この記事では、「能動的」と「積極的」の違いを分かりやすく説明していきます。
「能動的」と「積極的」の違い
「能動的」と「積極的」の違いについて紹介します。
「能動的」と「積極的」の使い方の違い
「能動的」は、「自分から他人に働きかける性質があること」に使われます。
その様な状態になった時に、他人に呼びかけたり、意見を伝えることで他人に影響与える性質があることを表します。
「積極的」は、「自分からものごとを進んで行う性質があること」に使われます。
状態に関係無く、自分から意欲的に他人に呼びかけたり、意見を伝えたりする性質があることを表します。
「能動的」と「積極的」の英語表記の違い
「能動的」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「active」で、「すばしこい」「能動的」という意味であり、「アクティブ」と日本語にもなっています。
“He plays an active role with others.”
(彼は周囲に対して能動的な役割を果たしている)
2つ目は「action oriented」で、「行動志向的」「即戦的」「能動的」という意味です。
“She is an action-oriented person.”
(彼女は能動的な人だ)
「積極的」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「assertive」で、「断定的」「自信に満ちた」「積極的」という意味です。
“If you have your opinion, you have to be more assertive.”
(あなたが意見を持っているならば、もっと積極的になるべきです)
2つ目は「proactive」で、「先のことを考えて行動する」「積極的」という意味です。
“She has a proactive attitude at work.”
(彼女は仕事に対して積極的な態度を取っている)
「能動的」の意味
「能動的」は「のうどうてき」と読みます。
意味は、「自分から他に働きかけて影響を与える性質があること」です。
自分の為だけに行動するのではなく、自分で行動しながら、他人に呼びかけたり意見を伝えたりすることで、他人に影響を与えながら進めていく性質があることを言います。
「能動」は「自己の作用を他に及ぼすこと」という意味、「的」は「その様な性質があること」という意味、「能動的」で「自己の作用を他に及ぼす性質があること」という意味になります。
「能動的」の使い方
「能動的」は「自分から働きかけて周囲に影響を与える性質があること」に使われます。
名詞・形容動詞として「能動的だ・である」と使われたり、「能動的な〇〇」と名詞を修飾して使われたり、「能動的に」と副詞として使われたりします。
ビジネスで「能動的」は、その様な状況になった時に自ら行動して周囲に影響を与える人のことを言います。
他人から何か言われてから行動したり、周囲の人に全く関係のないことに興味を持ったからと突発的に行動することではありません。
「能動的」を使った例文
・『企業では優秀であるかどうかよりも、能動的な人材を欲しがる傾向にある』
・『彼女は常に能動的なので、チームリーダーに抜擢された』
・『君はもう少し能動的になった方が高く評価されると思う』
・『彼女は事務職だが常に能動的に行動するので周囲から頼りにされている』
・『あの部署は上司が能動的なので、部下がよく働く様になった』
「能動的」の類語
・「自発的(じはつてき)」
「他からの働きかけがなくても自分から進んで行動する性質があること」という意味です。
「言われなくても自発的に行動できる様にした方がいい」などと使われます。
・「主体的(しゅたいてき)」
「自分の意志や判断に基づいて行動する性質があること」という意味です。
「仕事に慣れてきたら主体的に取り組む様に心がけてほしい」などと使われます。
「能動的」の対義語
・「受動的(じゅどうてき)」
「他者からの働きかけを受けてから行動する性質があること」という意味です。
「受動的に仕事していたのではいつまで経っても評価されないよ」などと使われます。
「積極的」の意味
「積極的」は「せっきょくてき」と読みます。
意味は「ものごとを自分から進んで行う性質があること」です。
他人からの影響を受けることなく、自分から意欲を持って行動する傾向があることを言います。
自分が良い、やりたい、やるべきと思ったら、人に関係無く行動に移す人を表す言葉です。
「積極」は、「ある対象に進んで働きかけること」という意味、「積極的」で「ある対象に進んで働きかける性質があること」になります。
「積極的」の使い方
「積極的」は、「自分から進んでものごとを行うこと」に使われます。
名詞・形容動詞として「積極的だ・である」と使われたり、「積極的な〇〇」と名詞を修飾して使われたり、「積極的に」と副詞として使われたりします。
「積極的」は、自分から意欲を持ってものごとを行う場合意外にも、他人かの働きかけに対して影響を受けて行動する場合にも使われます。
また、周囲に直接関係ないものごとでも、自分が興味を持ったものに対して進んで行動する様子にも使われます。
「積極的」を使った例文
・『コミュニケーションを取る為にも会社の飲み会には積極的に参加した方がいい』
・『彼女は会議で積極的に意見を述べた』
・『PTAの役員決めで積極的に立候補する人はまずいないだろう』
・『彼女は合コンでかなり積極的にアピールしていた』
・『うちの会社はテレワークを積極的に導入している』
「積極的」の類語
・「行動的(こうどうてき)」
「すぐに実行する性質があること」という意味です。
「彼女は行動的で、食べたいものがあるからと週末に日帰りで北海道へ行く程だ」などと使われます。
・「活発(かっぱつ)」
「行動が元気で勢いのよい様子」という意味です。
「保育士から『活発なお子さんですね』と言われた」などと使われます。
「積極的」の対義語
・「消極的(しょうきょくてき)」
「自分から進んで行動を起こさない性質があること」という意味です。
「彼女は消極的で、いつまで経っても告白できずにいる」などと使われます。
まとめ
今回は「能動的」と「積極的」について紹介しました。
「能動的」は「自分から他人に働きかける性質」、「積極的」は「自分からものごとを進んで行う性質」と覚えておきましょう。