「促進する」を英語に訳そうとすると、候補として“encourage”や“promote”が出てきます。
ではどちらを使っても良いのかというと、決してそうではありません。
この記事では、“encourage”と“promote”の違いを分かりやすく説明していきます。
「encourage」とは?
“courage”は「勇気」という意味で使われる名詞ですが、これに「en(〜にする)」という接頭辞が付いたものが“encourage”です。
「勇気を与える、励ます」そして「促進する」などの意味になります。
他動詞なので“encourage”の後にすぐ目的語が付きますが、「encourage+人+to ?」の形で「人が?することを励ます」という使い方も多いです。
また、反対語は“discourage”です。
「encourage」の使い方
A. I encouraged her to study hard. (私は彼女に一生懸命勉強するよう励ました) B. His words always encourage everyone. (彼の言葉はいつもみんなを勇気づける) C. The country encourages agriculture. (その国は農業を促進している) 「勇気を与える、励ます」という意味の場合は目的語が人物になりますので、A. B. のような形になります。
C. のように目的語が物である場合は、「促進する」という訳が当てはまる場合が多いです。
ただ、語源は「en+courage」であるため、「背中を押す」といったニュアンスになることを押さえておきましょう。
「promote」とは?
日本語でも「プロモーション」「プロモート」などと使うので、なじみのある単語です。
「昇進させる、進級させる」といった意味の他に「促進する」などの意味がありますし、日本語の「プロモート」に当たるのは「売り込む」という意味合いです。
“pro”という接頭辞は“?を前へ”という意味を持つこと、対義語は“demote”であることも合わせて覚えておいてください。
「promote」の使い方
A. I was promoted to a sectional chief. (私は部長に昇進した)
B. We’ll promote a new program. (私たちは新しい計画を促進するつもりだ)
A. のように「(人が)昇進する」と言いたい場合は受動態になるので気をつけましょう。
B. が「促進する」という意味ですが、接頭辞の通り「前に進める」というニュアンスが含まれています。
「encourage」と「promote」の違い
元々の意味は異なりますが、「促進する」という訳が重なるので紛らわしくなっています。
ですが、それぞれの接頭辞が持つ意味を意識し、「背中を押して進めてあげる」「前にどんどん進めていく」とニュアンスの違いを感じてください。
まとめ
「促進する」という意味を持つ“encourage”“promote”について考察しました。
自信がない、勇気が出ないなど、何かしらの要因で足が出ない人を励まして促進するのが“encourage”、始まっていないものをどんどん前に進めて促進するのが“promote”です。
悩んだら元の意味に返りながら、うまく使い分けていきましょう。