この記事では、「凄まじい」と「物凄い」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「凄まじい」と「物凄い」の違い
「凄まじい」には3つの意味があります。
1つめは、物事の度合いが並大抵ではないことです。
2つめは、ワクワクする気持ちや心が引かれる気持ちが弱くなることです。
3つめは、荒れ果ててさみしい様子です。
「物凄い」にも3つの意味があります。
1つめは、非常に恐ろしい、非常に気持ちが悪いです。
2つめは、物事の度合いが並大抵ではないことです。
3つめは、なんとなく恐ろしいです。
どちらの言葉にも、程度がはなはだしいという意味を持つ漢字である「凄」が使用されています。
並大抵ではないという意味を持つ言葉です。
この点は同じです。
「凄まじい面白さ」「物凄い面白い」といった、同じような使い方ができます。
しかし、どちらの言葉も複数の意味を持っており、並大抵ではないという意味以外の点に違いがあります。
「凄まじい」と「物凄い」の使い方の違い
物事の度合いがはなはだしいという意味で、どちらの言葉も使用することができます。
たとえば、怒った顔がはなはだしく恐ろしいさまを「凄まじい形相」「物凄い形相」のように表すことができます。
「凄まじい」には他にも、つまらない、荒れ果てているという意味があり、これらの意味でも使用されます。
「物凄い」にも他の意味があり、非常に恐ろしい、何となく恐ろしいという意味でも使用されます。
「凄まじい」と「物凄い」の英語表記の違い
「凄まじい」は英語で、恐ろしいという意味では“terrible”や“dreadful”と表現をし、程度が普通ではない意味では“tremendous”と表現をします。
「物凄い」は英語で、恐ろしいという意味では“frightful”と表現をし、程度が普通ではない意味では“terrible”や“tremendous”と表現をします。
「凄まじい」の意味
「凄まじい」には3つの意味があります。
1つめは、物事の程度が並大抵ではないことです。
日本には夏から秋にかけて台風がやってきます。
台風の大きさはいろいろで、被害をほとんど出さない程度のものもあれば、屋根が吹き飛ばされる、停電になる、土砂崩れが起こるなど、程度がはなはだしいものもあります。
台風でいうと、「凄まじい」は大きな被害を出すようなものを指しています。
台風の場合は強さですが、勢いの程度も意味しています。
政治家がよくないとされる行為をすると、世間からは批判の声が多く聞かれるようになります。
1人や2人程度ではありません。
何人と数えられるほどではない、非常に多くの人数です。
この人たちの批判の勢いのことも、この言葉で表すことができます。
2つめの意味は、満ち足りていた気持ちが弱くなることです。
友達数人でゲームセンターに遊びに行ったとします。
クレーンゲーム、音楽ゲーム、体感ゲームなどで、ワイワイと遊んでいました。
そんなとき、友達の一人が「いろいろ遊んでお金を使って、もったいないことしたね」などいったら、楽しい気分が薄れてしまうことでしょう。
このさまを「凄まじい」は意味しています。
3つめの意味は、荒れ果ててさみしい感じがすることです。
どこを見ても生物がおらず、植物もなく、地面が干からびて割れているような土地は、さみしい感じがします。
この感じるものを意味しています。
「凄まじい」の使い方
複数の意味がありますが、1つめの意味で使われることが多いです。
程度が普通よりも大きく、恐ろしいこと、あきれること、激しいことなどに使用します。
「凄まじい」を使った例文
・『凄まじい展開を見せた』
・『凄まじい勢いで食べている』
・『人気ぶりが凄まじい』
・『凄まじい努力を重ねてきたに違いない』
「凄まじい」の類語
「物凄い」「べらぼう」「むちゃくちゃ」が類語です。
「凄まじい」の対義語
「並大抵」が対義語です。
「物凄い」の意味
「物凄い」には3つの意味があります。
1つめは、普通ではないほどに気味が悪い、言葉にいえないほど恐ろしいです。
断崖絶壁のわきにある道を通るときのことで考えてみます。
すぐ横はそびえ立つ崖になっており、反対側は一歩踏み間違えば底に落ちてしまうような状態です。
このような道を通るとき、非常に恐ろしく感じることでしょう。
落ちたら死ぬという恐怖が常につきまといます。
このくらいの恐ろしさのことを「物凄い」は意味しています。
2つめは、普通よりも程度をはるかに超えていることです。
この程度は、具体的数字では表すことができません。
基準がないのです。
また、ある人はそれほどでもないと考えていることを、別の人は「物凄い」と考えていることもあります。
ゲームやアニメのイベント会場には、大勢の人がやってきます。
会場は人でぎゅうぎゅうで身動きを容易にはできない状態です。
こういった状態は、世間一般では人出が「物凄い」といいます。
おいしさを表すときに、この言葉が使われることがあります。
たとえば、スーパーで売っているチョコレートと、高級チョコレートショップで売られているものを比べると、後者の方がはるかにおいしいことでしょう。
その程度を表しています。
3つめは、はっきりとした理由はないけれど恐ろしい、はっきりとした理由はないけれど寂しいです。
「物凄い」の使い方
複数の意味がありますが、1つめの意味や2つめの意味で使われることが多いです。
普通よりもおいしい、普通よりも人の数が多い、普通よりも動きが素早いなど、さまざまな事柄に使用できます。
日常的に頻繁に使用されている言葉です。
「物凄い」を使った例文
・『会場は物凄い雰囲気に包まれていた』
・『物凄い値段のトロ』
・『物凄いことをやってくれそうだ』
・『物凄いものを見てしまった』
「物凄い」の類語
「凄まじい」「べらぼう」「むちゃくちゃ」が類語です。
「物凄い」の対義語
「並大抵」が対義語です。
まとめ
どちらの言葉も複数の意味を持っていますが、程度についての意味が同じです。
この意味では同じように使うことができます。
この意味以外の部分は共通しているところはなく、それらの意味では置き換えて使用することはできません。