「恩恵」と「利益」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「恩恵」と「利益」の違い生活・教育

この記事では、「恩恵」「利益」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「恩恵」と「利益」の違い

「恩恵」とは、他人からかわいがられて大事にされたり、人や自然から施しを受けること、またかわいがって大事にしたり、施しを与えることです。

「利益」には、2つの意味があります。

1つめは、生産や営利などの目的で、会社や組織を運営して得る儲けです。

もう一つは、得になることです。

どちらの言葉にも、自分にとって得になる物事を受け取る意味合いがありますが、同じことを指しているのではありません。

「恩恵」は他人や自然から与えられるものです。

自分の努力によって得るものではありません。

また、与えることも意味しています。

与える場合は、相手のことをかわいがっていたり、大事にしていたりするから行うのであり、損得勘定があるのではありません。

「利益」は何らかの行為によって得るものです。

特に事業によって得るものを指しています。

何もせずに他人や自然から与えられるものではありません。


「恩恵」と「利益」の使い方の違い

前者の言葉は、目下のものをかわいがったり、大事にしたりすること、他人や自然から与えられるものを指して使用をします。

自然が与えてくれるものには、雨や太陽の光などがあり、こういったものを受けることをいいます。

後者の言葉は、会社や組織などを運営して得る儲けを指して使用します。

また、事業以外の事柄で、得になることにも使用されます。


「恩恵」と「利益」の英語表記の違い

「恩恵」は英語で“favor”と表現をします。

「利益」は英語で、得の意味では“profit”“gain”と表現をし、役に立つの意味では“benefit”と表現をします。

「恩恵」の意味

「恩恵」とは、他人や自然から与えられるもの、他人からかわいがられて大事にされること、また他人に与えること、他人をかわいがって大事にすることです。

人間は自然から多くの「恩恵」を受けています。

人間が生きていくためには、食物を得なければなりません。

食物連鎖の底辺にあるのが植物です。

植物が育つためには太陽の光や水が必要です。

太陽の光や水がなければ植物は育たず、人間が食物を得ることはできません。

「肉や魚を食べればいいなじゃないか」と思うかもしれませんが、その肉や魚も植物を食べて生きています。

太陽の光も水も自然の「恩恵」です。

人間は電気を使用して生活をしています。

日本の場合だと、原子力発電や火力発電が中心になっています。

火力発電は、石炭・石油・液化天然ガスを燃やして水を熱し、そのときに発生する蒸気でタービンを回して、それによって発電機を回して、電気を作っています。

石炭・石油・液化天然ガスは自然が作り出したものです。

自然が作ったものを利用して電気を作りだし、人間は生活をしているのです。

これも自然の「恩恵」といえます。

これらは、人間がくださいといってもらえるものではありません。

「恩恵」は求めてもらえるものではないのです。

「恩恵」の使い方

他人や自然から与えられるもの、他人からかわいがられて大事にされること、また他人に与えること、他人をかわいがって大事にすることに使用をします。

与えられるものの意味では、自分にとって幸福なもの、得をもたらすものを指して使用をします。

要らないものをもらうことではありません。

物質だけでなく、精神的なものもいいます。

「恩恵」を使った例文

・『新薬の恩恵を受ける』
・『日本の食文化の恩恵といえるだろう』
・『多くの人が恩恵を受けられることを望みます』
・『住居が駅に近く、恩恵を受けている』

「恩恵」の類語

「恵み」が類語です。

他人や自然から受け取る、幸福や得になるものという意味があります。

特に物質についていいます。

「恩恵」の対義語

よくないものを受け取るという意味で「害悪」です。

「利益」の意味

「利益」には、2つの意味があります。

1つめは、何かを作ったり、何かを販売したりして、会社や組織などが儲けを得ることです。

コンビニのことで考えてみます。

飲み物、おにぎり、パン、お弁当、お菓子、雑誌など、コンビニにはさまざまなものが売られています。

これら売られているものは、仕入れをしていて、仕入れには費用がかかります。

仮にペットボトルのジュースを1本仕入れるのに、50円かかるとします。

このジュースを100円で販売します。

お客さんが購入をすると、販売価格から仕入れ価格を引いた50円がお店の得になります。

この得のことを指している言葉です。

もう一つの意味は、役に立つこと、得になることです。

今度はゲームをすることで考えてみます。

多くの大人は、ゲームをすることは役に立たないと考えているようです。

だからこそ、「ゲームで遊んでいないで勉強をしなさい」と子どもにいうのでしょう。

もし、ゲームが役立たないものなら、ゲームをすることは「利益」にはなりません。

しかし、eスポーツをする人にとっては、ゲームをすることは役に立つのかもしれません。

何時間もゲームをすることで上達をし、それによってリーグやトーナメントで優勝できる可能性があります。

この場合は、ゲームをすることが役に立っている、つまりやっている人の「利益」になっています。

「利益」の使い方

人間が生活をするために必要なものを作ったり、販売をしたりして、会社や組織が得る儲けを指して使用します。

経済にかかわる事柄をいいます。

役に立つことの意味でも使用をします。

この意味では、経済とはかかわりがないことにも使用可能です。

「利益」を使った例文

・『その本を読んで利益になるの?』
・『多くの利益を得ることができた』
・『今月の利益を計算する』
・『自分の利益しか考えていない』

「利益」の類語

「儲け」が類語です。

「利益」の対義語

得にならないという意味で「損」です。

まとめ

何かを得るという意味合いがある点が、2つの言葉で似ています。

しかし、一方の言葉は自然から与えられるものも指しているのに対し、もう一方の言葉は自然から得られるものは指していない点に大きな違いがあります。