「特殊」と「特種」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「特殊」と「特種」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「特殊」「特種」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「特殊」と「特種」の違い

「特殊」「特種」の違いを簡単に言うと、「特殊」は、他のものと比較し、その内容や性質などが著しく異なることを意味しています。

一方、「特種」は、一般のものと区別する際に用いる言葉で、特別な種類を意味しています。

このような違いから、同じ読み方の「とくしゅ」でも、それぞれ異なった意味があることがわかります。

では、より詳しく以下で説明させていただきます。


「特殊」と「特種」の使い方の違い

「特殊」には、その内容や性質が著しく他のものと比較し異なるといった意味があるため、車幅や全長、重量など一般車に比べ一定の基準を超えた大きな車両は「特殊車両」と表します。

そのほか、「特殊な事件」など、他のものと比較し著しく異なるものに対し「特殊○○」と表します。

一方、特別な種類を意味する「特種」の場合は、「特種のひまわり」など、同じひまわりでも、特別な種類を意味する際に「特種○○」と表します。


「特殊」と「特種」の英語表記の違い

「特殊」は英語で、unique、special、particular、peculiarです。

「特殊兵器」は、a special weapon 「特殊撮影」は、【映画】 shooting for special effect(s)/trick shooting 「特殊化する」は、specialize/【形式ばった表現】 differentiateなどとなります。

「特種」は英語で、special kindです。

「これは特種の朝顔です」は、This is a special kind of morning-glory. などとなります。

「特殊」の意味

「特別」「特」「とりわけ」といった意味を持つ「殊」から成り立つ「特殊」

「とりわけ特別」と直訳することができ、内容や性質において、他のものと比べ著しく異なること、といった意味が主な「特殊」の意味となります。

そのほか、専門的で機能や目的、用途などが限られているものに対する意味もあります。

また、限られた範囲内にあるもののみといった意味や個別を下に見て、普遍を上に見るといった概念を意味することもあります。

著しく異なることを意味する「特殊」ですが、単に著しく異なるだけではなく、平均を超えたものを意味するものとなります。

そのため、格別大きなものや小さなもの、優れたものなどを意味することが多くなります。

「特殊」の使い方

著しく異なるものを示す場合に用いられることが多い「特殊」

「特殊車両」をはじめ、「特殊音」「特殊な事件」「特殊な細菌」「特殊な技能」「特殊な装置」「特殊な製法」「特殊な環境」「特殊な能力」

また、「特殊警棒」「特殊寝台」など優れたものを意味する使い方もあります。

「特殊」を使った例文

・『我が家の息子は、特殊車両のミニカー集めが大好きです。その中でも特にトレーラー連結車が大好きです。』

・『私は、特殊な事件を扱うサスペンス小説が好きです。』

・『特殊な技能を身につけている人は、本当に素晴らしいと思います。』

・『特殊な製法で作られたという冷凍食品は、まるで、その場で調理したてのようなおいしさがありました。』

「特殊」の類語

異常でまたは珍しいといった意味での「特殊」の類語は「ユニーク」です。

そのほか、特有なものを意味する場合は、「特別」「独特」「一種独特」「独自」「特異」「特定」など。

また、珍しい性質などを意味する場合は、「珍」「特異性」「異常」「風変り」「一癖」などがあります。

「特殊」の対義語

「特殊」の対義語は主に2つです。

1つ目は「一般」です。

当たり前のことやありふれていることを意味します。

2つ目は「普遍」です。

例外などはなく、すべてに当てはまるものといった意味があります。

「特種」の意味

「特別」「特」「種類」「種」と書いて、「特種」

その漢字の意味の通り、特別な種類を意味する言葉です。

一般的なものとは区別された種類を意味し、特に優れている必要はありません。

特別な種類であれば、「特種」となります。

また、必ずしも見た目で判断することができない場合もあり、色々な場面で用いられることが多い言葉となります。

「特種」の使い方

特別な種類を意味するものに対し使用することができる「特種」

そのため、様々な使い方があります。

「特種な人物」「特種な性格」「特種な才能」「特種な時代」「特種な風景」などとなります。

これらの例からわかるように、「特種な○○」は、「特別な○○」と言い換えても違和感のないものが多くなります。

また、車両サイズなどは一般的なものとなるものの、用途に応じて改造しているものを「特種用途自動車」と言います。

この「特種用途自動車」には、救急車、パトカー、消防車、などが含まれます。

「特種」を使った例文

・『特種用途自動車となる消防車やパトカーに乗ってみたいと子供のころ、よく思っていました。』

・『なぜ、自分が周りの人に特種な性格だと言われるか不思議で仕方がありません。』

・『自分も何か1つでも良いので、特種な才能を持った人間になりたい。』

・『子供のころに憧れていた特種用途自動車に乗るため、私は救命救急士になりました。』

「特種」の類語

「特種」「特別な種類」を意味することから、類語は、「特別」となります。

「特種」の対義語

「特種」には明確な対義語はありませんが意味から考えた対義語としては、「一般」「普通」が考えられます。

まとめ

異常が、「特殊」「特種」の違いです。

同じ「特種」という読み方で、ほぼ同じ意味とも言えますが、それぞれに適した意味があるため、必ず使い分けが必要です。

「特殊」の場合は、普通のものとは異なり、場合によっては平均を超えているものを意味します。

そして、「特種」の場合は、あくまでも、一般的な種類と区別されたものを意味しており、このような違いを踏まえた使い分けが必要です。