「しなんのわざ」という言葉があります。
漢字で書く時、「至難の技」だったのか「至難の業」なのか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。
その違いについて紹介します。
至難の技とは?
至難の技という言葉は、日本語として正しくありません。
至難の業(しなんのわざ)という言葉を至難の技と覚えている人が多いのです。
なぜ、このような間違いが起こるのかというと、「業」という漢字は「ごう」や「ぎょう」と読むことが一般的だからです。
「わざ」と読むことはあまり多くはありませんが、手業(てわざ)のように使われることもあります。
「業」を「わざ」と読むのはあまり一般的ではないので、「しなんのわざ」と聞いて「業」という漢字をすぐに思い出せないこともあるでしょう。
それに対して「技」は、「わざ」と読むのが一般的です。
「技」には、物事を行うための手段や方法、技術といった意味があります。
また、柔道や相撲などで相手を負かすために行う動作のことを言う場合もあります。
背負い投げや大内刈り、巴投げなどは柔道の技の一つです。
技を磨くといった使い方もします。
そのため「わざ」というと「技」の漢字を書いてしまう人が多いのでしょう。
至難の業とは?
至難の業とは、実現するのが極めて困難なことをいいます。
至難の業の「至難」には、この上なく難しいという意味があります。
「業」は、行為とかおこないといった意味を持つ言葉です。
至難の業は、ある事柄について実現させようという強い気持ちがある場合に使用することが多いです。
頑張ったら実現できそうという状況ではなく、頑張っても実現する可能性は低い時に使用します。
ビジネスシーンでも使えますし、日常会話などで使われることもあります。
ただし、堅苦しい印象のある言葉なので、親しい人とくだけた会話をする場合にはあまり使わないでしょう。
至難の業の使い方
・色々な問題が多発している中で、今回のプロジェクトを成功させるのは至難の技だ。
・うちのチームは決して弱いわけではないけれど、強豪チームがひしめくトーナメントで優勝を手にするのは至難の技といってもいいだろう。
・明日発売される限定10個のレアアイテムを購入するのは至難の業だが、何としても手に入れたい。
・この複雑なメカニズムを全て正確に理解するのは至難の業だ。
・何年もトップの地位を守り続けるのは至難の業だけれど、彼女はそれを見事にやってのけた。
至難の技と至難の業の違い
至難の技は、至難の業の間違った使い方です。
そのため「しなんのわざ」を漢字で書く時には、「至難の業」と書く必要があります。
「至難の技」と書いてしまうと間違いになってしまいます。
「業」は「ぎょう」とか「ごう」と読むことが多いので、「わざ」というと「技」という漢字を思い浮かべることが多いです。
そのため間違いやすいといえます。
まとめ
至難の技は日本語として間違っており、正しいのは至難の業です。
「しなんのわざ」と書く場合には「至難の業」を使うようにしましょう。