この記事では、「指導」と「教育」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
指導と教育の違い
「指導」は、教え導くことです。
ある目的を達成するため、またはそちらの方向に向かわせるために、教え導くことを意味します。
「教育」は、知識を与えたり、技術を習得させたりすることです。
どちらの言葉も知識や技術などを見につけさせるという点では同じです。
しかし、「指導」の場合は、ある目的や方向に向かって知識や技術などを見につけさせて、導くことを意味しています。
目的や方向があり、「導く」という意味が含まれているのです。
一方、「教育」の場合は、ある目的や方向が明確でないこともあり、目的や方向がなければ「導く」という意味も含まれないことになります。
指導と教育の使い方の違い
「指導」は、学校、職場、趣味のサークル、演劇など、さまざまな場面で使用されます。
たとえば趣味のサークルの場合、講師がいて、生徒がいます。
講師は生徒に対して、どのように行うのか方法を伝えます。
陶芸の場合で考えてみると、どういった手の動かし方をしたらいいのかなど伝えることでしょう。
それは、生徒が作品を完成させられるようにという目的があります。
生徒が特定の目的を達成できるように技術を習得させています。
こういったことが「指導」です。
人間を変えようという意図はありません。
一方、「教育」は主に学校で行われるものを指しています。
しかし、会社の社員を教育するなど、学校以外の場面でも使用されます。
社員を「教育」する場合で考えてみると、「教育」を行うのは会社にとって望ましい人間にするためです。
社員にとっての目的ではなく、会社にとって望ましくしようという意図があります。
指導と教育の英語表記の違い
「指導」は英語では“guidance”または“leadership”と表記されます。
「教育」は英語では“education”または“teaching”と表記します。
指導の意味
「指導」は、ある目的や方向に向かって教え導くことです。
導くは、正しい方向に手引きすることや、目的のところに連れて行くことを意味します。
手引きとは、手を引く、つまりある方向に連れて行くこと、手ほどきすることです。
つまり「指導」は、目的を達成できるように、道案内をするようなことを意味しています。
指導の使い方
「指導」は特定の目的がある場合に多く使われる言葉です。
泳げるようになるためにコーチに手ほどきをしてもらう、ゼミの教授に意見を求めて導いてもらう、こういったことが「指導」にあたります。
学問分野で多く使われる言葉ですが、日常でも使われる言葉です。
指導を使った例文
・『アスリートが小学生に走り方を指導する』
・『薬の飲み方を指導する』
・『コーチの指導が厳しい』
・『指導する側も大変だ』
・『叱るよりも褒めて指導するよう心がける』
指導の類語
「指導」の類語は、「教える」「教授」「教育」などです。
「教える」とは、相手の知らないことを伝えることを意味します。
「教授」は大学や高校などの教育職階のことやその人のことも意味するのですが、「指導」の類語の「教授」とは、学問や技術を教えることを意味しています。
指導の対義語
「指導」の対義語は、「放置」「放任」などです。
「放置」はそのままほおっておくこと、「放任」は干渉せずにしたいようにさせることを意味します。
教育の意味
「教育」とは、知識を与えたり、技術を習得させたりすることです。
望ましい人間にするために、意図的・計画的に行われます。
たとえば学校教育の場合、生徒を望ましい人間にするための方針がカリキュラムとして組まれています。
無秩序に行われているのではなく、いつまでにこれをやるという計画がされています。
教育の使い方
「教育」は人を望ましい形にしたいときに使われる言葉です。
学校教育、社員教育なども、望ましいものにすることが意図されています。
教育を使った例文
・『アスリートが小学生に走り方を指導する』
・『薬の飲み方を指導する』
・『コーチの指導が厳しい』
・『指導する側も大変だ』
・『叱るよりも褒めて指導するよう心がける』
教育の類語
「教育」の類語は、「教える」「教授」「指導」などです。
「教える」は相手の知らないことを伝えることで、「教育」よりも広い意味で使われています。
教育の対義語
「教育」の対義語はありません。
まとめ
「指導」の類語に「教育」が含まれており、「教育」の類語に「指導」が含まれており、どちらの言葉も同じような意味を持っています。
違いは、「指導」はある目的の達成のために教え導くこと、「教育」は人間を望ましい形にするために意図的・計画的に行われるものであることです。
また、使われる場面も違い、「指導」は学問研究に関して、「教育」は学校について使われることが多くあります。