この記事では、「アブ」と「ハチ」の違いを分かりやすく説明していきます。
「アブ」とは?
「アブ」は、ハエ目ハエ亜目に分類される昆虫です。
分類学的も外見上もハエに近く、「○○アブ」と呼ばれる昆虫の中には「アブ」だけではなく、実際にはハエに分類されるハナアブなどもいます。
「アブ」は「人を刺す虫」として知られますが、全てのアブが人を刺すのではありません。
「アブ」は花の蜜を吸う訪花性、ほかの昆虫を食べる捕食性、人や家畜をかんで血を吸う吸血性に分かれ、そのうち人を刺す(かむ)のは吸血性のウシアブやイロヨシロオビアブなどになります。
吸血性のアブは栄養を求めて人や家畜を狙いますが、ハナアブなど訪花性のアブは農作物の受粉を助け、ムシヒキアブなど捕食性のアブは害虫を食べるので益虫ともいわれます。
「アブ」にかまれるとチクッと痛みを感じ、アブの口から注入された毒によって炎症が起きるので、赤みや腫れ、かゆみを伴います。
「アブ」は飛行速度が速く、特にメスは産卵するための栄養を求めて人を追いかけることがあるので、アウトドアや農作業をする際は長ズボンを履くなど脚を保護する対策が必要です。
「ハチ」とは?
「ハチ」は、ハチ目のアリに分類される昆虫です。
アリのように体がくびれたものが多く、黒とオレンジ色のしま模様が特徴です。
攻撃性があり、人を刺す怖い虫として知れますが、人を刺すのは働きバチ(メス)のみとなっています。
ハチが人を刺すのは巣を守るためで、ハチや巣に近づかなければハチのほうから襲ってくることはありません。
しかし、針には毒があることから「ハチ」に刺されると強い痛み、患部の腫れや発熱、時にはアレルギー反応などの激しい症状を引き起こします。
「ハチ」の中で人を刺すことが多いのは、巣を作る習性を持つスズメバチ、アシナガバチ、スズメバチで、特にスズメバチは凶暴で毒性も強いので近づかないよう注意が必要です。
「アブ」と「ハチ」の違い
「アブ」と「ハチ」の違いを、分かりやすく解説します。
「アブ」と「ハチ」は、外見や人を刺すところから似ている印象を持たれがちです、しかし、生物の分類上、生態にははっきりした違いがあります。
「アブ」はハエ目、「ハチ」はハチ目に分類され、「アブ」の外見はハエに似ており、「ハチ」はアリのようなくびれた体付きで黒とオレンジ色のしま模様があります。
また、人をおそう時に「ハチ」はお尻の毒針を刺しますが、「アブ」は刺すのではなく人の皮膚を口でかんで吸血するところが違います。
そして、スズメバチやアシナガバチなどは巣を作り、巣を守るために働きバチが人を刺しますが、「アブ」は血から栄養を得るために人や家畜を狙います。
また「アブ」は必ずしも危険な虫というわけではなく、中には人を刺さず受粉を助けたり害虫を駆除する益虫がいるところも「ハチ」とは異なります。
まとめ
「アブ」と「ハチ」は似ているので仲間同士のように思われることもありますが、それぞれ異なる生き物です。
しかし、どちらも刺される(かまれる)と大変な目にあうので、被害にあわないよう気を付けなければなりません。