「腐心」と「苦心」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「腐心」と「苦心」の違い生活・教育

この記事では、「腐心」「苦心」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「腐心」と「苦心」の違い

「腐心」とは、物事を最後までやり通すために、気を遣ったり、悩んだり、考えたりすることです。

「苦心」とは、物事を最後までやり通すために、気を遣ったり、考えたりして、苦しい思いをすることです。

どちらの言葉も意味していることは同じです。

会社を再建することで考えてみます。

一度うまく行かなくなった会社を立て直すには、そのための資金や従業員を集める、他社の協力を得るなどをする必要があります。

資金がまったくない状態だったら、どこから資金を得ようか考えるだけでも苦労をすることでしょう。

資金を得られそうな場所を探し出せても、得られるとは限りません。

また、一度うまく行かなくなった会社は、他社からの信頼が落ちていることが珍しくないので、他社の協力を得るのにも苦労をします。

しかし、あきらめてしまったら会社の再建はできません。

最後までやりとおすために、あれこれと気を遣うことになるのです。

このようなさまを2つの言葉は指しています。

意味は同じなのですが、規模や解決の難しさの程度が違います。

2つの言葉を比べて、規模が大きく解決の難しさも大きいのは「腐心」です。


「腐心」と「苦心」の使い方の違い

同じ意味を持っているので、同じように使うことができます。

先に会社再建の例を出しましたが、このことについて、どちらの言葉も使用することが可能です。

「腐心」は規模が大きく苦労の程度も大きい意味合いがあり、「苦心」よりも程度が大きい事柄に使用をします。

規模と問題解決の難しさの程度の点で、使い方に違いがあります。


「腐心」と「苦心」の英語表記の違い

「腐心」は英語で“great pains”などと表現をします。

「苦心」は英語で“pains”“hard work”などと表現をします。

「腐心」の意味

「腐心」とは、物事を最後までやり通すために、いろいろと考えたり、悩んだり、気を遣ったりすることです。

近年は雑誌の売れ行きがよくないといわれています。

雑誌が売れなければ、雑誌を販売する会社の収益が減り、そこで働く人たちに払う賃金を十分に得ることができず、従業員を解雇しなければならない事態になるかもしれません。

それでは、会社も従業員も困ることでしょう。

こうならないように、雑誌の売れ行きを伸ばそうと考えたとします。

どうすれば売れ行くがよくなるか、あれこれ考えてみたり、いろいろな方面の人たちに気を遣ったり、さまざまな方法を試みたりしてみることでしょう。

こういったことをするには苦労が伴います。

売れ行きを回復させるには、時間もかかるかもしれません。

決して簡単なことではないのです。

この場合は、雑誌の売れ行きを回復させるという物事を成し遂げるために、気を遣ったり、考えたりして、苦労をしています。

このような心をくだくさまを意味している言葉です。

心をくだくことであり、物事を最後までやり通すことができたのか、ということまでは意味に含まれていません。

心のことを指している言葉です。

「腐心」の使い方

物事を最後までやり通すときに使用をします。

時間も手間もかからない事柄には使用しません。

一般的には、多くの時間がかかったり、多くの労力を必要とすることに使用します。

たとえば、会社の再建、政界の浄化、環境に配慮した発電所の開発などです。

これらは、短時間に簡単にできることではありません。

心の働きを指している言葉です。

「腐心」を使った例文

・『両党のバランスをとることに腐心をしている』
・『視聴率を上げるために腐心する』
・『基準値のクリアに腐心した』
・『新製品の売上の向上に腐心する』

「腐心」の類語

「苦心」が類語です。

「腐心」の対義語

苦労がないという意味の言葉が対義語にあたり、それは「安楽」になります。

「苦心」の意味

「苦心」とは、物事を最後までやり通すために、いろいろと考えたり、気を遣ったりして、苦しい思いをすることです。

怪我をした100m走選手のことで考えてみます。

100m選手にとって、脚を健康な状態を保つことは、選手生命にかかわることです。

アキレス腱を損傷するなど脚に怪我をすると、走れなくなる可能性があります。

しかし、走ることを諦めきれない選手は、何とか怪我から回復をして、また走れるようになりたいと考えるものです。

しかし、アキレス腱を損傷した状態から普通に走れる状態になるだけでも大変なのに、競技に出場できるまでに回復するのはさらに大変な思いをします。

超音波治療を受けたり、手術を受けたりなど、いろいろな治療をすることでしょう。

それでもすぐには回復できず、悩んだり、あれこれ考えたりするはずです。

いろいろ悩むことはあっても、諦めることはできず、最後までやり通そうとします。

この心の働きのことを指している言葉です。

「苦心」の使い方

物事を最後までやり通そうとするときに使用をします。

簡単にやり通せることではなく、苦労が伴い、あれこれ考えたり、悩んだりするときに使用される言葉です。

事件を解決すること、野宿をすること、食料を確保すること、国同士の関係を維持することなど、さまざまな事柄に使用されます。

物事を最後までやり通すことができたのか、この言葉の意味には含まれていません。

成功した場合に使うことは可能です。

「苦心」を使った例文

・『両国の関係を良好に保つことに苦心する』 ・『映画撮影時に暴風雨を再現することにスタッフが苦心する』 ・『この現象を説明することに苦心してきた』 ・『恥ずかしい場面を人に見られないように苦心する』

「苦心」の類語

「腐心」が類語です。

「苦心」の対義語

苦労がないという意味の言葉が対義語で、それは「安楽」になります。

まとめ

2つの言葉は同じ意味を持っています。

しかし、規模や苦労の度合いの点に違いがあります。

より困難なのは「腐心」の方です。

そのため、より難しいこといは「腐心」が使用されます。

どういった事柄に使用するのかという点が違います。