「動揺」と「狼狽」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「動揺」と「狼狽」の違い生活・教育

この記事では、「動揺」「狼狽」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「動揺」と「狼狽」の違い

「動揺」「狼狽」の違いは、精神的、心の中で起きることか、それとも、動作として起きることかというものとなります。

「動揺」の場合、精神的に不安な状態になり、心が不安定になること、平常でいることができないこと、社会が不安定になること、といった意味となります。

次に「狼狽」の場合は、慌てて取り乱す、慌ててうろたえる、慌てふためく、うろたえる、といった意味となります。

どちらも共通していえることは、不安定になる原因、慌てて取り乱す原因があるということ。

それが、自分が想定していた以外のことであるということになります。

このように、「動揺」「狼狽」の主な違いは、心の状態なのか、それとも、言動なのか、ということになり、それらの意味を踏まえた使い分けが必要な言葉となります。

「動揺」と「狼狽」の使い方の違い

自分が想定していた以外のことが起こり、その結果、落ち着きを失くしてしまうといった共通の意味を持つ「動揺」「狼狽」

しかし、その内容には、心の状態なのか、うろたえ、そして、騒ぎ出す言動なのかといった違いがあります。

また、「動揺」の場合、取り乱しているにもかかわらず、まったく見た目ではわからない状態でも、見た目でわかる状態でも使用する言葉となります。

例えば、車を運転していて事故を起こしてしまったとします。

その場合、平常でいることなどできません。

そのような状態を示す言葉として、「動揺」を用いて「事故を起こし動揺が収まりません」といったようになります。

一方、幽霊を見たという場合、幽霊を見て慌てて取り乱す人が多いと思われます。

そのような状態を意味する言葉として、「狼狽」が適しており、「幽霊を見て狼狽し、その場から逃げ出した」といったような使い方を行います。

「動揺」と「狼狽」の英語表記の違い

「動揺」の英語表記は、mobility; deflection; oscillation; vibrationです。

「動揺する」は、〈心が〉 be unsettled; be agitated、〈決心が〉 waver、〈迷う〉 【形式ばった表現】 vacillate 《between》、〈世間が〉 be disturbed 「動揺した声」は、an unsteady voice 「激しい動揺」は、violent agitationとなります。

「狼狽」の英語表記は、dismay、panic、confusion、consternation、【形式ばった表現】 discomfiture、【形式ばった表現】 perturbation、(a) flurryです。

「狼狽する」は、get flurried、be flustered、be upset、be thrown into confusion [panic]、lose one’s head [《口語》 cool] 「狼狽して逃げた」は、They fled in confusion―in a panic. 「狼狽えた目つき」はa confused lookとなります。

「動揺」の意味

単に揺れ動くといった意味もある「動揺」ですが、一般的には、心や気持ちが揺れ動く、社会などの秩序が乱れる、平常心を失う、気持ちが不安定、などといった意味となります。

「動揺」の場合、自分が想定していた以外のことがおこるなど、何らかが原因で気持ちが揺れ動き、不安定になるといった意味が強くなります。

「動揺」の使い方

想定していた以外の出来事で、心や気持ちが揺れ動くといった意味を持つ「動揺」

心の中や気持ちの中で起きることになるため、必ずしも行動が伴う必要はありません。

使い方としては、「動揺する」「動揺した」をはじめ、「動揺を隠しきれない」「動揺が走る」「動揺が広がる」「動揺が収まらない」「動揺を招く」「動揺の色」などがあります。

これらすべて、心や気持ちが揺れ動いていることを表し、また、その心や気持ちの変化において、表情などに出ている場合と出ていない場合があります。

「動揺」を使った例文

・『彼女が見知らぬ男性と歩いている姿を見て、私の動揺は収まらない。』
・『先生が病気になり入院すると聞き、クラス中に動揺が広がる。』
・『受験で大切な今、親は子供に動揺を招くような行動、言葉は慎まなければいけない。』
・『好きな人と目が合うだけで、恥ずかしくて動揺してしまう。』

「動揺」の類語

落ち着かないといった意味の「動揺」の類語として、不安、不安心、倉皇、心騒ぎが挙げられます。

また、衝撃的な出来事によって平常心を失ってしまうといった意味には、震撼、震かん、戦慄などが類語として挙げられます。

「動揺」の対義語

「動揺」の対義語は、「安定」「平静」です。

「安定」には、落ち着いている、変化が小さい、といった意味があり、「平静」には、平らかで落ち着ているといった意味があります。

「狼狽」の意味

自分が想定していた以外の出来事によって、慌てて取り乱す、慌てふためく、うろたえる、うろたえ騒ぐ、といった意味を持つ「狼狽」

「狼狽」の場合、予想外の出来事に対し、心の中や気持ちだけで驚くのではなく、慌てて取り乱す様子を意味する言葉となります。

そのため、必ず、驚いた気持ちに対し言動を伴う言葉となります。

「狼狽」の使い方

想定していた以外の出来事で、慌ててうろたえる、取り乱すといった意味を持つ「狼狽」

そのため、「狼狽」を使用する場合は、行動、言動が伴うこととなります。

「狼狽する」「狼狽した」をはじめ、「狼狽させる」「狼狽気味」「狼狽売り」「狼狽した声」「狼狽ぶり」「狼狽した様子」などがあります。

この中の、「狼狽売り」とは、株を慌てて売ることを意味しています。

「狼狽」を使った例文

・『急に私が「結婚する」と言ったら、きっと、両親は狼狽することだろう。』
・『世界情勢を気にしすぎた結果、狼狽売りをしてしまい、失敗してしまった。』
・『あまりにも突然の出来事に、私は狼狽するしかなかった。』
・『狼狽する様子を見学するとは、なんと、悪趣味なことかと思う。』

「狼狽」の類語

動揺し興奮している様子を意味する「狼狽」の類語は、動乱、周章。

突然の恐怖に恐れるといった意味の場合は、大慌て、慌てふためく、周章てる、パニックる、恐慌、おたおたする、あわてふためく、大あわてなどがあります。

「狼狽」の対義語

「狼狽」の対義語には、「安堵」「平然」「泰然」があります。

「安堵」には、気がかりだったことがなくなり、安心するといった意味があります。

「平然」には、何もなかったような落ち着きといった意味があり、「泰然」には、驚かない様子といった意味があります。

まとめ

以上のことから、同じような不安な気持ちを意味する言葉でも、それが心や気持ちの中だけの場合は「動揺」

言動に表す場合は「狼狽」となる、「動揺」「狼狽」の違いです。