この記事では、「運動」と「体育」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「運動」と「体育」の違い
「運動」には5つの意味があります。
1つめは、物がある場所から別のある場所に行くことです。
2つめは、体を丈夫にしたり健康を保ったりする目的で、体を動かすことです。
3つめは、目的を達成させるために、さまざまな方面に働きかけることです。
4つめは、物事のありさまが時間の経過とともに変わることです。
5つめは、生物が自らおこす動きのことです。
「体育」には、体の発達、運動能力の向上、健康的な生活を営む態度などを育むことを目的に行われる教育という意味があります。
「運動」の2つめの意味と「体育」の意味が似ています。
体を丈夫にしたり、健康を保ったりすることが目的で行われる「運動」を、教育に取り入れたものが「体育」です。
学校教育で行われるものを「体育」と呼んでいます。
つまり、2つの言葉の違いは、何を目的としているかです。
2つめの意味での「運動」の目的は、体を丈夫にすることと、健康を保つことです。
「体育」の目的は、健全な体の発達を促進すること、運動能力を高めること、健康的な生活を営む態度を育むことです。
「運動」と「体育」の使い方の違い
「運動」には複数の意味があり、どの意味を指しているかによって使い方が違いますが、どの意味にも移動する、動くという意味が含まれています。
移動することや、動くことに使用する言葉です。
「体育」は学校の教科の一種を指して使用します。
「運動」と「体育」の英語表記の違い
「運動」は英語で、物体の動きの意味では“motion”や“movement”、体を動かす意味では“exercise”、目的を達成させるために働きかける意味では“drive”と表現をします。
「体育」は英語で“physical education”と表現をします。
「運動」の意味
「運動」には5つの意味があります。
1つめは、ある場所から別のある場所に物が動くことです。
振り子が外から力を加えられると、行ったり来たりの移動が繰り返し行われます。
これが物が動くことで、この動きのことを「運動」は指しています。
2つめは、からだを丈夫にしたり、健康を保ったり、健康を増進させたりする目的で、身体を動かすことです。
皇居周辺では、走っている人の姿を頻繁に見ることができます。
この人たちが走る目的は、主に健康を保つため、筋肉をつけるためです。
このような活動を意味しています。
3つめは、目的を達成させるために、さまざまな方面に働きかけたり、自ら動くことです。
選挙日が近づくと、街中を選挙カーが走ります。
選挙に立候補している人が誰なのかわかるように、車が装飾されています。
そして、「一票をお願いします」といったお願いの言葉が流れてきます。
このような活動を「選挙運動」などといったりします。
4つめは、時の流れとともに物事のありさまが変わることです。
物や人は時間の経過とともに変わっていきます。
変わっていないように見える石でも、風雨の影響を受けるなどしていて、常に同じ状態ではありません。
これが、時とともに変わる物事のありさまの意味です。
5つめは、生物体が自ら動くことです。
大腸は大腸の入り口から肛門の方に向かって、便を押し出す動きをしています。
この動きを「腸の蠕動運動」といます。
こういった生物体の動きを指している言葉です。
「運動」の使い方
複数の意味があり、どのような場面なのかによって使っている意味が異なります。
日常的には2つめの意味で使うことが多いです。
健康を保ったり、体を鍛えたりするために、定期的に体を動かしている人は少なくありません。
この活動を指して使用します。
1つめの意味は「天体運動」のような使い方をします。
天体は少しずつ移動をしています。
このさまを指す言葉です。
3つめの意味では、「女性解放運動」「禁煙運動」のような使い方をします。
4つめの意味では、日常的にはあまり使わないかもしれません。
5つめの意味は、生物を研究している人が使うことが多いです。
「運動」を使った例文
・『運動をして汗をかく』
・『普段、どんな運動をしていますか?』
・『久しぶりに運動をした』
・『昨日運動をしたからなのか、体が痛い』
「運動」の類語
「体操」が類語です。
意味は体を動かすことです。
ストレッチのような体を伸ばす動きを指して使われることが多くあります。
「運動」の対義語
ありません。
強いて言えば、対義語に近い言葉は「静止」です。
動いていない状態を指しています。
「体育」の意味
「体育」とは、正常な体の発達、運動機能の向上、健康的な生活を営む態度などを育てることを目的に、学校で行われる教育です。
また、その教科です。
小学校・中学校・高校では、国語、社会、算数、音楽など、さまざまな教育が行われています。
「体育」はその中の一つです。
この教育では、体を動かします。
たとえば、縄跳び、バスケットボール、水泳、マラソンなどの体を動かす活動が行われています。
体の発達を促すことや、運動機能を高めることが目的で、これらの活動が行われています。
活動を行う場所は、屋外のこともあれば、屋内のこともあります。
活動内容や天候によって、屋外で行うのか、屋内で行うのかを決めているようです。
「体育」の使い方
学校で行われる教科の一つを指して使用します。
運動機能の向上を目的で、学校以外の場で体を動かすことがありますが、この活動を指して使うことはありません。
「体育」を使った例文
・『今日は体育の授業を見学した』
・『体育の授業があるので着替えをする』
・『体育で水泳を行った』
・『明日の体育は休みたい』
「体育」の類語
「体操」「運動」が類語です。
「体育」の対義語
ありません。
まとめ
どちらの言葉も、体を動かすという意味を持っています。
広く使われるのは「運動」です。
「運動」の中でも、学校教育にとりいれられているものを「体育」といいます。
「体育」は健全な体の発達を促すことや、健康的な生活を営む力を育むことなど、「運動」とは違った目的を持っています。