この記事では、「肩を借りる」と「胸を借りる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「肩を借りる」とは?
肩を借りるは、かたをかりるという読み方をする言葉です。
文字で記されたこの言葉を目にすれば分かる事でしょうが、腕と体とが続いている関節の上部をという意味の肩をの文字に、後で返す約束をした上で他人の物を自分の物の様に使用するといった意味がある借りるの文字を加える事で完成した言葉となっています。
以上の事から肩を借りるは、手助けをして貰うという意味を表すために使用されますが、実際にこの様な言葉は存在しません。
「肩を借りる」の言葉の使い方
肩を借りるは、他人に手助けして貰うといった意味合いで使用してしまう人がいます。
ですが日本語として、この肩を借りるという表現は存在しないのです。
というのも他人を手助けする、という意味で肩を貸すという言葉があります。
肩を借りるは、その肩を貸すという言葉から転じて生まれてしまった誤用という事になるのです。
なので助力を乞うという意味で、肩を借りるという言葉は使わない方が無難であると言えます。
「胸を借りる」とは?
胸を借りるは、むねをかりるという読み方をすべき言葉です。
文字で書かれたこの言葉を見れば理解可能な事ですが、首と腹との間の部分をといった意味を持っている胸をの文字に、他者より力や知恵といった助けを受けるといった意味を有する借りるの文字を付け足す事で成立した言葉となっています。
だからこそ胸を借りるは、実力がある者に練習の相手をして貰う事を示すのです。
「胸を借りる」の言葉の使い方
胸を借りるは、自分より実力が上とされる相手に練習して貰う、といった意味に用いられます。
元々は下位の力士が上位の力士に稽古の相手をして貰う、という意味で使用されていた言葉です。
そこから転じて相撲界だけでなく、実力者に練習相手になって貰うという一般的な言葉として用いられる様になりました。
「肩を借りる」と「胸を借りる」の違い
2つの言葉の文字表記を並べてみると、最初に肩と胸という漢字の違いがある事に気付く事が可能です。
所がその他の文字は同じであり、かなり似通った言葉同士と言えます。
ただし最初の漢字が違う事で、表す意味合いには明確な違いが生まれているのです。
まず肩を借りるは、他者に手助けして貰うといった意味に使われる事がありますが、日本語としては存在していない言葉となっています。
一方の胸を借りるは、己よりも実力が上の者に練習相手になって貰うといった意味を示すのです。
まとめ
2つの言葉は、最初の漢字以外同じですが、示す意味には明らかな相違点が見られます。
ちなみに肩を借りるは、他人に助けて貰うといった意味で使用される事がありますが、肩を貸すから生じたと思われる誤用であり、正確には日本語として存在しない言葉です。
対する胸を借りるは、実力上位の人に下位の人が練習相手になって貰う、といった意味合いの言葉となっています。