この記事では、「拝啓」と「謹啓」と「敬白」の違いを分かりやすく説明していきます。
実はこの3語は言葉の内容については全て同じ意味です。
しかし、使い方やニュアンスが異なりますので、この記事を参考にしていただければ幸いです。
「拝啓」とは?
「拝啓」とは、「謹んで申し上げます」「へりくだって申し上げます」という意味の言葉です。
文頭に書くあいさつの言葉であり、「頭語」いう種類の言葉です。
「頭語」の後には季節に応じたあいさつである「時候」や季語を省略し「時候」の代わりに使える「時下」というあいさつを入れて使います。
用例としては「時候」を用いる場合「拝啓 陽春の候、皆様いかがお過ごしでしょうか」など、「時下」を用いる場合「拝啓 皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」などとなります。
また、「頭語」には「結語」がセットになって使われ、本文の最後を「結語」で締めくくります。
「頭語」を「拝啓」にした場合、「結語」は「敬具」、「かしこ」などが一般的です。
また、後述の「敬白」も使います。
「謹啓」とは?
「謹啓」とは、前述の「拝啓」と同じく「頭語」であり、「謹んで申し上げます」「へりくだって申し上げます」という意味の言葉です。
ただし、一般的には、初めての相手に送る場合、より丁寧で改まった文書にしたい場合、より目上の方へ送る場合に対しては「謹啓」が好ましいとされています。
前述の「拝啓」と同様に本文の最後に「結語」が必要となります。
「頭語」を「謹啓」にした場合、「結語」は「謹言」、「謹白」、などが一般的です。
「敬白」とは?
「敬白」とは、「謹んで申し上げます」「へりくだって申し上げます」という意味の言葉です。
意味は前述の「拝啓」、「謹啓」と同じですが、「敬白」は本文の最後に締めくくりで使う「結語」となります。
一般的に、「結語」が「敬白」の場合、文章の冒頭に書くあいさつである「頭語」は「拝啓」、「拝呈」、「啓上」になります。
しかし、最近では「頭語」を「謹啓」にした場合でも「結語」を「敬白」にして良いという考えもあります。
ただ、「謹啓」は「拝啓」、「拝呈」、「啓上」に比べ、「より丁寧で改まった表現」であることから、「敬白」との組み合わせは正式ではないとする考えもあり、どちらが正しいのか統一されていないのが現状です。
「拝啓」と「謹啓」と「敬白」の違い
まず、「敬白」は本文の締めくくりに使う「結語」であるのに対し、「拝啓」、「謹啓」は文章の冒頭に書くあいさつである「頭語」である点が違います。
次に「拝啓」と「敬白」の違いについては、「敬白」の方が「拝啓」と比べ、「より丁寧で改まった表現」である点が違います。
まとめ
「拝啓」と「謹啓」と「敬白」についてまとめると以下となります。
・「拝啓」は「謹んで申し上げます」という意味の「頭語『=文頭のあいさつ』」です。
・「謹啓」は「謹んで申し上げます」という意味を「より丁寧で改まって表現」する「頭語『=文頭のあいさつ』」です。
・「敬白」は「謹んで申し上げます」という意味の「結語『=締めくくりの言葉』」です。