「当然」と「当たり前」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「当然」と「当たり前」の違い生活・教育

この記事では、「当然」「当たり前」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「当然」と「当たり前」の違い

「当然」「当たり前」は、「そうすることが普通」を意味している同義語です。

しかし、「当然」「当たり前」よりも「かしこまった硬い表現で目上の相手にも使えるところ」に違いがあります。

「当然」「文語(書き言葉)」で使われやすく、「当たり前」「口語(話し言葉)」で使われやすい言葉です。

「当然」「当然~すべき」で、「当たり前」にはない「~しなければならないという義務・勧奨のニュアンス」が強い点も違っています。

また「当たり前」「珍しくもなくありふれているさま」の意味を持っていますが、「当然」はそのニュアンスは弱くなっています。


「当然」と「当たり前」の使い方の違い

「当然」「当たり前」は同義語であるため、基本的には「そうすることが常識である」の意味で同じ使い方ができます。

「当然」には「当然、サービスの代金を支払うべきです」のように「副詞」としての使い方があります。

一方、「当たり前」は、「当たり前、サービスの代金を支払うべきです」のように「副詞」としては使うことができない点が異なっています。

「当然」「そうしなければならないの義務のニュアンス」を強めたい時に使えます。

「当たり前」は、「義務よりもそうすることが常識のニュアンス」が強い違いもあります。

「当然」「目上の人・かしこまった場面」に使えますが、砕けた表現である「当たり前」は使いづらい違いも挙げられます。


「当然」と「当たり前」の英語表記の違い

「当然」を、英語を使って表記すると以下になります。

“of course”……そのようになるのが当然であること。もちろん。

“undoubted”……疑うべきところがないほど当然であるさま。

“natural”……作為的な不自然さがなくて当然・自然であるさま。

“bounden”……そうすることが義務で当然であること。 「当たり前」を、英語を用いて表記すると以下になります。

“naturally”……自然に・当たり前に。そうなることが自然で当たり前であること。

“ordinary”……人並みで普通の。通常で当たり前の。

“usual”“common”……普通の・当たり前の。一般的に普及していてありふれているさま。

「当然」の意味

「当然」は、「そのようにすることが普通である」を意味している名詞・形容詞です。

「当然」には、「そうなることが必然のなりゆきである・その展開が道理である」といった意味もあります。

「当然」の意味として、「当たり前のこととしてそうすべきである」の行為の義務性を示唆するものもあります。

「当然」の使い方

「当然」「当然の結末です」のように、「その結果になることが当たり前」を意味して使われます。

「その選択は当然です」など、「その行為が常識に適っているあるさま」の意味でも使用できます。

さらに、「当然、私は選挙で投票をしました」のように、「副詞」として使うこともあります。

「当然」を使った例文

・『ビジネスで大きな金額を稼いだ時にそれなりの所得税や社会保険を払うのは、当然の義務だと思っています。』

・『あれだけ彼女にひどい仕打ちをしたあの男が、こっぴどく振られたのは当然の結果です。』

・『当然、私が使用した機材・道具のレンタル代については私がその料金を支払わせて頂きます。』

・『横領背任という犯罪を行って同僚のみんなを裏切った彼が、逮捕されて軽蔑されるのは当然です。』

・『会社に比類なき貢献をした彼女が、副社長に昇進したのは至極当然でした。』

「当然」の類語

「当然」の類語には、以下の言葉があります。

・『当たり前(あたりまえ)』……そうすることが普通であるさま。

・『もちろん』……懐疑・議論するまでもなく、明らかで当然であるさま。

・『必然(ひつぜん)』……そうなるのが当たり前・運命であること。

・『元より』……敢えて言うまでもなく決まっているさま。

「当然」の対義語

「当然」の対義語には、以下の言葉があります。

・『意外(いがい)』……常識で想定できることとは違っていること。

「当たり前」の意味

「当たり前」は、「そうなることが常識的に予想されること」を意味しています。

「当たり前」というのは、「そうすることが普通であること」を意味している言葉です。

また「当たり前」の表現には、「変わったところがなくありふれているさま・普通であるさま」の意味も備わっています。

「当たり前」の使い方

「当たり前」「成功するのは当たり前でした」のように、「その状態になることが必然」を意味して使われます。

「当たり前」の表現は「人として当たり前の行動です」など、「そう行動することが常識である」の意味でも使用できます。

さらに「当たり前の成績です」など、「ありふれていて普通であること」を指して使う使い方もあります。

「当たり前」を使った例文

・『かけがえのない人との別れを経験したばかりなので、悲しくて当たり前なのです。』

・『当たり前の礼儀作法も守れない人たちが、この茶道サークルに加入しているのは嘆かわしい限りです。』

・『困っている人がいたら自分にできる範囲で助けてあげようと思うのは、人として当たり前ではないでしょうか。』

・『当たり前とばかり思っていた日々の何気ない彼女との会話が、当たり前ではなかったのだと気づかされました。』

・『日本では清潔で美味しい水が飲めるのは当たり前ですが、海外ではそうではありません。』

「当たり前」の類語

「当たり前」の類語には、以下の言葉があります。

・『当然(とうぜん)』……そうすることが道理であること。そのようになることが必然のなりゆきであるさま。

・『普通(ふつう)』……どこにでもある平均的なもの・状態。特別ではなくてありふれているさま。

・『常識(じょうしき)』……同じ社会に属する人が当たり前に持っていると予測される、社会共通の価値観や意見・知識。

「当たり前」の対義語

「当たり前」の対義語には、以下の言葉があります。

・『特別(とくべつ)』……普通のものと明確に異なっていること。

まとめ

「当然」「当たり前」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「当然」「当たり前」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の解説をチェックしてみてください。