「見栄」と「虚勢」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「見栄」と「虚勢」の違い生活・教育

この記事では、「見栄」「虚勢」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「見栄」と「虚勢」の違い

「見栄」とは、外から見た様子を気にして、実際よりもよく見せようとすることです。

「虚勢」とは、実際はそうでないけれどそのように見えるようにするための、活気のある態度や言葉のことです。

どちらの言葉にも「見せかけ」という意味が含まれていますが、どのような態度なのかという点が違います。

「見栄」の場合は、本当のことよりもよく見せようとする態度ことです。

本当は仕事ができない人なのに、仕事のできる人に見せたり、本当はどこにでもいる一般庶民なのに、ブランドものを持ってお金持ちのように見せたりすることをいいます。

「虚勢」の場合は、本当はそうでないのに、勢いがあるように見せようとする態度、偉そうに見せる態度のことです。

本当は幸せでないのに幸せになるのだと威張ること、本当は自信がないのに自信があるように偉そうな態度をとることなどをいいます。

「見栄」は、よりよく見せようとする態度、「虚勢」は本当は偉くもなんともないけれど偉そうに見せる態度のことです。


「見栄」と「虚勢」の使い方の違い

前者の言葉は、本当よりもよく見えるようにする態度について使用をします。

後者の言葉は、うわべだけの威張っている態度について使用をします。


「見栄」と「虚勢」の英語表記の違い

「見栄」は英語で“display”“show”と表現をします。

「虚勢」は英語で“bluff”“bravado”と表現をします。

「見栄」の意味

「見栄」とは、外から見た感じを意識して、本当よりもより良く見せようとする態度のことです。

ブランドものを持つことで考えてみます。

ブランドものは、そうでないものと比べると高価で、それなりに金銭を持っていなければ購入できません。

つまり、ブランドものを持っているということは、お金持ちの証なのです。

世の中には、お金持ちはいいことだ、お金を持っていないことは恥ずかしいことだと考えている人がいるようです。

お金を持っていないことは恥ずかしいことだと考えている人は、お金を持っていないように見えることを恥ずかしく思ったり、みじめに思ったりすることがあります。

そして、他人から「貧乏そう」と思われることを気にするのです。

そこで、外からはお金がないように見えないようにするために、ブランドものを持つようになります。

ブランドものを持っていれば、お金がある人のように見えます。

本当はそうでないのに、そうであるかのように見せようとしているのです。

この態度を「見栄」は指しています。

ブランドものを持っている人が、すべてこうだというわけではなく、本当にブランドものが好きなで持っているという人もいます。

その点は勘違いしないでください。

今度は英字新聞を読むことで考えてみます。

英語を読めない人の中には、英語を読める人はかっこいいと考える人がいるようです。

自分も英語を読めるようになりたいとは思っていても、読むことができません。

英語を読めないことを恥ずかしく感じていることもあります。

実際には英語を読めなくても、読めるように見せることはできます。

たとえば、英字新聞を読んでいるふりをするのです。

外から見たら本当に読めているように見えます。

しかし、実際は読めていません。

読めないのに読めているような態度をとるのは、実際よりもよく見られたいからです。

「見栄」の使い方

本当はそうでないのに、本当よりもよく見せようとする態度について使用をします。

なぜよく見せようとするのかというと、外からどう見られているか気にしているからです。

外からどう見られるかを気にしていなければ、実際よりもよく見せようとは思わないことでしょう。

「見栄え」「え」が送り仮名でつくと意味が違ってしまいます。

外から見た感じがよいことで、実際よりもよく見せようとするという意味は含まれなくなります。

実際よりもよく見せようとする態度を指すときには、「え」の送り仮名を入れません。

「見栄」を使った例文

・『20代は見栄の塊でした』
・『子どもを有名進学校に通わせるのは、子どものためではなく親の見栄でした』
・『見栄から勧められたものを購入する』
・『見栄を張ってみんなよりも大きなものを買う』

「見栄」の類語

「虚栄心」が類語です。

本当の自分よりもよく見せようとする心という意味があります。

「見栄」の対義語

対義語に近い言葉は、実際よく見えるという意味を持っているものになります。

それは「見栄え」です。

「虚勢」の意味

「虚勢」とは、本当はそうでないのに威勢があるように見せることです。

自信がない人のことで考えてみます。

自信がない人は、避難されても言い返せなかったり、猫背気味だったり、人の言いなりになってしまったりしがちです。

「虚勢」を張っている人は、避難されたときは相手を攻撃したり、威張っているように胸を張ったり、人の言いなりには絶対にならないようにしたり、などすることがあります。

本当は自信がないのに、自信があるように見せるための行為です。

威張っているような態度を意味しており、それ以外の態度のことは意味していません。

本当は優しくないのに優しい人のように見せるといったことではないです。

「虚勢」の使い方

威張ったような態度のことを指して使用します。

本当に偉いのではなく、本当は偉くないけれど偉そうに見せるために威張ることを意味しています。

「虚勢」を使った例文

・『彼からは虚勢をまったく感じられない』
・『入れ墨をして虚勢を張る』
・『虚勢だと陰で言われている』
・『虚勢だとは思えない』

「虚勢」の類語

「空威張り」が類語です。

本当は能力がないのに、能力があるように偉そうに威張る態度という意味があります。

「虚勢」の対義語

偉そうでないという意味を持つ言葉が対義語で、それは「謙虚」です。

まとめ

2つの言葉には、「みせかけ」という意味が含まれています。

この点は似ているのですが、どのような態度なのかという点に違いがあります。