何かに熱心なことに使われる言葉として、「傾注」や「注力」、あるいは「尽力」が挙げられます。
この記事では、「傾注」と「注力」と「尽力」の違いを分かりやすく説明していきます。
「傾注」とは?
「傾注」とは、ある事に対して、全力をそれにだけ向けることを言います。
「傾注」を使った例文をいくつかご紹介します。
『彼は試験に絶対に合格したいので、全精力を傾注しています』、『この一大イベントを成功させるためには、スタッフ全員が一丸となって、全力傾注することが必要です』、『彼女は現在、自然保護活動に傾注しています』「傾注」を使った類語としては、「没頭」、「夢中」、「専念」、「鋭意」、または「熱心」などが挙げられます。
「注力」とは?
「注力」とは、ある特定のことに対してだけ、力を入れることを意味します。
「注力」を用いた例文をいくつか見てみましょう。
『新たな商品開発に注力する』、『この会社は新たな人材育成に注力している』、『彼はこの研究に注力している』「注力」と似たような言葉としては、「努力」、「力を注ぐ」、「奮闘」、「奔走」、あるいは「頑張る」などです。
「尽力」とは?
「尽力」とは、何かのために力を尽くすことで、骨折りとも言います。
「尽力」が使われている例文をいくつか挙げてみます。
『これもひとえに、皆様のご尽力のおかげです』、『災害復興に尽力をつくす』、『この度はご尽力いただき、誠にありがとうございました』「尽力」の類似語としては、「献身」、「貢献」、「奉仕」、「力添え」、他にも「サポート」などがあります。
「傾注」と「注力」と「尽力」の違い
「傾注」とは、全力をあることにだけ向けることを言います。
「注力」は、ある特定のことにだけ、力を入れることです。
「尽力」は、何かのために力を尽くすことを意味します。
「傾注」や「注力」は自分の目的のために、力を注ぐ場合もありますが、「尽力」は、誰かの為なので、その点が違っています。
また、「傾注」はあることに対してですが、「注力」はある特定のことに対してのみなので、その点も異なっています。
まとめ
何かに没頭している時は、他のことが気にならなくなってきます。
これが良い効果を生み出すこともありますが、場合によっては必要なことを聞き逃したり、見逃してしまうこともあります。
熱中できることがあるのは良いことですが、やはりオン、オフの区切りを付け、ずっとそればかりになり過ぎないように気を付けたいものです。
誰かのために尽力することは素晴らしいことです。
しかし、これも自己犠牲が強すぎると、自分のことは後回しになってしまいます。
まずは自分自身を整えることが優先ですし、それが出来ることで、他の人を助けることもできるようになるでしょう。
「傾注」や「注力」、または「尽力」が出来るかどうかは、その状況にもよりますが、やはり本人の意志や性格によるところも大きいようです。
頑張りすぎる人は気持ちだけが先行しすぎてしまい、体が付いていかなくなってしまうことがあります。
体が資本です。
どんな場合でも、何かをやり遂げるためにも、こまめに休息を入れるように心がけたいものです。