この記事では、「園芸農業」と「近郊農業」の違いを分かりやすく説明していきます。
「園芸農業」とは?
「園芸農業」とは都市部へ出荷することを目的として野菜や花などを栽培する農業です。
誰かに販売するために行う農業は、農作物は都市部へは勿論、それほど人が多くない地域へ出荷されることもあります。
しかし人が多い分需要も高い都市へと集中的に出荷するほうが、作物が高値で売れることもままありますし、消費者からしても助かるものです。
そのため全国的に流通させる目的ではなく、最初から都市部へと出荷するために、都市の需要が高いものを栽培し、都市へと販売するという経営方法を採る農業のことを「園芸農業」と言います。
また都市部では様々な地域から物を集める都合上、仕入れるまでに距離や手間の問題があり、新鮮な作物を入手できないこともしばしば問題として起こっていたため、野菜や果物、観賞用の花など、鮮度が高いほど良い物を鮮度が高い状態で都市に届けられるというのも「園芸農業」のメリットであり需要です。
「近郊農業」とは?
「近郊農業」とは都市の近くで行われている「園芸農業」です。
「園芸農業」は都市へと作物を販売するために営まれている農業なので、都市に近ければ近いだけ、輸送にかかる手間やコストが減り、作物も鮮度が高く商品価値を維持したまま売りやすくなります。
そのため都市部ほどではなくとも十分近く、都市部ほど地価が高くない都市近郊に農場を作り、そこから都市へと作物を出荷するという経営方法が「近郊農業」です。
都市部そのものほど地価が高くないと言っても、都市近郊も様々な需要がある土地なので地価は高い傾向があり、大抵の「近郊農業」では、農場としては小規模になります。
しかし需要が高い作物を、十分商品価値が高い状態のまま出荷し届けることができるので、面積に対する経済性は高いのが特徴です。
「園芸農業」と「近郊農業」の違い
「園芸農業」と「近郊農業」の違いを、分かりやすく解説します。
農作物の需要が高い都市へと出荷するために作物の栽培を行う農業が「園芸農業」で、その中でも都市の近くで行われているものが「近郊農業」です。
「園芸農業」は都市の近くでしている農家も、都市から離れた土地でしている農家もいますが、「近郊農業」は都市の近くで「園芸農業」をしていることしか指しません。
「園芸農業」は農業の目的や経営の方針を指す農業分類で、「近郊農業」はそれをする場所や地理的な要素を指している言葉と言えます。
まとめ
都市へと作物を出荷するために農業をしているならそれは「園芸農業」で、「近郊農業」はその中でも都市の近くて「園芸農業」をしている場合だけに使える言葉です。
「近郊農業」も「園芸農業」の一つなので「園芸農業」と言われることもあり、言葉の違いがわからなくなるかも知れませんが、出荷する目的地である都市が近ければ「近郊農業」としても扱えると覚えておきましょう。