「価値」と「価格」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「価値」と「価格」の違い金融・経済

この記事では、「価値」「価格」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「価値」と「価格」の違い

「価値」とは、物事がどれくらい有益であるか、どれくらい役に立つかの度合いです。

具体的な形のあるものも、抽象的なものも指しています。

「価格」とは、販売を目的とした品物やサービスが、金銭でいくらになるかを表したものです。

「商品価値」「商品価格」など、似たような使われ方をするので意味が同じように感じますが、2つの言葉は同じ意味なのではありません。

「価値」は、役立つ度合いです。

人間が知覚できる形のあるものや、考えのような形のないものが持っている有用性を指しています。

「価格」は、金銭のあたいです。

販売するための品物やサービスが、金銭にするとどれくらいなのかを表したものを意味しています。

2つの言葉の違いを宝石のことで考えてみます。

サファイア、ルビー、アクアマリン、ダイヤモンドなど、宝石にはさまざまなものがあります。

ある人は、「自分はサファイアを持つことで魅力が高まる」と思っていたとします。

この人にとっては、サファイアが役に立つものです。

役に立っているので「価値」あるものといえます。

お店で売られているサファイアには、○○円と数字が付けられています。

この数字が「価格」です。

ある人にとって役に立つかどうかは関係ありません。


「価値」と「価格」の使い方の違い

前者の言葉は、役に立つ度合いを指して使用します。

万人にとっての役立つ度合いという意味でも、特定の人に取っての役立つ度合いという意味でも使用可能です。

後者の言葉は、売るための物やサービスを金銭で表したものです。

日本なら○○円という表し方がされます。


「価値」と「価格」の英語表記の違い

「価値」は英語で“value”“worth”“merit”と表現をします。

「価格」は英語で“price”“cost”“value”と表現をします。

「価値」の意味

「価値」とは、その物の役に立つ度合い、有用性の度合いです。

好きな人からもらった指輪は、女性にとって「価値」あるものなことが少なくありません。

たとえその指輪が1000円程度でもです。

なぜなら、好きな人からもらった指輪は、自分を愛してくれている印になるからです。

もらった女性にとって、それは役立つものなのです。

普段、数万円する指輪を身につけている人にとっては、1000円の指輪は「価値」のないものでしょう。

しかし、別の人にとっては「価値」あるものなことがあるのです。

指輪は形があるものですが、形のないものの役立つ度合いのことも意味している言葉です。

読書をすると好奇心が満たされたり、知識を得たりすることができます。

知りたいという欲求が満たされることで、心が満たされた状態になります。

それは、その人にとって役に立っているといえるでしょう。

得た知識を何かの場面で使うことがあれば、それも役に立っているといえます。

好奇心や知識は形のないものですがこれらについてもいうことができ、役に立っていれば「価値」あるものといえるでしょう。

「価値」の使い方

役立つ度合いを指して使用します。

誰にとっても同じだけ役立つという物事は、あまりありません。

ある人にとっては役に立つけれど、ある人に取っては役に立たないことがあるのです。

この言葉は、特定の人にだけ役に立つ物事にも使うことができます。

先の指輪の例だと、1人の女性にしか役に立っていませんが、たった1人であっても役に立っているので、この役立つ度合いのことを指して使用することができます。

「価値」を使った例文

・『この本は読むだけの価値がある』
・『自分にとっては価値のあるものです』
・『他人はたいしたものではないというけれど、私にとっては価値のあるものだ』
・『自分には価値がない』

「価値」の類語

「値打ち」が類語です。

物事が持っている役立つ度合いのことで、物について使用をすることが多いです。

「価値」の対義語

「無価値」が対義語です。

「価格」の意味

「価格」とは、販売を目的とする物やサービスを金銭で表したものです。

お店に行くと品物に○○円と表示されています。

たとえば、スカートが5000円、バッグが10000円、ハンカチが1000円などです。

この○○円のことを意味しています。

価格の決め方には、いろいろな要素が絡んできます。

品物の場合だと、その物を作るために使う材料が必要です。

そして、これに手を加えて形作るために、人手や機会なども必要になります。

さらに、作られた品物を店頭に運ぶ必要もあります。

そして、販売する人もいなければなりません。

こういった事柄にかかる費用と利益を考えて「価格」が決められています。

品物のような形のあるものだけでなく、形のないものにも「価格」がつけられています。

たとえば、マッサージです。

マッサージは、客の皮膚や筋肉をさすったりもんだりするサービスです。

マッサージ店に行くと、30分で○○円などと示されています。

この○○円が「価格」です。

マッサージは物としての形がないものですが、「価格」をつけることができます。

「価格」の使い方

売るためのものを金銭で表したものを指して使用します。

日本の場合だと○○円と表示をします。

家族や友達などと普段会話するときに使うよりも、ニュースや文章などで使われることが多いです。

品物は普段手に取る機会が多いので、普段から見聞きする言葉です。

「価格」を使った例文

・『店内で飲食するよりもテイクアウトの方が低価格』
・『コストを削減することで価格を抑えることに成功しました』
・『手に取りやすい価格』
・『こんなに安いなんて驚きの価格だ』

「価格」の類語

「値段」が類語です。

売るための物やサービスを金銭で表したものという意味があります。

「値段」は日常会話で使うことが多く、「価値」は改まった言い方です。

「価格」の対義語

ありません。

まとめ

どちらの言葉も品物について使われており、同じ意味を持っているように感じますが、意味は同じではありません。

一方や役立つ度合い、もう一方は金銭の値を意味しています。