入学式や卒業式といった式典でよく耳にする「祝辞」と「式辞」と「告辞」は何が違うのか。
この記事では、「祝辞」と「式辞」と「告辞」の違いを分かりやすく説明していきます。
「祝辞」とは?
「祝辞」は、「しゅくじ」と読み、祝いの言葉を意味するものです。
お祝いの言葉を述べたい人が、お祝いの場で述べるものが「祝辞」となります。
ただし、その中でも、入学式や卒業式といった式典では、「祝辞」を述べる人は決められており、その場合、主に来賓の方にお願いすることになります。
この場合の来賓とは、市長やPTA会長、同窓会会長などです。
「祝辞」の例文
・『PTA会長の父が卒業式の際、祝辞を読むことになり朝から緊張しています』
・『入園式で祝辞を読むことになり、その内容を書くことに苦労しています』
「式辞」とは?
「式辞」は、「しきじ」と読み、式場で述べる挨拶の言葉を意味するものです。
お祝いの言葉も含まれますが、「式辞」の場合、意味は挨拶です。
そのため、会場に来ていただいた方々に挨拶を述べるということとなり、「式辞」は、学校の代表者、つまり、校長先生といった方が述べる言葉となります。
「式辞」の例文
・『式辞を述べている校長先生が涙ぐんでいることがわかり、私も涙を抑えることができませんでした』
・『校長になり、今回、初めて入学式で式辞を述べることになりました』
「告辞」とは?
「告辞」は、「こくじ」と読み、あらたまって告げ知らせる言葉を意味するものです。
あらたまってお祝いの言葉を告げる立場ということで、その場の管理者が行うものとなります。
学校などの式典の場合、管理者は、その学校などを管轄する教育委員会といったものとなります。
「告辞」の例文
・『もともと決まっていた担当者が風邪をひいてしまい、ピンチヒッターとして告辞を述べるため教育委員会代表として母校に行ってきました』
・『教育委員会の立場として母校に告辞を述べに行ったら、懐かしい先生方に会うことができました』
「祝辞」と「式辞」と「告辞」の違い
主に来賓者が述べるお祝いの言葉が「祝辞」で、この場合、一般的には市長やPTA会長などとなります。
「式辞」は式場で述べる挨拶の言葉を指すため、その場所の代表者が述べるものとなります。
学校の式典で言えば校長先生です。
「告辞」はあらたまって告げ知らせる言葉を指し、その場所を管理する管理者が行います。
学校といった教育機関の場合、教育委員会がその立場となります。
これら3つの言葉の内容はお祝いの言葉です。
そのうえで、それぞれの立場によって、その内容は変わってきます。
校長先生の場合は、来賓者への挨拶などが加えられ、「祝辞」の場合は、実際に自分の子供を見送るような心温まる内容が多くなります。
まとめ
同じお祝いの言葉を意味する3つの言葉ですが、それぞれ、立場が異なる人が述べる言葉となります。
そのため、述べる立場の人によって内容が多少異なるものの、基本的には、すべて、お祝いの気持ちを込めた言葉となります。