「廃止」と「廃棄」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「廃止」と「廃棄」の違い生活・教育

この記事では、「廃止」「廃棄」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

この2つの言葉は、日常生活を送る上で耳にしたことはあるかと思いますが、いざ明確な違いや、意味などの詳細を説明するとなると中々難しいものです。

「廃止」と「廃棄」の違い

最初に「廃止」「廃棄」の違いについてご説明致します。

「廃止」の場合は、それまで継続して行われていたことを、これ以上行う必要がない、行っても無意味であると判断したときにやめることです。

「廃棄」の方は、対象になる物などが要らなくなってしまったときや、経年劣化で使えないとなったときに、処分することになります。

また、政治面でも国と国の決まり事などを、ないものとするときにも使われることがあります。


「廃止」と「廃棄」の使い方の違い

次に「廃止」「廃棄」の使い方の違いについて取り上げます。

「廃止」を使うとするならば、これまで続いていたことをやめるときに使います。

「廃棄」を使う場合、処分する時期が来たと判断できるものを捨てるときなどに使うのが一般的です。

尚、外交面での条約などを国が意思表示して、効き目をなくすときにも用いられます。

それでは使い方の詳細を見てみましょう。

前者の使い方の詳細
「路線バスが廃止されてから、30年以上は経過している」
「売れない商品の生産を廃止します」
後者の使い方の詳細
「廃棄された車やバイクの中に、まだまだ使えるものがあるのだ」
「無造作に廃棄された冷蔵庫がある」
「条約が書かれた資料が廃棄されたと連絡が入りました」


「廃止」と「廃棄」の英語表記の違い

この項目において、「廃止」「廃棄」の英語表記の違いを説明します。

「廃止」を英語表記にしてみますと、“Abolished”になります。

一方で「廃棄」を英語にすると、“Disposal”です。

例文の方も書いてみます。

前者の例文
“Some investment will be required to revive the abolished production line”(廃止された生産ラインを復活させるには、ある程度の投資が必要になってくる)
“It’s sad that SL is abolished”(SLが廃止されてしまうのは悲しいことだ)
後者の例文
“Converted abandoned vehicle into a kitchen car”(廃棄された車両を改造して、キッチンカーにした)
文法的に、“abandoned”を使用しています。

“Dispose of unusable machines”(使えない機械は廃棄処分する)
こちらも文法的に、“Dispose”を使っております。

「廃止」の意味

ここでは「廃止」(はいし)の意味をご説明致します。

「廃止」とは、かつてから続いてきたことを、ある時期を目途にして、やめること且つ、二度と行うことがなくなることになります。

「廃止」の使い方

改めまして「廃止」の使い方を解説します。

「廃止」を使うときとしては、積み上げてきた歴史に対してピリオドを打つときに使います。

そして、もう行わない可能性が大きいと判断できるときです。

使い方を取り上げてみましょう。

「助成金制度を廃止する代わりに、融資制度の充実化を図ることになった」
「和傘作りが、どんどん廃止されているのは、悲しいことだと思います」

「廃止」を使った例文

続いては「廃止」を使った例文を書いていきます。

・『アナログ放送は廃止されたようだ』
・『生活保護は廃止されても、また困れば相談して、再開することが可能です』
・『ビデオデッキの生産は廃止されており、DVDプライヤーの生産が行われております』
・『ビジネスにおいて廃止されてしまうのは、利益が見込めないときだ』
・『契約を廃止すると連絡しておきました』

「廃止」の類語

この項目においては「廃止」の類語を取り上げていきます。

「廃止」の類語は、「解消」(かいしょう)や「撤廃」(てっぱい)、「断念」(だんねん)などになります。

これらの意味は、続いてきたことを取りやめることや、契約などを取り消すことです。

「廃止」の対義語

それでは「廃止」の対義語を説明します。

「廃止」の対義語としては、「存続」(そんぞく)や「存置」(そんち)です。

これらの意味は、なくなることがなく続いていくさまや、据え置きなどの意味合いがあります。

「廃棄」の意味

ここでは「廃棄」の意味をご説明致します。

「廃棄」の場合は、これまで使われてきたものなどが、寿命や経年劣化、需要がなくなることなどで捨てられることです。

また、国家間の条約のやり取りにおいて、その条約に異を唱える国がある場合は、その国にとっては条約の効き目はなくなることになります。

「廃棄」の使い方

続いて「廃棄」の使い方を取り上げます。

「廃棄」を使うときは、要らなくなったものを捨てるときに使うことが多いのです。

少し特殊な使い方として、国の条約に関連した使い方がありますが、これは納得できない条約に対して、納得でき旨の意思表示して、条約をのまないことを表現しております。

それぞれの使い方を見てみましょう。

「20年使ったコンポを廃棄して、新しいコンポを購入することにしました」
「ロシアが一方的に条約を廃棄してきたようだ」

「廃棄」を使った例文

「廃棄」を使った例文を書きます。

・『旧式のトラックを廃棄して、新しいトラックに総入れ替えすると社長が言っていた』
・『廃棄するにもお金がかかるので、不法投棄が相次ぐのだ』
・『プレゼン資料が溜まってきたので、廃棄するように言われた』
・『愛着のあるものを廃棄するのは、どこか淋しいものがある』
・『アメリカが条約を廃棄するとのことなので、日本もこれに従う方向性を示したようだ』

「廃棄」の類語

「廃棄」の類語を取り上げます。

「廃棄」の類語としては、「放棄」(ほうき)や「捨てる」「見放す」です。

意味は、もう関わりたくない、どうすることもできないと判断できる物や人などに対して、使うことが多い言葉になります。

「廃棄」の対義語

最後に「廃棄」の対義語を解説致します。

「廃棄」の対義語は、「製造」(せいぞう)や「再生」(さいせい)になります。

意味の方は、使えなくなったものから、部品などをかき集めて、また使えるようにすることや、商品を作ることです。

まとめ

まとめとして、「廃止」とは、続いてきたものを、取りやめることです。

そして、再開することがないさまや、再開するにも時間がかかりそうなときに使います。

「廃棄」は、要らないと判断できるものを捨てることです。

尚、条約が納得できない場合に、国の意思で条約を無効とできるときなどに使うものになります。