この記事では、「境涯」と「境遇」の違いを分かりやすく説明していきます。
「境涯」とは?
「境涯」は、人間が置かれている立場や環境をさす言葉です。
そのため、言葉の使い方としては、「境涯」を開くや閉ざすという言い方をして人間が置かれている環境や立場をもっと広めるというような言い方をします。
ここでいう環境や立場とは、身分だったり、仕事上の給与面からくる立場など様々です。
「境涯」の使い方
「境涯」は、いま置かれている環境がどのようなものであるかを表す場合、使用する言葉です。
例をあげますと、「境涯を開く」や「境涯を得る」という言い方を用いて自分の環境が改善したかそうではないかを示すために使用します。
「境遇」とは?
「境遇」は、自分中心に物事をとらえ、周囲の環境や自己の立場がどうであるかを示す場合に使用する言葉です。
例えば、自分から見て、自分の労働環境が悪い場合、直接、労働環境が悪いと進言すれば企業から見ればあからさまに企業を非難していますが、これを、「境遇が悪い」と言い換えれば企業側はあからさまに非難をされていないとします。
何故なら、「境遇」は周囲が与える影響であるため、会社に働く人物以外が原因であるなるため、直接企業が悪いと述べていないのです。
「境遇」の使い方
「境遇」という言葉は、あからさまに自分の立場や環境がどうであるかを第3者に進言する際、マイルドに表現するために用います。
正直に、自己の労働環境が悪いというよりもあえて、「境遇が悪い」と進言したほうが企業から見てあからさまに企業を非難しているのではなく、周囲の環境が悪いが故改善をしてほしいという要望になるため「境遇」という言葉は、周囲の環境を変えさせるのに適した言葉なのです。
ただ、企業側からしてみれば、異端な環境下で労働を強いられているともとれるため、不確定な材料がある職場環境であると進言されているようにもとられるため、「境遇が悪い」といわれると進言者に対してマイナスの感情を持つこともあります。
「境涯」と「境遇」の違い
「境涯」と「境遇」の違いは、自分のみを中心に周囲の環境がどうであるかを述べるか、自分以外の人物を対象に周囲の環境がどうであるかを述べるという違いです。
「境涯」は第3者の労働環境などがどうであるかを述べますが、「境遇」は主に自分の環境がどうであるかを述べることが多いです。
したがって違いは、自分中心であるかそうではないかです。
まとめ
「境涯」と「境遇」の違いは自分を中心に環境がどうであるかを示すかどうかです。
「境涯」は、自分以外の環境がどうであるかを述べることができますので対象となる人物は自分以外でもよいのです。
これを「境遇」とする場合、「境遇」は第3者の労働環境などを示すのではなく自分を中心にどうであるかを示すため第3者の労働環境がどうであるかに「境遇」という言葉を使用するのは間違いに当たります。
なお、第3者の労働環境がどうであるかを述べた後、自分の労働環境がどうであるかを述べる際、「境遇」という言葉を使用して自分の環境が悪いことを進言するのは正しいです。