株に相当するものがあり、有性生殖する種が存在しています。

有性生殖で数が増加することは「繁殖」といいます。

繁殖の使い方

植物や動物が生殖によって増えることに使う言葉です。

ブリーダーは犬や猫などの動物を増やすことを専門に行っています。

犬や猫には発情期があり、発情期に交配をさせて、個体数を増やしていきます。

このような活動が「繁殖」であり、ブリーダーの間で使われます。

日常生活の中では、動物園で「繁殖」が成功したといったことがニュースで伝えられて、耳にしている言葉です。

人間が出産をして増えることには「繁殖」は使いません。

繁殖を使った例文

・『パンダの繁殖は難しい』
・『希少種を繁殖させる』
・『カラスの繁殖期は巣に近づかないように注意』
・『蚊が繁殖すると困る』
・『繁殖のための牛を飼育する』

繁殖の類語

「増殖」が類語です。

繁殖の対義語

増えないことが対義語になります。

植物や動物が増えなければ個体数が減っていき、やがて地球上から姿を消してしまいます。

そのことを「絶滅」といいます。

増殖の意味

「増殖」には、2つの意味があります。

1つは、増えること、増やすことです。

もう一つは、生物の細胞や固体の数が増えることです。

1つめの意味では、生物以外のものが増えることを意味しています。

文房具が好きな人は、いつの間にかペンや付箋などが増えていきます。

このようにものが増えていくことが「増殖」です。

生物の細胞や個体の数が増える意味では、増え方は問いません。

生殖によるものも、そうでないものも、細胞や固体の数が増えることを「増殖」といいます。

増殖の使い方

数が増えること、増やすことに使われる言葉です。

生物にも無生物にも使うことができます。

また、生物の場合は生殖によって増える方法でも、生殖によらない増える方法でも、使うことが可能です。

日常でもよくつかわれる言葉で、身近なものでは「カビが増殖する」と言ったりします。

増殖を使った例文

・『植物が増殖しておき場所がなく、困っている』
・『増殖計画を立てる』
・『菌はあっという間に増殖する』
・『鶏の数が去年に比べて30羽増殖した』
・『細胞の増殖を観察する』

増殖の類語

「増加」「増大」「増量」が類語です。

「増加」は数量が増えることを意味します。

「増大」は数量や物事の程度が大きくなることです。

「増量」は増えることで、はかれる量に関して使われます。

増殖の対義語

数が減ることが対義語で、それにあたる言葉は「減少」です。

まとめ

「増殖」「繁殖」と同じように使われることがあります。

しかし、「増殖」は生殖によらない増え方も意味するので、「繁殖」に比べると広く使うことができます。