「敬遠」と「忌避」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「敬遠」と「忌避」の違い生活・教育

この記事では、「敬遠」「忌避」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「敬遠」と「忌避」の違い

「敬遠」には、3つの意味があります。

1つめは、外から見た様子では相手に礼をつくしているようでも、心の中では厄介だと思っていて、かかわりを持たないようにすることです。

2つめは、影響が及んだり、関係を結んだりすることが嫌で、物事にかかわらないようにすることです。

3つめは、野球で投手が打者との勝負を避けて、わざとフォアボールにすることです。

「忌避」には、2つの意味があります。

1つめは、そのことを嫌って関係を持たないようにすることです。

特に負わなければならない義務や仕事などを嫌がって、かかわりを持たないようにすることをいいます。

もう一つは、訴訟事件に関して、当事者の申し立てで、裁判官や裁判所書記官を事件の職務執行から除くことです。

どちらの言葉にも、かかわりを持たないという意味が含まれていますが、どのような態度をとっているのか、なぜかかわらないのかという点が違います。

「敬遠」は、人に対しては礼を尽くしている態度を見せています。

かかわりを持たないようにするのは、かかわってしまうと面倒だからです。

「忌避」の場合は、嫌だからかかわりを持たないようにしています。

本来は責任を持って行わなければならなかったり、当然やらなければならなかったりするのですが、それらを避けることを意味しています。


「敬遠」と「忌避」の使い方の違い

礼を尽くしているように見える態度をとりながらも、関係を持たないようにすることに「敬遠」を使用します。

責任を持ってやらなければならないことや、当然やらなければならないことを嫌って、その物事と関係を持たないようにすることに「忌避」を使用します。


「敬遠」と「忌避」の英語表記の違い

「敬遠」は英語で“avoid”と表現をします。

「忌避」は英語で、かかわりを持たないようにする意味では“evasion”“avoidance”と表現をし、裁判官などの意味では“recusation”“challenge”と表現をします。

「敬遠」の意味

「敬遠」には、3つの意味があります。

1つめは、礼を尽くしているように見えるけれど、心の中では面倒だと思っていて、関係を持たないようにすることです。

高校生や大学生のころ、この人とかかわると面倒になるから、出来るだけ避けようと思っていた先生がいるのではないでしょうか。

その行為を指している言葉です。

目上の人なので、表面的には敬っているように見えますが、実際には心の中では面倒だなと思っています。

かかわってしまうと、うるさく何かを言われたり、長々として話につき合わされてしまったりします。

そして、面倒なことを避けるためにかかわらないようにしています。

2つめの意味は、面倒にならないようにと思って、物事と離れること、近づかないようにすることです。

職場の同僚が残業をしなければならなくなりました。

自分はすでに仕事が終わっているので、残業をする必要はありません。

つまり、同僚の仕事は、自分にとってはやらなければならないことではないのです。

もし、仕事を頼まれたりしたら面倒なことになります。

そこで、この仕事とはかかわらないようにします。

こういった行為を指しています。

3つめは、野球で投手が打者との勝負を避けるために、わざと4つボールをとらせることです。

「敬遠」の使い方

日常では1つめの意味と2つめの意味で使用されることが多いです。

避ける相手に対して直接言うことはありません。

もし直接言ったら失礼になります。

3つめの意味は野球で使われます。

「敬遠」を使った例文

・『飲食店に出かけることを敬遠する』
・『ダイエット中で糖質過剰なメニューを敬遠する』
・『古典は難しそうだから敬遠されがち』
・『敬遠する人が多いと予想される』

「敬遠」の類語

「忌避」「回避」が類語です。

「回避」には、何かにぶつからないようにすること、都合が悪いことにならないように避けることという意味があります。

「敬遠」の対義語

「かかわる」が対義語です。

「忌避」の意味

「忌避」には、2つの意味があります。

1つめは、好ましくないとして避けることです。

カラスがゴミ捨て場に集まってきて、ゴミを漁られると迷惑です。

周囲にゴミが散らかって汚れてしまい、片付ける人は苦労をします。

カラスにゴミを漁られないようにするための薬剤があります。

この薬剤は、カラスが嫌がる成分を使用しています。

これを近寄らないで欲しいところに噴射すると、カラスが嫌がって近寄ってこなくなるとされています。

この薬剤は「忌避剤」と呼ばれています。

会議に出るのは嫌だと感じることがあると思います。

しかし、嫌でも出なければなりません。

そうわかっていても避けてしまうことを、この言葉は指しています。

もう一つの意味は、訴訟事件に関して、裁判官や裁判所書記官に正しくない行為をされる可能性があるとして、当事者が申し立てをして、裁判官や裁判所書記官をその事件の職務執行からはずすことです。

「忌避」の使い方

日常的には1つめの意味で使われます。

責任を持ってやらなければならないこと、当然やらなければならないことを避けることをいうことが多いです。

日常の中には、責任を負わなければならないこと、やらなければならないことがいろいろとあります。

それらを避けてしまいたいと思うこともあるでしょう。

実際に避けてしまうとき、この言葉を使用します。

会話で使うことは少なく、文章中で使われることが多いです。

「忌避」を使った例文

・『全力で走ることを忌避する』
・『ベジタリアンが忌避する食品』
・『蚊にさされないように忌避剤を使う』
・『忌避されることが予想されます』

「忌避」の類語

「敬遠」「回避」が類語です。

「忌避」の対義語

「かかわる」が対義語です。

まとめ

かかわらないようにするという意味を持つ2つの言葉ですが、なぜかかわらないようにするのか、何にかかわらないようにするのかという点に違いがあります。

使う場面の違う言葉です。