この記事では、「感慨深い」と「考え深い」の違いを分かりやすく説明していきます。
「感慨深い」と「考え深い」の違い
「感慨深い」と「考え深い」の違いについて紹介します。
「感慨深い」と「考え深い」の使い方の違い
「感慨深い」は「心にしみじみと感じられる様子」に使われます。
あるものごとを見て、後からゆっくりと感動することを表します。
「考え深い」は「ものごとに対してしっかりと思いを巡らす様子」に使われます。
あるものごとについて、あれこれとよく考えることを表します。
「感慨深い」と「考え深い」の英語表記の違い
「感慨深い」の英語表現は以下の2つです。
1つ目は「impress」で、「印象深い」という意味です。
“It was so impressive scene.”
(非常に感慨深い光景だった)
2つ目は「moving」で「心を動かす」と言うニュアンスです。
“It moves me to see you again.”
(あなたと会えて感慨深い)
「考え深い」の英語表現は以下の2つです。
1つ目は「thoughtful」で、「十分考える」というニュアンスです。
“We should be thoughtful before we do it.”
(私達は行動する前に考え深くなるべきだ)
2つ目は“prudent”で、「思慮深い」というやや硬いニュアンスです。
“He is a prudent gentlemen.”
(彼は考え深い紳士だ)
「感慨深い」の意味
「感慨深い」は「かんがいぶかい」と読みます。
意味は「しみじみと心に感じるものが強いこと」です。
あるものごとに感動して、それが後まで続き、じわじわと心にしみてくる様子を言います。
「感慨」とは「ある思いが心の奥までしみわたること」という意味で、「深い」が付くことで度合いが強くなります。
「感動する」との違いは、「一つことに心が動く」のではなく、「あれこれと色々考えが巡り、心の底にしみる」というニュアンスが強い点です。
「感慨深い」の使い方
「感慨深い」は「心に深くしみわたる気持ち」という意味で使われます。
基本的に、色々なことがあったけれども、結局は心に深くしみわたる良い思いに対して使われます。
その時には嫌な思いをしたり、災難であったけれども、後になって色々考えた時に決して悪いことばかりではなかった時の表現です。
「感慨深い」を使った例文
・『娘が明日嫁ぐとあり、非常に感慨深い夜を過ごしている』
・『昔住んでいた村が沈んでいるダムを訪ねて非常に感慨深かった』
・『学生時代の写真が出て来て感慨深かった』
・『この音楽を聴くと若い頃を思い出して感慨深くなる』
・『とても感慨深い映画だった』
「感慨深い」の類語
「しんみり」
「心に深く感じる様子」という意味です。
「感無量(かんむりょう)」
「感慨無量」を略した言葉で「しみじみと思う気持ちが計り知れないこと」という意味です。
「感慨深い」の対義語
「無感動(むかんどう)」
「何に対しても心が動かないこと」という意味です。
「考え深い」の意味
「考え深い」は「かんがえぶかい」と読みます。
意味は「ものごとに対してしっかりと思いを巡らすこと」です。
うわべだけで判断せずに、ものごとの奥にある部分までしっかりと考えることを言います。
そのものごとに心を打たれたり、しみじみと感じ入るという意味ではありません。
「感慨深い」と混同されるのは、読み方が似ているからですが、意味は全く違うのです。
「考え深い」の使い方
「考え深い」は、「ものごとの奥までしっかりと思い巡らすこと」という意味で使われます。
形容詞として使われたり、副詞として「考え深く」と使われたりします。
主に人の性質を表す言葉で、一時的なものではなく、常にその傾向がある人を表します。
自分に対して使うのではなく、他の人から見てその人の言動に対して使われることが多くなります。
「考え深い」は就職活動などで「優柔不断」のポジティブ表現として使われます。
「考え深い」を使った例文
・『彼は考え深い表情で説明を聞いていた』
・『彼女は考え深いタイプだから、色々と準備しているだろう』
・『考え深い先輩のお蔭で早まった行動を取らずに済んだ』
・『いつも考え深い筈の彼がどうしてこんなことをしたのだろう』
・『考え深いのはいいが、行動が遅いとチャンスを逃してしまうよ』
「考え深い」の類語
「思慮深い(しりょぶかい)」
「しっかりと考えたり、気遣いすること」という意味です。
「慎重(しんちょう)」
「注意深く、軽々しい行動を取らないこと」という意味です。
「考え深い」の対義語
「浅はか(あさはか)」
「思慮が足りない様子」という意味です。
まとめ
今回は「感慨深い」と「考え深い」について紹介しました。
「感慨深い」は「心にしみじみと感じられる様子」、「考え深い」は「しっかりと思いを巡らす様子」と覚えておきましょう。