クラシックのコンサートの映像を見ているとたくさんの絃楽器があることがわかりますが、これらの区別がつくでしょうか。
一般的な絃楽器は小さい方から「ヴァイオリン」、「ヴィオラ」、「チェロ」、「コントラバス」の4種類ですが、どこが違うのでしょうか。
また、「セロ」という言い方もありますが、これはどういう意味でしょうか。
この記事では、「コントラバス」と「チェロ」と「セロ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「コントラバス」とは?
「コントラバス」とは一番低い音を担当する絃楽器であり、「ダブルベース」や「ウッドベース」とも呼ばれます。
大きさは背の高い人と同じくらいで、4本の弦を持っています。
弓を使って弾く場合と指で弾く場合がありますが、ジャズなどで使用される場合は弓を使いません。
「ウッドベース」というのは日本独自の呼び名で英語では「doublebass」が普通の言い方です。
「チェロ」とは?
「チェロ」とは、クラシック音楽などで使用される絃楽器の一つで、低い方から2番目の音域を担当します。
正式な名称は「ヴィオロンチェロ(violoncello)」です。
大きさは人が座った高さと同じくらいで、弓や指で弦を弾きます。
英語では「cello」と書きますが「チェロ」に近い発音です。
「セロ」とは?
「セロ」とは、前述の「チェロ」を呼ぶときに日本で一時的にはやっていた言い方で、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」が有名です。
もともと「チェロ」とはイタリア語の発音ですが、英語やドイツ語でもそれを踏襲して同じような発音で、フランス語では「celle」と書いて「セル」と発音します。
このように「セロ」という発音はどこの言葉でもなく、単に「cello」という文字をローマ字的に読んだのではないかと言われています。
「コントラバス」と「チェロ」と「セロ」の違い
「コントラバス」と「チェロ」と「セロ」の違いを、分かりやすく解説します。
これらはクラシックで良く使われている絃楽器であることは同じですが、この3つの言葉で示す楽器は2つです。
つまり、「コントラバス」と「チェロ」です。
「セロ」は日本で昔呼ばれていた名称で「チェロ」と同じものを指します。
そして、「コントラバス」と「チェロ」は大きさが全く違い、結果として音域が全く違います。
大きさで言えばチェロが高さ120cmくらいなのに対して、コントラバスは190cmくらいなので、チェロを弾くときにはだいたい座りますが、コントラバスは立って弾きます。
音域はチェロがピアノで言えば下から2番目のドから5番目のソまでで、コントラバスが一番下のミから3番目のドまでになるので、1オクターブ分は重なっています。
まとめ
この記事では、「コントラバス」と「チェロ」と「セロ」の違いを説明してきました。
ストリングスと呼ばれているこれらの絃楽器は、それぞれ基本的に出せる音域が違います。
音で言えばヴァイオリンがG2からE6(英字による音名で下のソから上のミ)まで、ヴィオラがC2からC5まで、チェロがC1からG4、そしてコントラバスがE0からC3までになります。
このようにそれぞれの音域は重なっている部分があります。
全てが一般的には4本の弦を持ち、ギターのようなフレットがないので、音は無段階に上げ下げできるのも特徴です。