「転売」と「物販」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「転売」と「物販」の違い生活・教育

この記事では、「転売」「物販」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「転売」と「物販」の違い

「転売」とは、品物を買って、他の人に売り渡すことです。

この言葉には、元の商品の値段や販売価格など、安く買って高く売ることや高く買って安く売ることといった利益のある無しが条件に無いことに注意が必要です。

「物販」とは、物品販売を省略したもので、形ある商品や製品を販売することです。

この言葉には、何らかの物質的に形ある商品や製品を売ることが全て含まれることになります。

「転売」は買ってきた品物を他の人に売り渡すことを指すのに対し、「物販」は形ある品物を販売することという違いがあります。


「転売」と「物販」の使い方の違い

「転売」の使われ方として近年のような悪いイメージがついた理由は、数が限られた商品を自分で使うつもりがなく購入し、数倍の値段で転売することを積極的にしている人が増えたことがあげられます。

この人達を指して「転売ヤー」と呼ぶことが多くなり、この行為そのものが転売のイメージに付加されたことが原因です。

この場合の「転売」は、インターネットを通じて個人が気軽に商品を販売できるようになったということがあり、本来その商品を必要としている人たちに行き渡らずに数倍の値段で販売されていることが問題点として挙げられます。

当然、商品を必要としている人にとっては、適正な価格で商品を手に入れられず、メーカー側も商品から得られたはずの利益を他の人が奪っていることになるため、消費者とメーカーが双方共に損してしまうことになります。

「物販」の使われ方としてイメージしやすいのは、インターネットを通じて個人が製作したものを個人的に販売する形態や個人が仕入れた商品をインターネットで販売する形態、アイドルやスポーツ観戦などの会場限定販売する形態などがあげられます。

いずれも、何らかの物理的な品物を販売しているので「物販」と呼べます。

「物販」「転売」と結びついている理由は、2つ目の個人が仕入れた商品をインターネットで販売する形態の場合に、商品を仕入れて物品を販売することが転売と同じだと言われることです。

このような販売形態がある背景としては、個人的に一つの商品を購入するよりも、大量に購入した方が一つ当たりの商品の購入価格が安く済むことがあり、それを別の人たちに売ることでその差額分の利益を上げるといったことがあります。

大量購入に対してメーカーが商品を安く販売する理由は、販売個数がそのまま確定した多額の利益になること、別々の人に売るよりも早く利益を得られることなどがあります。

商品を大量購入した側には、商品が全て売れないかもしれないといったリスクがあるため、その分が一つ当たりの商品の値段に反映されているといった見方もできます。

この場合には、メーカー側、物販側、消費者側すべてに利益が生まれる可能性があります。

「物販」「転売」と結びついている理由はもう一つあり、会場限定販売の商品を大量に購入して、インターネットを通じて高く売りつける「転売」の方式があります。

この場合には、現地に行けないファンが商品を得たいという欲求があり、転売が成立するわけです。

販売価格は、ファン同士が良心的に取引しいて然程高くない場合もありますが、大きな利益を得るために販売価格よりも高くなっている場合もあります。

会場限定販売の「物販」「転売」が横行することで、物販に転売のイメージが更に付加されてしまうといったことも起こっています。

「転売」は、転売ヤーが原因で悪いイメージをもって使われるのに対し、「物販」は、その販売形態が転売に似ていることや物販の転売がイメージされて使われるという違いがあります。


「転売」と「物販」の英語表記の違い

「転売」の英語表記には、“resale”があります。

“resale”は、繰り返すや再といった意味の“re”と、販売や売却などの意味を持つ“sale”が合わさって出来た言葉で、転売という意味になります。

「物販」の英語表記には、“product sales”“goods sales”があります。

“product sales”は、生産物、生産品、成果、結果、帰結などの意味を持つ“product”と、“sale”を合わせて、物品販売や物販といった意味になります。

“goods sales”は、商品、物品、品物、財、所有物などの意味を持つ“goods”“sale”を合わせて、物品販売や物販といった意味になります。

“product sales”“goods sales”の違いは、“product sales”の方がより細かく細分化された特定の商品といったイメージで、“goods sales”は、生活用品のような広いカテゴリーのものに対して使われます。

「転売」と「物販」を使った例文

・『ゲーム機を原価で買って数倍の値段で転売したので大分儲けました』
・『転売ヤーの存在は、全く良いことがありません』
・『転売目的での複数購入は、ご遠慮下さい』
・『物販は個人で気軽に行えますが、当然所得税がかかります』
・『会場限定物販情報を予め告知します』
・『大量に物販を購入すると、転売ヤーと間違えられます』

「転売」と「物販」の関連語

関連語には、「せどり」があります。

「せどり」とは、業者と業者の間に立って商品をとりつぎして、手数料を取ることです。

一般的には、どこかで仕入れた商品を第三者に販売して利ざやを稼ぐことを含みます。

後者は、物販の形態の一部に含まれることや、状況によっては転売の一部に含まれるため、混同されることがあります。

前者は、流通業者などが含まれますが、現在のインターネット社会で個人と販売者が直接結びつきやすくなっているため、誤解も生まれやすくなっています。

「転売」の対義語

対義語には、「買戻し」があります。

「買戻し」は、売った商品をまた後で買いなおすことです。

主に、不動産や信用取引、先物取引などで使われます。

この場合には、株式の「転売」に対応して使われることになります。

まとめ

「転売」「物販」について説明しました。

「転売」は買ってきた品物を他の人に売り渡すことを指すのに対し、「物販」は形ある品物を販売することという違いがあります。

「転売」は、転売ヤーが原因で悪いイメージを伴って使われるのに対し、「物販」は、その販売形態が転売に似ていることや物販の転売がイメージされて使われるという違いがあります。

世間的に持たれるイメージは、「転売」「物販」の一部のイメージのみがピックアップされて使われていることに注意する必要があります。