「同様」と「類似」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「同様」と「類似」の違い生活・教育

この記事では、「同様」「類似」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「同様」と「類似」の違い

「同様」とは、おなじさまのことです。

「類似」とは、ほとんど同じこと、似ているところが多いことです。

同じという意味を持つ2つの言葉ですが、まったく同じことを意味しているのではありません。

「類似」は似ているところが多いけれど、ぴったり同じではないことです。

たとえば、二卵性双生児は似ているところが多いですが、遺伝子は違い、似ていない部分もあります。

双子であっても、そっくり同じなコピーではないのです。

コピーのように同じではないけれど、似ている部分は多く、このようなことを指していいます。

「同様」の場合は、「類似」よりも同じ部分が多くあります。

まったく同じであることを指したり、まったく同じではないけれど、完全に近い状態で同じであることを意味する言葉です。


「同様」と「類似」の使い方の違い

まったく違うところがない、あるいはまったくといっていいほど違うところがないことについて「同様」を使用します。

違う部分が少ないけれど、完全に同じなのではないことについて「類似」を使用します。


「同様」と「類似」の英語表記の違い

「同様」は英語で“same”“similar”と表現をします。

「類似」は英語で“resemblance”“similarity”と表現をします。

「同様」の意味

「同様」とは、おなじであること、ほとんどおなじであることです。

ある兄弟がいました。

この兄弟は、兄は水泳が苦手で、弟も水泳が苦手です。

兄も弟も水泳が苦手という点では違いがありません。

同じであるということができます。

料理の作り方では、「同様」の言葉が出てくることが少なくありません。

2人分のカルボナーラパスタを作ります。

このカルボナーラパスタは、パスタをゆでた後にソースを絡めるとき、2人分を一緒にソースに絡めるのではなく、1人分ずつ作業を行います。

まず、ボールを2つ用意して、1人分ずつにします。

一方のボールで1人分のパスタにソースを絡め、よく絡まったら皿に盛りつけて、最後にパスタの上に卵黄を乗せます。

これと同じことをもう1人分するとき、パスタにソースを絡めなど、最初から説明をするのではなく、同じ作業をするので「同様に」という言葉で説明されます。

まったく同じ作業をします。

折り紙でも「同様」という言葉が出てくることが多くあります。

折り紙は、左右で同じことを繰り返すことが少なくありません。

そのときに「同様」といいます。

まったく同じことをするからです。

このように、違いがないこと、違いがあってもほとんど気にならないほどの違いであることを意味しています。

「同様」の使い方

違うところがない、違う部分があってもほとんど気にならないほどの違いについて使用をします。

違うとわかるのは、他と比べるからです。

つまり、「同様」を使うときは、複数のものが存在することになります。

折り紙の場合だと、右側で行ったことを左側でも行うとき「同様」といいますが、右があって左もあり、複数のものが存在しています。

もし、右側だけで行い、左側は行わない、または違うことをするのであれば、「同様」とはいいません。

「同様」を使った例文

・『この機会は先ほどのものと同様に簡単に操作できます』
・『同様の操作をしてください』
・『水槽の中は昨日と同様にひっそりしていた』
・『父は優しく、母も動揺に優しかった』

「同様」の類語

「同じ」「同然」「一緒」「等しい」が類語です。

これらは、ほぼ同じ意味を持っています。

「同様」の対義語

「違う」が対義語です。

同じではないことです。

「類似」の意味

「類似」とは、似ている部分が多くあることです。

同じ部分が多いけれど、完全に同じなのではないという意味を持っています。

スーパーに行くと、何種類かの新生姜が売られています。

これらを製造・販売しているメーカーは違います。

しかし、同じメーカーが製造・販売しているのではないのに、新生姜のパッケージが似ているものがあります。

似ている商品が販売されていることを知らない人なら、欲しいと思っていた商品ではなく、似ている商品を間違えて購入してしまう可能性があります。

それくらい同じ部分が多いのです。

このように、まったく同じだと思ってしまうほど似ていることの意味を持つ言葉です。

しかし、同じように見えても、まったく同じなのではありません。

たとえば、新生姜のパッケージの場合だと、文字の大きさが若干違っていたり、中に入っている液の色の濃い・薄いが若干違っていたりします。

ある部分は似ているけれど、ある部分はまったく似ていないという意味なのではなく、全体的に似ていることを指しています。

「類似」の使い方

違いがほとんどないさまについて使用をします。

同じように感じても、完全に同じなのではなく、どこかに違いがあります。

ある商品がヒットすると、それに似せた商品が出てくることがあります。

そして、それらを本来購入したいと思っていた商品と間違えて購入してしまうことがあります。

そのため、もともとヒットしていた商品のメーカーは、似たような商品を買わないように注意喚起をしています。

このときに使われることが多い言葉です。

「類似」を使った例文

・『この絵画はA氏の作品と類似している』
・『類似の事件があとを絶ちません』
・『類似している施設を調査する』
・『類似した設定の映画は複数ある』

「類似」の類語

「共通」「相似」「酷似」「近似」が類語です。

「共通」は、互いに同じ部分があることです。

「相似」には、形や姿など見てわかる部分で同じ部分が多いという意味があります。

「酷似」は、非常によく似ていることです。

「近似」とは、同じではないことがわかるけれど、似ている部分があることです。

「類似」の対義語

「差異」が対義語です。

違いのある部分という意味です。

まとめ

完全に同じことなのか、完全ではないけれど同じに近い状態なのかという点で、意味が異なる2つの言葉です。