日本語には同じような意味を持った言葉でも、漢字が変わると使われ方も変わってくる言葉が多くあります。
「はかる」は物の長さを示すのか、それとも量の多さを示すのかなどの用途によって「測る」や「量る」などを使い分けます。
「はやい」も「速い」と「早い」のふたつの漢字があり、それぞれ使われ方が違います。
この記事では「速い」の漢字の意味と共に、「速度」と「加速」と「速さ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「速い」の使われ方
早いという漢字は「約束の時間より早く着いた」や「今年は桜の開花が早い」などのように、基準とされる時間よりも前の時点で物事が行われることを指す場合に使います。
対して速いという漢字は「チーターは足が速い」や「あのひとは仕事が速い」などのように、一定の期間内に行われる動作量が多い事を指す場合に使います。
つまり「速い」は簡単に言うと速度で示せるものを表すときに使われるのです。
「速度」とは?
速度とは時間当たりの物体の位置の変化量のことです。
乗り物などに使われる時速〇〇 km/hというのは、その物体が1時間で平均何km移動出来るのかを計算で表したものです。
『移動距離』÷『経過時間』という計算式で物体の速度を求めることが出来ます。
つまり1時間で50キロメートル移動する車があるとすれば、「100km÷1時間=時速100km/h」となるわけです。
「加速」とは?
加速とは速度を加えること、速度を増すことを言います。
「アクセルを踏み加速する」などといった風に使われますが、速度を加える=スピードを上げるということでもあるので、車などの物体の移動速度の変化だけではなく、「経営の悪化が加速する」「若者の○○離れが加速する」など、状況の変化に対しても使われることがあります。
「速さ」とは?
一般的には「速さ」と「速度」の区別はあまりされていません。
ふたつとも物体が動くスピードを表すときに同じように使用されているかと思います。
しかし数学的には明確な違いがあります。
速さは「スピードの大きさのみ」を表し、速度は「スピードの大きさと向き」のふたつを表します。
車が東の方向に時速100km/hで進んでいるとき、速度は「東の方向に時速100km/h(スピードの大きさと方き)」となり、速さは「時速100km/h(スピードの大きさのみ)」となるのです。
もう少し説明すると、東の向きを正の向きにするという約束のもとで速度を表すと、東向きに100km/h という速度は「+100km/h」となり、西向きに 100km/h という速度は「?100km/h」となります。
速さはスピードの大きさなので0以下にはなりませんが、速度は場合によっては負の数になることもあるのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
普段違いを意識せずなんとなく使っていた言葉も、漢字が違えば同じ読み方でも意味も変わり、更には数学的物理的にも明確な使い分けがされているなんてこともあります。
言葉というのは知れば知るほど奥深くて面白いものだと感じます。