あまり嬉しくない終わりを表す言葉として「破綻」と「破産」と「倒産」があります。
これらの言葉は具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「破綻」と「破産」と「倒産」の違いについて解説します。
「破綻」とは?
「破綻」とは、「物事がどうにもならないところまで行き詰まり立ち行かなくなること」を意味する言葉です。
「破綻」は「打つ手がなくなって終わりを迎える」ことを表します。
物事が終わる理由はいろいろありますが「破綻」の場合は「手詰まり」つまり「これ以上どうしようもない」という挽回できないために終わることを指します。
「破綻」の本来の意味は「破れて壊れる」です。
物事がいっぱいいっぱいになってパンクし破裂するイメージを表す場合に使われる表現です。
「破綻」の例文
・『北海道の開発計画が資金調達の失敗により破綻してしまった』
・『巨額な設備投資が重荷となり経営破綻に追い込まれる』
「破産」とは?
「破産」とは、「経済的に成り立たなくなること」を意味する言葉です。
「破産」が使われるのは債務不履行や支払不能など「資金繰りができなくなったとき」です。
お金の都合がつかないという経済的な行き詰まりを表す言葉であり一般的には企業が財政定期に成り立たなくなることを指すほか、個人の経済状況が回復不能なほどに追い込まれるという意味でも使われます。
「破産」の例文
・『期日までに債務の支払金を用意できず破産してしまった』
・『一度は破産した企業だが救済企業のおかげで見事に復活した』
「倒産」とは
「倒産」とは、「法人の経営が成り立たなくなり潰れること」を意味する言葉です。
一般的には「会社が潰れる」という意味で使われる「倒産」ですが法律的な言葉ではなく厳密な定義もありません。
基本的には「会社更生法の適用」を持って倒産と表現することが多く厳密には会社が潰れているわけではありませんが現状の経営状況維持をあきらめ新たな道を探す、という経営の失敗を経営陣が受け入れたときを持って「倒産」と表現します。
「倒産」の例文
・『朝起きてテレビを見たら自分が勤めている会社の倒産を伝えるニュースが報じられていた』
・『倒産を回避するために何としてでも資金の都合をつけなければならない』
「破綻」と「破産」と「倒産」の違い
「破綻」と「破産」と「倒産」の違いは「終わり方」です。
「破綻」は行き詰まって終わりを迎えることを意味する言葉で個人や法人、団体や国家など様々な物事に対して使われます。
「破産」は経済的に立ちゆかなくなって迎える終を意味する言葉で個人や法人、団体など経済的な行き詰まりが存続に影響するものを対象にしています。
「倒産」は会社が潰れることを意味する言葉で営利を目的とした企業法人のみに用いられる言葉です。
同仕様も無くなって終わるのが「破綻」、お金がなくなって終わるのが「破産」、会社が終わるのが「倒産」という違いで使い分けられます。
まとめ
「破綻」と「破産」と「倒産」はよく似た意味ですがそれぞれ用いる対象や内容に違いがあります。
終わりを迎えたものに対してどの表現を用いればいいのか、よく考えて使い分けてください。