「崩落」と「崩壊」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「崩落」と「崩壊」の違い生活・教育

この記事では、「崩落」「崩壊」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「崩落」と「崩壊」の違い

「崩落」「崩壊」とは、「崩れる」のあとにくる漢字が異なる違いがあります。

「崩落」の場合、「崩れる」のあとにくる漢字は「落ちる」です。

そのため、漢字の意味から考え、「崩落」の場合、ただ単に崩れるだけではなく、落ちる、つまり、落下するといった意味が加わります。

一方、「崩壊」の場合、「崩れる」のあとにくる漢字は「壊れる」です。

そのため、漢字の意味から考え、「崩壊」の場合、崩れて壊れる、といった意味となり、「崩壊」の場合、必ずしも落下する必要はありません。

とは言っても、どんなものでも、上から下に落ちる現象が地球上にある以上、「崩れたものは、落ちるのではないか」と思われると思います。

確かに崩れたものは一般的に下に落ちます。

そのような点から考えると「崩落」「崩壊」には違いがないように思われますが、やはり、使い方には違いがあり、落ちないことを前提にしているような、地面に密着しているもの、例えば、家屋の場合は、崩れても落下するといったイメージがないため、主に「崩壊」を使用することとなります。


「崩落」と「崩壊」の使い方の違い

一般的には、建物が崩れることを意味する、「崩落」「崩壊」ですが、「崩壊」の場合のみ、建物などといったもの以外に、人間関係や信頼関係が崩れることを意味し「崩壊する」といった使い方が可能になります。

一方、「崩落」の場合は、比喩表現として株価や物価に対し用いることができ、大幅に株価が下がることを「株価の崩落」と表現します。

「崩落」の場合は、トンネルや橋などに用いられることが多く、「崩壊」の場合は、家屋に用いられることが多い。

そして、「崩落」は株価や物価にも使用可能。

「崩壊」は、人間関係や信頼関係にも使用可能といった違いがあります。


「崩落」と「崩壊」の英語表記の違い

「崩落」「崩壊」は、英語表記も異なります。

「崩落」の英語表記は、cave-in(洞窟やトンネルの)/fall of earth
「物価が崩落する」は、The prices drop/The prices sag.
「崩落箇所」は、cave-in(洞窟やトンネルの)「~の崩落事故で死亡する」は、die in fall at
「トンネルの崩落」は、collapse of tunnelなどとなります。

「崩壊」の英語表記は、たくさんあり、avalanche/breakup/calving(氷山や氷河の)〔【同】ice calving〕/collapse(建造物・組織・体制などの)/crash/demise(体制などの)/deterioration(形あるものの)などがあります。

「崩壊した」は、fragmented/ruined
「崩壊したトンネル」は、collapsed tunnel
「崩壊した社会」は、fragmented society/shattered society
「崩壊したばかりの」は、recently collapsed
などとなります。

「崩落」の意味

崩れて落ちる、といった意味のある「崩落」

また、相場が急激に下がることも意味します。

「崩落」の場合、崩れることに加え、必ず落下することが必要です。

そのため、「崩落」の場合、崩れると必ず落下することが多いトンネルの天井や橋、といった建物に使用されることが多くなります。

「崩落」の使い方

「崩落」を使った言葉には、「崩落事故」「崩落現場」「崩落検知システム」「崩落災害警報装置」

「土砂の崩落」「株価の崩落」「崩落の跡」「崩落以前から」「崩落の原因」などがあります。

「崩落」を使った例文

・『父が工事に携わった橋が地震で崩落したと聞き、父は非常に大きなショックを受けています。』

・『鉄橋の崩落事故に伴い、電車の代替え運転が実施されています。』

・『土砂の崩落現場を見て、自然の力のすごさを実感しました。』

・『株価の崩落により、私のへそくりが飛んで行ってしまいました。』

「崩落」の類語

「崩落」の類語には、機能しなくなるといった意味の「壊れる」「砕ける」「破損」などがあります。

そのほか、砕けるといった意味の「決壊」「崩れ落ちる」「潰れる」「全壊」「崩壊」なども「崩落」の類語になります。

「崩落」の対義語

「崩落」には明確な対義語はありませんが、しいて言えば、「建設」「形成」「崩落」の対義語となります。

「崩壊」の意味

くずれる、壊れる、といった意味のある「崩壊」

形あるものが物理的に壊れていくさまを意味する場合が多くなります。

とは言っても、必ず目に見える形あるものだけが崩れるといった意味だけではなく、「家族の崩壊」「信頼関係の崩壊」など、目に見えず、形のないものにも使用することができる言葉となります。

「崩壊」の使い方

「崩壊」を使った言葉には、「崩壊系列」「崩壊熱」「崩壊定数」のほか、「家庭の崩壊」「組織の崩壊」「床の崩壊」「土砂の崩壊」「崩壊を防ぐ」「崩壊を引き起こす」などがあります。

「崩壊」を使った例文

・『父の会社が倒産したことにより、家庭まで崩壊することになってしまいました。』

・『築100年にもなる母屋が地震で崩壊してしまいました。』

・『一度崩壊した信頼を取り戻すことは難しい。』

・『何とか土砂の崩壊を防ぐことはできないかと、試行錯誤する。』

「崩壊」の類語

「崩壊」の類語には、力の下で抵抗をやめるといった意味の「崩れ落ちる」「崩潰」

砕けるといった意味の「決壊」「決潰」「崩潰」「全潰」「潰れる」「倒潰」「全壊」「倒壊」などがあります。

「崩壊」の対義語

「崩壊」の対義語には明確な意味はありませんが、しいて言えば、「建設」「形成」「崩壊」の対義語となります。

まとめ

以上が、「崩落」「崩壊」の違いです。

どちらも、「崩れる」といった意味を持つ「崩落」「崩壊」

そのうえで、使い分けに迷った際は、必ず崩れたものが落ちる場合。

また、崩れて落ちるまでをクローズアップしている場合は「崩落」を。

単に崩れる場合のみは「崩壊」が適していると考えるとわかりやすくなります。

また、建造物以外の使い方としても、「崩落」は、物価や株価などに使用することができ、「崩壊」は、家庭や信頼関係などに使用することができるといった違いがあります。