「取材」と「調査」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「取材」と「調査」の違い専門用語・業界用語

この記事では、「取材」「調査」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「取材」と「調査」の違い

「取材」とは、記事や作品などの題材や材料を、ある出来事や人物からとることです。

「調査」とは、はっきりとしていないことをはっきりとさせるために、多くの物事に当たったり、実際に何かをしたりして、しらべることです。

「実態を取材する」「実態を調査する」のような、似たような使われ方をするので、2つの言葉は同じ意味を持っているように感じます。

しかし、それぞれの言葉が持っている意味は異なります。

「取材」は題材や材料をとることです。

テレビでは、毎日のようにたくさんの情報が伝えられています。

この情報は、ある出来事やある人物などから取ってまとめたものです。

たとえば、A店のことをテレビで伝えたいと考えたとします。

その場合、A店に行って店主の話しを聞いたり、店の様子を撮影したりして、テレビで伝える材料を集めます。

こうして材料を集めてまとめることを「取材」といいます。

「調査」はわからないことを調べることです。

日本にどれくらいの人がいるのかは、調べてみないとはわかりません。

つまり日本の人口は、はっきりしていない事柄なのです。

国は、毎月日本国内の人口を算出して発表しています。

はっきりしていない人口をはっきりしたものにするために、人口関連資料を使用して調べています。

そして、○○人という数字が出されます。

数字が出されることで、はっきりしていなかったものがはっきりしたものになります。

このように、調べてはっきりさせることを「調査」といいます。


「取材」と「調査」の使い方の違い

前者の言葉は、題材や材料を集めてまとめることに使用をします。

後者の言葉は、さまざまなことに当たって調べることに使用をします。

「調査」には、はっきりしていないものをはっきりさせるという目的がありますが、「取材」にはこの目的はありません。


「取材」と「調査」の英語表記の違い

「取材」は英語で“coverage”と表現をします。

「調査」は英語で“investigation”“nquiry”“research”と表現をします。

「取材」の意味

「取材」とは、創作や報道記事などの主題・素材を、ある人や事件などから集めてまとめることです。

「ベランダ菜園を成功させる方法」を雑誌記事で紹介したいと考えた場合で説明します。

記事を書く人は、ベランダ菜園を成功させる方法を知りません。

そこで記事にまとめるために、ベランダ菜園に詳しい人に話しを聞いたり、実際に行っている様子を見せてもらったりします。

こうして、ベランダ菜園に関する記事の材料が集まりました。

そして、集めた材料をまとめます。

この作業が「取材」です。

今度は、野球選手のことを雑誌記事で紹介したいと考えた場合で説明をします。

この記事では、その選手が日ごろどのようなことをしているのか紹介しようと考えています。

選手がやっていることは、選手に聞いたり、日常を見たりしないとわかりません。

記事にするためには、選手に直接聞く、日常を見せてもらうなどしなければならないのです。

実際にこれらの行動をして、記事にするための材料を集めます。

こうして集まった材料をまとめることが「取材」です。

「取材」の使い方

主題や素材を集めてまとめるという意味で使用をします。

「○○さんを取材する」「現場を取材する」などの使われ方をすることが多いです。

「取材」を使った例文

・『鈴木が取材を担当します』
・『取材に対応する』
・『取材を断る』
・『明日、取材に伺います』

「取材」の類語

「インタビュー」が類語です。

「取材」の対義語

ありません。

「調査」の意味

「調査」とは、多くの事柄に当たって調べることです。

はっきりしていないことをはっきりさせることが目的で行われます。

あるところで交通事故が起こったときのことで考えてみます。

車がコンビニに突っ込みました。

車がコンビニに突っ込んだのはなぜなのか、自己が起こった時点では、はっきりしていません。

事故に関係する人に話しを聞く、事故現場の様子を観察する、などの行動をとれば、はっきりさせられる可能性があります。

これら、人に話しを聞く、現場の様子を観察するなどの行動を「調べる」といいます。

このように、いくつかの物事にあたり、はっきりさせるために「調べる」ことをするのを「調査」といいます。

今度は、スーパーで販売されている品物の価格「調査」のことで考えてみます。

A店・B店・C店のうち、もっとも安く弁当を販売しているのはどの店なのかをはっきりさせようとしたとします。

価格の違いをはっきりさせるためにA店・B店・C店それぞれの店に行き、実際に弁当の価格を確認します。

たとえば弁当1個の値段が、A店は500円、B店は550円、C店は600円だとわかったとします。

このはっきりさせるための行動が「調査」です。

はっきりしていないものをはっきりさせるという目的があり、その目的を達成するためにさまざまな事柄に当たって調べることを意味しています。

「調査」の使い方

はっきりさせる目的で調べるという意味で使用します。

はっきりしていないものは、世の中にたくさんあります。

たとえば、古代の生活、飲食店利用者の満足度、ある商品の売れ行きなどです。

はっきりしていないものは数多くあり、それらをはっきりさせたいと考える人は数多くいるので、「調査」は頻繁に行われています。

そのため、「調査」という言葉は日常よく見聞きします。

「調査」を使った例文

・『今後も調査を続けるつもりです』
・『夏のリゾート地での過ごし方を調査する』
・『道行く人に話しを聞いて調査しました』
・『調査の対象となったのは猫を飼育している人です』

「調査」の類語

「調べる」が類語です。

好意の規模が小さなものにも大きなものにも使用されます。

「調査」の対義語

ありません。

まとめ

「実態を取材」「実態を調査」のように似た使われ方をする言葉で、同じような意味を持っているように感じます。

しかし、それぞれの言葉が持っている意味は言葉ります。