この記事では、「止める」と「辞める」の違いを分かりやすく説明していきます。
どちらも同じように「やめる」と読めますが、違う意味で使い分けられています。
言葉の違いを理解すれば、正しく使うことができます。
「止める」とは?
「止める」は「とめる」「やめる」と読み、それぞれ意味を持っています。
「とめる」とは、それまで動いていたものを動かないようにしたり、ずっと続いてきたことを中断させることを指します。
「やめる」と読むときは、今まで続けていたことを行わなくなったことを意味します。
それまでしていたことを完結させないまま中止したり、予定や計画をあきらめたときに、「止める」が使われるのです。
一般的に使う「やめる」は、ほぼ「止める」が当てはまると考えて良いでしょう。
また注意を一点にとどめるときにも、「止める」を使用しますが、このときの読み方は「とめる」になります。
「辞める」とは?
職や任務から去るときに、「辞める」と表現します。
つまり働く現場から退いたり、辞退するときには「辞める」が使われることになります。
「辞める」の意味は、職業に関するこの一点だけになるのが特徴です。
似た意味の言葉には「罷める」があります。
こちらも「辞める」と同じように、職場や地位から離れるときに使われますが、作業を中止するときにも使われるので、使い分けが必要です。
「止める」と「辞める」の違い
「止める」と「辞める」は、意味の違いで完全に使い分けることができます。
動きをやめさせたり、連続していた物事を中断させるときは「止める」を使います。
それに対して、「辞める」が使われるのは、官職や地位などを退くときだけです。
以上のように、「やめる」を使う場面はたくさんありますが、その中でも職業や役職から引退するときは「辞める」に限定されると考えれば覚えやすいです。
ただし職業についても、職を辞すのではなく、「競技をやめる」のように「終わりにする」という意味で使うときは、漢字を当てはめるなら「止める」になります。
常用漢字表にはない読みかたなので注意が必要ですが、一般的にはひらがなで表記されます。
つまり一般的な使われかたでは「止める」、職や地位から退くときには「辞める」と覚えれば、使い分けしやすいでしょう。
「止める」の例文
・『卒業旅行を計画していたけど、予定が合わないから止めることになった』
・『ラジオから流れてくる音楽に、ふと耳を止めた』
「辞める」の例文
・『彼は長年勤めてきた教師の職を今春で辞めるそうだ』
・『思い切って会社を辞めて、しばらく旅に出ようと思う』
まとめ
「止める」と「辞める」の使い分けは、「辞める」に注目すると簡単に理解できます。
職業や官職から退くときに使われるのが「辞める」です。
それに対して、「止める」は幅広い意味で使われています。
物や事の動きをやめさせることや、継続していた物事を中止させるときに「止める」が使われます。
また、関心を向けて留意するときも「止める」が使われます。
以上のように、動作や行動をやめるときは「止める」、職業や地位から引退するときには「辞める」と覚えれば、正しく使い分けができます。