この記事では、段違いに優れた力という意味の「圧倒」と書物や催し物などの中で最もすぐれた部分を指す「圧巻」と規模が大きくすばらしい眺めという意味の「壮観」の違いを分かりやすく説明していきます。
「圧倒」とは?
比較にならないほどに優れたもの、力、他より遥かに勝っているものという意味合いがあり、「圧倒的な強さ」や「圧倒的な差をつける」などという言葉がイメージしやすいでしょう。
圧倒されるという言葉は優れたものの凄みに怯む、押さえつけられてしまうなどの意味がありますが、怯むという意味合いよりは非常に感動するという使い方をしているケースも多くなっています。
基本的には比較対象があるものに対して使われる言葉ですが、自分の知識や過去の経験などを比較対象にできるため、非常に大きな一本の木を見て圧倒されるということもありえます。
「圧巻」とは?
昔の中国において、詩文や絵画の書物の中で最も優れているものを指した言葉で、美術館などで最も優れており驚かされた展示物に使うケースが多くなっており、「中でも圧巻だった展示物は」という使い方が可能です。
映画のストーリーや世界設定の壮大さを指す場合に「圧巻のスケールで描く」という使い方をすることがありますが、映画の中でも最も優れているという意気込みがあるといえるでしょう。
「圧巻の大きさ」という言葉で建造物の大きさを示すこともできます。
大きさに使うことはあっても、強さに使う言葉とは言い難い点も特徴的です。
「壮観」とは
規模が大きく素晴らしい眺めという意味で、「展望台から見下ろす壮観な眺め」「レースで優勝した歴代の車が並んでいて壮観だ」などの使い方が出来、ポジティブな意味合いの言葉です。
規模が大きく素晴らしいと言う範囲の定義は広く、ミニチュアやジオラマのようなものを大規模に並べても壮観という言葉は使えます。
実際のサイズで言えば手漕ぎ舟と豪華客船では豪華客船の方が壮観と言えますが、手漕ぎ舟も数十隻並ぶと壮観ということが出来るでしょう。
「圧倒」と「圧巻」と「壮観」の違い
圧倒は風景に圧倒されたという言葉もありますが、この中では唯一強さに対して評価できる言葉で、「圧倒的な得点差」などと言った使い方も可能です。
圧巻は「圧巻だったのが」などの使い方をする言葉で、基本的には催し物や作品の一番の見所を取り上げるための言葉です。
ただし、巨大さを伝える際にも使われる言葉です。
壮観は規模が大きく素晴らしい眺めという意味合いに使われる言葉で、「この旅行で圧巻だったのが景色の壮観さ」「壮観な景色に圧倒される」と「圧巻」や「圧倒」と両立させることも出来ます。
まとめ
「圧倒」と「圧巻」と「壮観」は用途が微妙に異なっており、圧倒は景色であっても何らかの強さを持ったもの、圧巻は一番の見所と言えるもので、壮観は規模な大きく素晴らしい眺めとなっており、この中では圧巻が最も人により感覚が異なるケースがあり、圧倒的な点差などは誰が見ても感覚に差がないと言えます。
壮観はある程度共通認識になるといえるでしょう。