この記事では、「改良」と「改善」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「改良」と「改善」の違い
「改良」と「改善」の違いには、具体的なものに対することか、漠然とした抽象的なことに対することかとなります。
「改良」の場合、具体的なものをより良くする意味があり、今よりも優れたものにするといった意味を持ちます。
一方、「改善」の場合、漠然としたものをより良くする意味があり、特に悪かった点を修正するといった場合に用いられます。
対象が広く、抽象的な点が「改善」の特徴です。
「改良」と「改善」の使い方の違い
「改良」と「改善」の使い方の違いとしては、「改良」の場合、具体的な目的が必要となります。
一方、「改善」には、具体的な目的などは不要です。
例えば、「太ってきたので体型を改善したい。
そのために日常生活や食生活を改良することにした」と同じ文章内でも「改良」と「改善」を用いることがあります。
この文章において、「体型を改善したい」とは、痩せたいという抽象的名目的となります。
その一方、「日常生活や食生活を改良する」とは、具体的に日常生活や食生活の見直しを行うといった行動となります。
このように、「改良」と「改善」には、具体的か抽象的かによって使い方が異なります。
「改良」と「改善」の英語表記の違い
「改良」の英語表記は、amelioration; betterment; refinement; improvementです。
「改良する」は、improve 《land》、improve on something、reform 《a method》、make something better。
「改良種」は、an improved breed。
「改良品」は、an improved product. となります。
「改善」の英語表記は、amelioration; betterment; minor improvement; MI; improvement; change for the betterです。
「改善する」は、improve、make something better、betterとなります。
「改良」の意味
「改良」とは、具体的なものをより良くする、今より優れた状態にするといった意味となります。
また、「改良」は使うことができる対象が限られてきます。
「改良」の使い方
「改良」の場合、製品の改良や機能の改良、改良したバージョンなど具体的なものを示した使い方となります。
ただし、「改良」は、あくまでも、機能や操作面、機械的なものに対し用いることができる表現で、態度の改良や待遇の改良などといった使い方はできません。
「改良」の使い方としては、使える対象が限られている点に注意が必要となります。
「改良」を使った例文
・『花の品種改良を行った結果、今までにない色の花を咲かせることができた。』
・『成績アップのために全面的に勉強方法の改良を行う。』
・『改良された新型車の発表が楽しみです。』
・『不具合を改良したバージョン公開を期待する。』
・『髪形を改良するといい気分転換になります。』
「改良」の類語
「改良」の類語としては、アドバンス、開展、進展、進み、発展、進歩、発達、前進、上達、改善、向上などがあります。
先立つ状態よりも優れていることを指す「改良」の類語には、進歩、進境、上達、改善、向上などがあります。
「改良」の対義語
「改良」の対義語は、物事を改めて、かえって悪くすることといった意味を持つ、「改悪」となります。
「改善」の意味
「改善」とは、抽象的なものをより良くする、悪かったと思うような点を直すといった意味となります。
具体的にどうなるのか、把握することが難しい、などといった時に使用する言葉となります。
「改善」の使い方
「改善」の場合、抽象的なものをより良くする際に使用する言葉となります。
主に目的に対して使う言葉となり、待遇の改善、態度の改善など抽象的なものを対象とした使い方となります。
「改善」を使った例文
・『あなたの態度が改善されない限り、私はあなたを許すことはできません。』
・『会社に対し待遇の改善を求めることにした。』
・『様々な病気が心配なので、生活改善を心がけることにした。』
・『業務改善に向け、具体的な方法を示す必要がある。』
・『職場の改善は働く者にとって重要なポイントです。』
「改善」の類語
より良いものにする意味となる「改善」の類語としては、練り上げ、ブラッシュアップ、向上、品質向上、品質改善、健全化、改革。
以前よりも良くなることを意味する「改善」の類語としては、好転、向上、進歩などがあります。
「改善」の対義語
「改善」の対義語は、物事を改めて、かえって悪くすることといった意味を持つ、「改悪」となります。
「改良」においても、「改善」においても、対義語は同じ「改悪」です。
そのほかの「改善」の対義語としては、「悪化」や「退化」、「退歩」なども考えられます。
まとめ
以上が、「改良」と「改善」の違いです。
使い分けに迷った際は、具体的なものに対することか、漠然とした抽象的なことに対することかに注意し、使い分ける必要があります。