この記事では、「熱情」と「情熱」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「熱情」と「情熱」の違い
「熱情」と「情熱」はいずれも「熱く燃え上がるような気持ち・感情」を意味している同義語ですが、「熱情」のほうが「情熱」よりも熟語の前にある漢字の「熱」の意味が強調される違いはあります。
「熱情」は「燃えたぎっている感情の熱量・温度」が、「情熱」よりも大きい(高い)という語感のニュアンスの違いがあるのです。
「熱情」という言葉は「情熱」以上の熱量を前提として、「ギラギラと血が熱く燃えたぎるような気持ちの高ぶり」あるいは「ある課題に対する非常に強烈な熱意」を示している点が異なっています。
「熱情」と「情熱」の使い方の違い
「熱情」と「情熱」の分かりやすい使い方の違いは、一般的な文章(文語)や会話で使う話し言葉(口語)としては、「熱情」よりも「情熱」が多く使われるという違いです。
「熱情」は「情熱」と比べると、口語(話し言葉)でも文語(書き言葉)でも使用頻度が著しく低くなっている違いを挙げることができます。
「熱情」は「情熱」の「倒置法による意味の強調」のニュアンスがあるため、「熱く激しく燃えたぎる気持ちの熱量をさらに強調したい時」に使用されるという用法の違いがあるのです。
「熱情」と「情熱」の英語表記の違い
「熱情」も「情熱」も一般的な英語としては、“passion”で表すことができます。
「熱情」の言葉を、英語を用いて表記すると以下になります。
“fervor”……非常に気持ちの熱量が高まっている状態。
感情が高ぶって熱烈であるさま。
白熱・熱情。
“zeal”……とても熱心に打ち込んでいるさま。
脇目も振らずに熱中していること。
熱情。
「情熱」の言葉を、英語を使って表現すると以下になります。
“passion”……内面で気持ちが熱く燃えているさま。
情熱。
“enthusiasm”……ある物事に対して熱心であること。
情熱的に打ち込んでいるさま。
情熱。
「熱情」の意味
「熱情(ねつじょう)」は、「これ以上ないほどに熱く燃え滾っている内面の感情」を意味しています。
「熱情」という言葉は、「血が沸き立つほどに、気持ちが激しく燃え上がっているさま」や「特定の物事に激しく熱中しているさま」を示しているのです。
「熱情」は「燃え上がる気持ち」という「情熱」と同じ意味を持っている同義語ですが、「熱情」は「情熱」をひっくり返す倒置法の修辞(レトリック)によって、「情熱の持つ気持ちの熱量がより強調されている言葉」になっています。
「熱情」の使い方
「熱情」という言葉は、「激しく燃え上がっている感情・情動」を意味して使われています。
「熱情」の使い方は、「血が燃えたぎるほどに気持ちが非常に熱く燃えているさま」を意味して使うという使い方になります。
また「熱情」は、「気持ちが燃え上がって何かに熱中して取り組むさま」の意味合いでも使用することが可能です。
「熱情」を使った例文
・『テニスに賭けた彼女の熱情は非常に激しいもので、寝食を忘れるような練習に取り組んでいました。』
・『熱情がなければ国家を左右するような外交官としての仕事に取り組むことはまずできません。』
・『私が誰にも負けないと思っている長所は、この会社の食品事業を通して人々を幸せにしたい熱情です。』
・『歴史に名前を残した研究者の多くは、自分の研究テーマにすべてを捧げるほどの熱情を持っていました。』
・『彼女を愛しているこの熱情が冷めることは決してないでしょう。』
「熱情」の類語
「熱情」の類語には、以下の言葉があります。
・『熱烈(ねつれつ)』……感情が非常に高ぶって興奮することで、極端な行動・主張をしたりすること。
・『激情(げきじょう)』……自分でもコントロールできないほどの激しく燃え盛る感情・情熱。
・『熱血(ねっけつ)』……血が沸き立つほどの熱い情熱。自らの職務などに非常に熱心に取り組むさま。
「熱情」の対義語
「熱情」の対義語には、以下の言葉があります。
・『冷淡(れいたん)』……感情が冷め切っていてあっさりとしているさま。
・『無関心(むかんしん)』……物事・対象に対する関心をまるで持っていないこと。
「情熱」の意味
「情熱(じょうねつ)」とは、「何かを成し遂げたいと思う、熱く燃え上がるような気持ち」を意味しています。
「情熱」という言葉は、「ある物事・活動に対して意欲的に燃え立つような思い・感情」といった意味合いを備えています。
「情熱」の使い方
「情熱」という言葉は、「何かに熱心に取り組もうとする燃え上がる気持ち・熱意」を意味して使用することができます。
例えば、「青春の情熱に突き動かされることで、恋愛は素晴らしい体験になるのです」といった文章で使えます。
「情熱」を使った例文
・『彼女は学生時代には情熱的に、デッサンや版画などの芸術活動に取り組んでいました。』
・『年を取ったせいか、社会・世の中を変革したいというような政治の情熱を持つことは難しくなりました。』
・『情熱を完全に失ってしまった時に、人は本当に老人のメンタリティーになってしまうのかもしれません。』
・『教師である彼は、誰よりも情熱を持って一人一人の生徒の学業や生活指導に向き合っていました。』
・『社員が企業理念の情熱を共有していない新興企業は、成長するとしてもその限界が早く訪れます。』
「情熱」の類語
「情熱」の類語には、以下の言葉があります。
・『熱心(ねっしん)』……ある物事・活動に、強い興味を持って打ち込んでいること。
・『熱中(ねっちゅう)』……一つの事柄に深くのめり込んでいるさま。他のことを忘れて熱心に取り組むさま。
・『興奮(こうふん)』……感情的に高ぶっていること。気持ちが高揚してハイテンションになっているさま。
「情熱」の対義語
「情熱」の対義語には、以下の表現があります。
・『冷静(れいせい)』……興奮して高ぶっている状態ではなく、気持ちが落ち着いているさま。感情的な判断に流されない程度に、感情がクールダウンしていること。
まとめ
「熱情」と「情熱」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「熱情」と「情熱」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。