「美しい」と「麗しい」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「美しい」と「麗しい」の違い生活・教育

この記事では、「美しい」「麗しい」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「美しい」と「麗しい」の違い

初めに二つの言葉の意味を確認します。

「美しい(うつくしい)」とは、色や形、音などが感覚的に快く感じられるようすで、人の内面や行動などが感覚的に好ましく理想的であるようすを表します。

かわいいや、愛しいなどの意味合いもあり、小さなもの守ってあげたくなるような気持という意味もあります。

「麗しい(うるわしい)」とは、精神的に寛容で気高く人に深く感動を与えるようすや、心があたたまって美しいようすを表します。

形や色、容姿などにも用いられ、整っていて乱れたところが無いようすに用いられます。

人間関係が良好なようすとしても用いられ、親しいや仲が良い、睦まじいようすという意味があります。


「美しい」と「麗しい」の使い方の違い

「美しい」の使い方は、物体に対しても、精神的なことがらに対しても使われる言葉で、見事な技術で作られたものに対しても使われます。

例えば、職人が造った庭園に対して「美しい」を用いた場合には、美観が優れているという意味と共に、立派であるようすや、見事だという称賛の思いが込められることになります。

家族や小さな子供などに使われた場合には、単に美しいという意味だけでなく、愛しく思うことや、愛しているようすなどの意味合いが含まれます。

きれいさっぱりと道筋がはっきりしていて無駄が無いようすにも使われ、例えば、論理がはっきりとして美しいのような使われ方もあります。

「美しい」は、きれいに比べると、格式が高いイメージがあり、心を打つような感覚的な好ましさについて用いられることが多い言葉となります。

「麗しい」の使い方は、機嫌や顔つきが晴れやかですっきりと明るいようすに対しても使われています。

例えば、ご機嫌麗しいのような使い方があり、美しいようすも含めたすっきりと明るいようすといった意味合いになります。

ご機嫌美しいと表現することはないので注意が必要です。

「麗しい」には、端正で形が整っているという意味があり、正式なものや、本格的なおものといった意味も含まれる言葉です。

「美しい」「麗しい」は、多くの場合で、置き換えて使える言葉ですが、「麗しい」の方がより格式が高いイメージとなり、古くから使われている文語的な表現です。

「美しい」には、心の在り方という意味合いが強く、感覚的な言葉ですが、「麗しい」には、整っていて乱れていないという外見的な要素が強かった言葉という違いがあります。

「麗しい」の内面的な表現に対する使い方は、恐らく比喩的に転じたものと解釈されるのが妥当だと思われます。

「美しい」は、色や形、音、内面、行動に感覚的に快く感じられるようすに使われるのに対し、「麗しい」は、形や色、容姿などの外見的な状態に用いられ、整っていて乱れたところが無いようすに使われるという違いがあります。


「美しい」と「麗しい」の英語表記の違い

「美しい」の英語表記は、“beautiful”“shapely”“sweet”“glamorous”“cool”“lovely”“charming”などが考えられます。

英語では、状況や対象などによって、使い分けが必要な場合があることに注意が必要です。

“beautiful”は、美しい、きれいな、すばらしい、立派な、素敵な、鮮やかなといった意味があります。

“shapely”は、体系やものの形がほっそりとして美しいというときに使われる表現です。

“sweet”は、甘い、香りのよい、調子のよい、気持ちよい、楽しいなどの意味があり、心や声などの形の無いものに対して使われる表現です。

“glamorous”は、魅力に満ちた、魅惑的ななどの意味があり、体系で言えば細くも太くもないが、魅力がある美しさを表現するときに使われます。

“cool”は、涼しい、程よく冷たい、ひんやりする、冷静な、熱の無いなどのいみがありますが、ものごとや人に対しては、素敵、美しいなどの意味合いで使われます。

“lovely”は、美しい、かわいらしい、快い、愛嬌のあるという意味になります。

“charming”は、すてきな、とてもかわいらしい、美しい、魅力的ななどの意味があり、人の内面に対しての美しいといった意味合いで使われます。

「麗しい」の英語表記は、“elegant”“graceful”“heartwarming”、などが考えられます。

「美しい」で紹介した“beautiful”などの英語表現は、翻訳者の感性や状況によって「麗しい」と表現される場合もあることに注意が必要です。

“elegant”は、上品な、優雅な、気品の高い、すっきりしているなどの意味があり、その場の雰囲気や全体の印象、人に対して使われます。

“graceful”は、優美な、優雅な、上品な、率直ななどの意味があり、外観や外見などの視覚的な印象に対して使われます。

“heartwarming”は、心温まる、うれしいなどの意味があり、人間関係についての麗しいに近い意味合いとなります。

「美しい」と「麗しい」を使った例文

・『世界は美しいことで溢れている』
・『スタイルが美しい』
・『美しいデザイン』
・『いつ見ても麗しく、美しい人』
・『本日はご機嫌麗しゅう』
・『いつ見ても麗しく、美しい女性』

「美しい」と「麗しい」の類語

「美しい」の類語には、綺麗があります。

綺麗には「美しい」「麗しい」にあるような意味を持ちますが、より口語的で使いやすい言葉です。

綺麗に掃除したといった使い方があり、他の2語よりも幅広く使える言葉です。

「美しい」の対義語

「美しい」の対義語には、汚い、醜いがあります。

「汚い」は、よごれていて、触れたくない気持ちを起こさせるようすです。

「醜い」は、顔立ちや、姿、形がよくないことや、見ていて不快な感じがすることです。

まとめ

「美しい」「麗しい」の違いについて説明しました。

「美しい」は、色や形、音、内面、行動に感覚的に快く感じられるようすに使われるのに対し、「麗しい」は、形や色、容姿などの外見的な状態に用いられ、整っていて乱れたところが無いようすに主に文語表現として使われるという違いがあります。

「麗しい」は、内面的な要素に使ったとしても、整っていて乱れていない精神や内面として解釈されるので間違いではありません。