テレビのショッピング番組を見ていると、こんな売り文句が聞こえてきます、「累計3000人のユーザーに愛されています」というものです。
これは、おそらくある時点でのこの商品を購入した人の数を足したものということなのでしょう。
では、なぜ「総計」とか「合計」と言わないのでしょうか。
その裏にはこの3つの言葉の違いにあるのです。
この記事では、「総数」と「累計」と「合計」の違いを分かりやすく説明していきます。
「総数」とは?
「総計」とは、英語で「grand total」というように、一般的には「合計」をすべて足したもののことを言います。
これは、「総」という漢字には「ひっくるめる」とか「すべて」という意味があるため、「総計」が「すべてひっくるめた合計」ということを示すことから来ています。
例えば、表計算などでは、SUMをSUMしたものが「総計」という扱いになります。
「累計」とは?
「累計」とは、一般的な意味としては、「ある時点で、それまでの全てを足した数」となります。
例えば、「累計販売数」というときには、その時点で、その商品が今までに売れた数を全て足した数字が「累計」となります。
これは「累」という漢字に「かさねる」という意味があるからで、それまでの数字を「重ねてゆく」というニュアンスが含まれています。
英語では「cumulative」が近いでしょう。
「合計」とは?
「合計」とは、「数字を足したもの」という意味で使われ、通常は単体の数字をある期間や個数足したものになります。
英語では「total」と呼ばれ、略して「計」と記述される場合もあります。
「総数」と「累計」と「合計」の違い
「総数」と「累計」と「合計」の違いを、分かりやすく解説します。
これらの言葉は、すべて何かを足したものという意味ですが、それぞれ微妙にニュアンスや使用されるシチュエーションが違います。
ここでは、わかりやすい例として、あるコンビニでおにぎりが売れた数を見るとしましょう。
ある年の1月1日に50個売れ、1月2日には30個、と売れて、それらを足して行くと1月中に200個売れました。
さらに6月10日時点では2000個、その年の12月31日までに全部で5000個が売れました。
このとき、一般的には1月の「合計」が200個、年間の売り上げ「総数」が5000個となり、6月10日時点で「累計」2000個ということができます。
単純にいうと、単体の数をある程度足したのが「合計」、「合計」をすべて足したのが「総計」、ある時点でのすべての数を足したのが「累計」ということになります。
まとめ
この記事では、「総数」と「累計」と「合計」の違いを説明してきました。
これに「小計」まで加えると、何かを足したもののことを示すのにこれだけたくさんの言い方があるということになります。
意味が同じではない以上、それは、それぞれのシチュエーションで違った言い方が必要だからと言えます。
つまり、日本語にはニュアンスの違いを言葉の違いで表現する文化があるとも言えます。
そう言った点では、欧米の言葉にはアジアの言葉に比べるとバリエーションが少なく、その分表情や言い方で区別しているところもあります。