この記事では、「CT」と「レントゲン」と「MRI」の違いを分かりやすく説明していきます。
医療写真についての3語ですが、精度や撮影可能な対象に違いがありますので、この記事を参考にしていただければ幸いです。
「CT」とは?
「CT」とはです。
人体の断面図を見ることによって患者の身体を検査する手法です。
患者が専用のベッドに寝た状態で円形の装置に入って行き、観察したい範囲をX線とよばれる放射線を出す管に一周させ、対向する検出器で読み取り、人体の断面図や立体的な画像を得ることにより、腫瘍や異物を検出し、病状の判断や治療の方針決定の参考にできます。
なお、X線を用いる関係上、基本的には、骨や腫瘍などX線の濃淡が著しく現れる箇所の診察に用います。
内臓や血管の撮影にはバリウムを飲むことや造影剤の投与が必要です。
後述の「レントゲン」写真では「2次元」的な画像しか撮影出来ないのに対し、「CT」では「3次元」的な画像を撮影することにより、精度の高い、細かい診断ができます。
「レントゲン」とは?
「レントゲン」とは、人体の内部写真を撮影することによって患者の身体を検査する手法です。
X線とよばれる放射線を一方向から照射し、人体を通過したエックス線の量の差が陰影となって像を作り、それをフィルムに焼き付ける検査となっており、一般のフィルム写真機と原理が近です。
そのため、得られる画像も「2次元」となり、「3次元」で撮影できる前述の「CT」よりも得られる情報量は少ないのですが、その分、安価かつ簡易に行えるというメリットもあります。
なお、「CT」と同様にX線を用いる関係上、基本的には、骨や腫瘍などX線の濃淡が著しく現れる箇所の診察に用います。
内臓や血管の撮影にはバリウムを飲むことや造影剤の投与が必要です。
「MRI」とは?
「MRI」とは、「CT」よりも詳細に人体の断面図を見ることによって患者の身体を検査する手法です。
「MRI」は、X線ではなく「磁気」を利用して人体の断面図を撮影する仕組みとなっており、患者は専用のベッドで円形磁石の中に入り、その状態で電波を放射すると、人体の水素原子が共鳴し、電波を止めるとその水素原子は微弱な電波を出すため、コイルというアンテナで受信し、コンピュータで解析して画像を生成します。
「MRI」はこうした仕組みにより、骨や腫瘍はもちろん、前述の「CT」や「レントゲン」では撮影が困難だった神経・血管・靭帯・椎間板・半月板などの画像も入手可能です。
しかし、撮影の仕組み上、「磁気」に影響を与える金属や機械類が体内に埋め込まれている場合は検査に支障をきたす場合もあります。
「CT」と「レントゲン」と「MRI」の違い
まず、「MRI」は「磁気」を利用し、骨や腫瘍の他に神経・血管・靭帯・椎間板・半月板などの撮影も可能なのに対し、X線を利用する「CT」と「レントゲン」は骨や腫瘍などが主な撮影対象です。
次に「CT」と「レントゲン」の違いについては、「レントゲン」は「2次元」的な画像のみ撮影可能なのに対し、「CT」は「3次元」的な画像が撮影可能です。
まとめ
「CT」と「レントゲン」と「MRI」についてまとめると以下となります。
・「CT」は「3次元」的な人体の断面図から主に骨や腫瘍などを撮影する診断方法です。
・「レントゲン」は「2次元」的な人体の断面図から主に骨や腫瘍などを撮影する診断方法です。
・「MRI」は「磁気」を利用し、骨や腫瘍の他に神経・血管・靭帯・椎間板・半月板などの撮影も可能な診断方法です。