「非常に」と「非情に」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「非常に」と「非情に」の違い生活・教育

この記事では、「非常に」「非情に」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「非常に」と「非情に」の違い

「非常に」「非情に」はどちらも「ひじょうに」と読む同音異義語です。

「非常に」の表現は「とても・はなはだ・大いに」を意味していますが、「非情に」のほうは「情け容赦なく・人間らしい感情を示すことなく(情を感じさせずに冷たく)」を意味しているという明らかな違いがあります。


「非常に」と「非情に」の使い方の違い

「非常に」の表現は「非常に困った事態になりました」の文章で使用されるように、「程度がはなはだしいさま・とても」という意味で使う使い方になります。

「非常に」に対して「非情に」の表現は、「人間らしい感情(情け)を示さずに・情けを見せずに冷酷に」の意味で使われます。

「非情に」には「とても・大いになど、程度がはなはだしい」という意味合いでの使い方はないため、「非常に楽しい」の文章を「非情に楽しい」と書き換えると意味が通じなくなってしまいます。


「非常に」と「非情に」の英語表記の違い

「非常に」の英語での表現は以下になります。

“very”“very much”(とても・大いに・非常に)

“extremely”(極端に・並外れて・非常に)

「非情に」の英語を使った表現は以下になります。

“cruel”“cruelly”(残酷な・冷淡な・非情に)

“ruthless”“ruthlessly”(社会や現実などが無慈悲であるさま・非情に)

“show no mercy”“merciless”“mercilessly”(慈悲を見せない・情けを示さない・非情に)

「非常に」の意味

「非常に(ひじょうに)」という言葉は、「程度(レベル)や水準が普通ではなくてはなはだしいさま」を意味しています。

「非常に」というのは、「とても・はなはだ・たいそう・大いに・並ではない」を意味している表現になります。

「非常に」の使い方

「非常に」の表現は「非常に暑い一日になりました」の文章のように、「物事・状態の程度が並ではない」「とても・大いに・はなはだ」の意味合いで使うという使い方になります。

「非常に」という言葉は「非常に楽しい・非常に悲しい・非常に怒っている・非常に暑い・非常に寒い・非常に苦しい」などのように、「後に続く形容詞などの言葉をとてもの意味で修飾する使い方」を持っているのです。

「非常に」を使った例文

・『非常に厳しい試合になりましたが、みんなで協力して勝ちました。』
・『北海道の冬は非常に寒いので、九州から来た観光客の人たちはとても耐えられないと思うでしょう。』
・『コーヒーが非常に熱くなっておりますので、火傷をしないようにお気をつけください。』
・『私などのために皆様が協力してくださったことを、非常に嬉しく思っております。』
・『非常につらい人生の試練も多くありましたが、今振り返ってみると懐かしい思い出です。』

「非常に」の類語

「非常に」の類語には、以下のような言葉があります。

「とても」「たいへん」「大いに」……物事や状況の程度がはなはだしいさま。

「極めて」……これ以上ないほどに程度が大きいさま。

並・普通ではなくて非常に。

「頗る(すこぶる)」……物事・状況・事態の程度がはなはだしいさま。

普通や平均をはるかに超えていること。

「非常に」の対義語

「非常に」の対義語には、以下のような言葉があります。

「通常(つうじょう)」「平常(へいじょう)」……物事・感情・状況などの程度がいつも通りであるさま。

普段と同じで程度がはなはだしくはないこと。

「普通に(ふつうに)」「人並みに(ひとなみに)」……物事・状況などの程度が特別に激しくはないこと。

特に変わりがなく平均的に。

「非常に」の意味

「非情に(ひじょうに)」とは、「人間らしい感情・情けを示さないさま」を意味している言葉です。

「非情に」という表現は、「無慈悲に・冷酷に(残酷に)・冷たく(冷淡に)・情け容赦なく」といった意味のニュアンスを持っているのです。

「非情に」の使い方

「非情に」「従業員に対して経営不振による解雇を非情に言い渡しました」のように、「人間らしい情けの気持ちを示さずに・冷酷に」を意味して使う使い方になります。

また「非情に」「非情にも彼はそれから友人に一切の連絡をしませんでした」の文章で使えるように、「非情にも」という形で使う使い方の頻度が多くなっています。

「非情に」を使った例文

・『反社会的な組織のボスは、自分に逆らった部下を非情に殴り続けました。』
・『規則に違反した社員に対して、非情にもその部署に入れる資格を取り消しました。』
・『公務員の懲戒処分について、非情に通告しました。』
・『非情にも、彼は自分を頼ってきた人たちを見捨てたのです。』
・『過去の親からの虐待がどうしても許せなかったので、非情に親子の縁を切りました。』

「非情に」の類語

「非情に」の類語には、以下のような言葉があります。

「冷酷に(れいこくに)」「残酷に(ざんこくに)」……思いやりの気持ちなど示さずにむごたらしく。

冷たくてむごいさま。

「無慈悲に(むじひに)」……相手のための慈悲の感情など示さずに。

冷酷に容赦することなく。

「情け容赦なく(なさけようしゃなく)」……人間的な情けをかけることなく厳しく徹底的に。

「非情に」の対義語

「非情に」の対義語には、以下のような言葉があります。

「情け深く(なさけぶかく)」……相手の立場になって思いやる情け(人情)が深くて。

相手のためを思うと冷たくはできず。

「情に流されて(じょうにながされて)」……人間的な情緒に影響されて。

相手の境遇に同情する気持ちに動かされて。

まとめ

「非常に」「非情に」の違いを噛みくだいて説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「非常に」「非情に」の意味・使い方・英語の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。