この記事では、「有無」と「可否」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「有無」と「可否」の違い
「有無」には、2つの意味があります。
1つめは、あるのか、ないのかです。
もう一つは、承諾するのか、しないのかという意味です。
あるのかないのかというのは、そこに存在している、存在していないという意味になります。
「承諾」とは、相手の意見や希望を受け入れることです。
「可否」にも、2つの意味があります。
1つめは、よいのかそうでないのか、もう一つの意味は、賛成なのかそうでないのかです。
「有無」は、ある・なし、承諾・断りの意味、「可否」は、よい・悪い、賛成・不賛成の意味という点が違います。
「承諾」と「賛成」は意味が似ているように感じるかもしれませんが、承諾は希望などを受け入れること、「賛成」は行動などに同意することで、異なる意味です。
「有無」と「可否」の使い方の違い
ある・なしについてや、承諾するのか・断るのかについは、「有無」を使用します。
「在庫の有無を確認する」のような使い方ができます。
よい・悪いについてや、賛成・不賛成については、「可否」を使用します。
「可否を議論する」のような使い方ができます。
「有無」と「可否」の英語表記の違い
「有無」を一言で表せる英語はありません。
文中では“If~or not”を使用して表現することがあります。
「可否」は英語で、よい・悪いの意味では“right or wrong”と表現をし、賛成・不賛成の意味では“ayes and nays”と表現をします。
「有無」の意味
「有無」には、2つの意味があります。
1つめは、ある、なしです。
「有る」とは、そこに存在していること、持っていること、「無い」とは、そこに存在しないこと、持っていないことです。
もう一つは、承諾するのか、断るのかという意味になります。
「承諾」とは、相手の意見や希望などに耳を傾けて、それを受け入れることです。
「断る」は、相手の申し出に応じないことです。
「有無」の使い方
ある・なしの意味では、あることとないことをセットで考える場合に使用をします。
購入したいものがあって、在庫がどうなっているのか問い合わせをしてみました。
在庫があるのか、在庫がないのか、どちらなのかわからないために問い合わせをしています。
ある可能性も、ない可能性も考えられます。
この場合は、あることと、ないことがセットになっています。
承諾するのか、断るのかの意味で使う場合にも、承諾、断るをセットで考えています。
承諾する可能性も、承諾しない可能性も考えられます。
「有無」を使った例文
・『症状の有無を問わず連絡してください』
・『アレルギー症状の有無を記入する』
・『配偶者の有無は考慮しない』
・『会議室の有無を確認して会場を決める』
「有無」の類語
一言で表せる類語はありません。
強いて言えば、「あることないこと」が類語になります。
「有無」の対義語
対義語はありません。
そもそも、「有る」と「無い」が対義語の関係になっています。
「可否」の意味
「可否」には、2つの意味があります。
1つめは、よいのか、悪いのかという意味です。
「可否」が意味する、よい・悪いとは、そうすること、そうであることについてを指しています。
もう一つは、賛成と不賛成の意味です。
「賛成」には、人の意見や行動などを認めて、それに同意することという意味があります。
「不賛成」は「賛成」に打消しの意味の「不」をつけた言葉で、人の意見や行動などを認めず、それに同意しないことという意味になります。
「可否」の使い方
よい・悪いの意味では、会話よりも文章で使われることが多いです。
会話で使う場合は、公の場で使用されます。
普段親しい人と会話をするときに、よい・悪いの意味で使用されることは少ないです。
賛成・不賛成の意味では、会話でも文章でも使われていますが、会話で使うとやや硬い表現になります。
改まった場所で使われることが多いです。
「大会開催の可否」のような使われ方をし、この場合は大会の開催を受け入れるのか、受け入れないのかという意味になります。
「可否」を使った例文
・『この機能の可否を利用検討者に問う』
・『発行の可否を決める』
・『対応の可否を問い合わせる』
・『希少な植物の遺産登録の可否が審査される』
「可否」の類語
よい・悪いの意味では「善悪」が類語になります。
「善悪」には、よいことと悪いことという意味があります。
賛成・不賛成の意味では、ピッタリな類語はありませんが、「採否」がそれに近い類語になります。
「可否」の対義語
対義語はありません。
「可」と「否」は反対の意味になります。
まとめ
「有る」と「無い」は反対の関係、「可」と「否」も反対の関係で、「有無」と「可否」は似ているような言葉ですが、それぞれが持つ意味は違います。