「期待」と「信頼」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「期待」と「信頼」の違い生活・教育

この記事では、「期待」「信頼」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「期待」と「信頼」の違い

「期待」とは、あることが現実になるといいと思って待っていることです。

「信頼」とは、疑うことなく、よりどころにすること。

よりどころにできると疑わないことです。

「相手に期待をかける」「相手を信頼する」のような、何かを思うさまを表して使われることがあります。

似たような使い方をするため、意味は同じなのではないかと思えますが、それぞれの言葉が指していることは違います。

「期待」は、「こうなるといいな」という思いのことです。

確信を持っていることではありません。

また、人に対してだけでなく、物事に抱く気持ちのことも指しています。

「信頼」は、「これがあれば大丈夫」というような思いのことです。

頼みにできる、支えてくれると信じることを意味しています。

人に対してだけでなく、物事に対しての思いについてもいいます。

サッカー選手のことで考えてみます。

「選手に期待をかける」というと、その選手がこれから活躍してくれるであろうと、望みを持っていることを意味しています。

「選手を信頼する」というと、PK戦のときに、その選手がゴールを決めてくれると信じることや、その選手なら頼れるであろうという考えのことなどを意味しています。

この場合は能力を疑っていないようすです。


「期待」と「信頼」の使い方の違い

前者の言葉は、現実になるいいと、心の中に思うことに使用します。

後者の言葉は、頼りになると信じられるという意味で使用します。

先のサッカーのことでいうと、PK線のときに「選手に期待をかける」というと、その選手がゴールを決めてくれるといいな、と待っているさまを意味することになります。

これは、やや違和感があります。

「いいな」ではなく、このときには絶対にゴールを決めてもらいたいところです。

この場合は「期待」ではなく「信頼」を使うのが一般的です。


「期待」と「信頼」の英語表記の違い

「期待」は英語で“expectation”と表現します。

「信頼」は英語で“confidence”“trust”と表現をします。

「期待」の意味

「期待」とは、実際に見たり触れたりできるような、現実の形になって欲しい、そうなって欲しいという気持ちを抱きながら待つことです。

コンビニの話題スイーツのことで考えてみます。

コンビニでは、毎週のように新しい商品が登場しており、スイーツも新作が続々登場しています。

スイーツ好きの人なら、新しく発売されたものがどのような味なのだろうかと、ワクワクすることでしょう。

おいしいに違いない、食べたら幸せな気分になるに違いないなど考えることもあると思います。

そういった思いを持って購入することを「期待して購入する」などといいます。

このとき、「おいしい」というものが現実になって欲しいという気持ちを抱いています。

この言葉自体は、思っていたことが本当になるのかという意味を含んでいません。

今度は、治療が難しい病を治せるかもしれないという薬が登場したときのことで考えてみます。

難しい病気を患っている人は、治せるかもしれないといわれる新しい薬があれば試してみたいことでしょう。

いろいろ試したけれど良くならなかった場合は、尚のこと新しい薬を試したみたいはずです。

この薬を使えば病気が治る、という気持ちを抱いていると思います。

このようなさまを「新薬に期待をかける」などといいます。

「期待」の使い方

現実のものになって欲しいと思って待っている、という意味で使用をします。

待っていることで、現実になったという意味ではありません。

この言葉自体には、待っていた後にどうなったかという意味は含まれていません。

「期待」を使った例文

・『このスパイスには老廃物を排泄する働きが期待できます』
・『期待して購入してみました』
・『期待通りの味です』
・『期待されると負担になる』
・『透明感のある肌に近づくことが期待できます』

「期待」の類語

「望む」が類語です。

「こうしたい」という気持ちという意味があります。

「期待」の対義語

「失望」が対義語です。

こうなるといいと思っていたことが、そうならずに、がっかりすることです。

「信頼」の意味

「信頼」とは、あてにできると疑わないこと、疑わずにあてにすることです。

おいしいコーヒーを飲みたい人のことで考えてみます。

コーヒー好きの人は、おいしいと思えるコーヒーしか飲みたくないはずです。

納得できない味のものを飲んでしまったときには、がっかりすることでしょう。

安いものならまだ我慢できますが、高い費用を支払って飲んだのにおいしくなかったら許せません。

絶対においしいと疑わないコーヒーを選べば、がっかりすることはありません。

この「絶対においしい」と思われているコーヒーは、「信頼」されているといえます。

おいしいものを飲めるとあてにされているのです。

「信頼」の使い方

要求されることに答えられると信じる、何かを成し遂げられると信じる、といった意味で使用をします。

物にも人にも使用することが可能です。

人に使う場合は能力を疑うことなく頼りにする意味で使用します。

相手の言うことを疑わないという意味では使用しません。

物に使う場合は、その物が持っている成し遂げる力のことをいいます。

「信頼」を使った例文

・『また依頼をしてくれたのは、信頼されているからだろう』
・『多くのお客さんの信頼を獲得している』
・『売り上げが伸びているのは信頼されているからだろう』
・『部下を信頼して敵陣に送る』
・『愛馬のことを信頼しています』

「信頼」の類語

「信用」が類語です。

発言や態度などを疑わないで受け入れるという意味があります。

「信頼」の対義語

「疑う」が対義語です。

また、疑うという意味に近い言葉の「不信」も対義語です。

まとめ

一方の言葉は望んで待つこと、もう一方の言葉は疑わないことで、それぞれの言葉が持っている意味は違います。

似ているような事柄に使われますが、それぞれの言葉が指していることは違うのです。