この記事では、「たらこ」と「明太子」と「辛子明太子」の違いを分かりやすく説明していきます。
「たらこ」とは?
「たらこ」は、スケトウダラの魚卵(卵巣)を塩漬けにした加工食品です。
スケトウダラ(スケソウダラ)はタラ目タラ科の大型魚で、身も食しますが、卵巣が「たらこ」「辛子明太子」に加工できることで珍重されています。
「たらこ」は名前のとおりタラの子で、スケトウダラの卵巣を塩漬けしたものを指します。
食べる時は、切ってそのまま食べたり、焼いておにぎりや茶漬けの具、ほぐしてパスタやサラダの味付けに使ったりと、和洋さまざまな調理が可能です。
生の「たらこ」は赤く、加熱すると淡いピンク色になります。
ビタミンB群・ビタミンEを豊富に含みますが、塩分や痛風のリスクを高めるプリン体を多く含むので、一度にたくさん食べるのは健康のためによくありません。
「明太子」とは?
「明太子」【めんたいこ】は、スケトウダラの卵巣を使った加工食品です。
全国で「明太子」として流通している商品は、スケトウダラの卵巣を唐辛子でピリ辛に味付けした「辛子明太子」であることが多く、省略した「明太子」という呼び方が広く普及しています。
「明太子」の「明太」とは、韓国語でスケトウダラのことです。
「明太子」は「明太」の子、つまり「スケトウラダラの子」という意味を持つことになります。
スケトウダラの卵巣で作る「たらこ」も明太の子になるため、博多など一部の地域では「たらこ」を「明太子」と呼んで「辛子明太子」と区別しています。
「辛子明太子」とは
「辛子明太子」【からしめんたいこ】は、スケトウダラの卵巣を唐辛子などの調味料で加工した食品です。
「辛子明太子」のルーツは朝鮮半島にあります。
韓国ではスケトウダラの卵巣をキムチの味で食べる文化がありました。
これが日本へ伝搬し、日本人の口に合うよう福岡県で開発されたものが「辛子明太子」として製造されるようになりました。
塩漬けしただけの「たらこ」と比べると、色は真っ赤でいかにも辛そうな見た目をしています。
しかし実際にはピリッと辛い程度で、しょっぱさとほど良い辛さがご飯のお供、おにぎりの具、酒の肴などに親しまれています。
「明太子」はマヨネーズやバターなど洋風の味との相性も抜群で、ほぐした「明太子」を調味料として使う「めんたい味」は幅広い世代に人気があります。
「たらこ」と「明太子」と「辛子明太子」の違い
「たらこ」「明太子」「辛子明太子」は、すべてスケトウダラの子(卵巣)の加工食品です。
「たらこ」はスケトウダラの卵巣を塩漬けしたもの、「辛子明太子」は唐辛子で辛めの味に加工したものです。
全国で「明太子」と呼ばれているものの多くは「辛子明太子」です。
「辛子明太子」の産地・福岡県などでは「辛子明太子」と区別するため、唐辛子を使わずに作る「たらこ」は「明太子」と呼んでいます。
「明太」は韓国語でスケトウダラを指しています。
朝鮮半島ではスケトウダラの卵巣がよく食べられており、早くから加工して食す文化が発達していました。
その文化が日本へ伝搬した後、福岡県を中心に加工食品が作られるようになったのです。
まとめ
「たらこ」と「辛子明太子」は作り方や味が異なります。
「明太子」は「辛子明太子」と同じものを指していますが、一部の地域では「たらこ」を「明太子」とも呼んでいます。
少しまぎらわしいですが、それぞれ名前には意味があることを理解しておくと違いが分かりやすいでしょう。