「軽視」と「蔑視」の違いとは?使い方や例文も解釈

「軽視」と「蔑視」の違い生活・教育

この記事では、「軽視」「蔑視」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「軽視」と「蔑視」の違い

「軽視」とは「重要ではない」と考えることで、結果的に相手や物事を軽くとらえてしまうことを言います。

一方「蔑視」とは人に対して使う言葉です。

相手を自分より下だと見て軽蔑する、また人格や能力が劣っているという決めつけで馬鹿にするといった意味です。

大きな違いは「軽視」は人や物事などに使いますが、「蔑視」は人に対して使うということになります。

「蔑視」は差別の目で見ると覚えておくとわかりやすくなります。

「軽視」は判断を誤る、油断するといったミスを表すのに対して「蔑視」は相手を見下す、馬鹿にする、差別するといった意味ですので、かなり重たい意味を持つわけです。

人に対して使う際は、人間関係としてはかなり悪化している状態でないと出てこない言葉とも言えます。

また本人に悪意がある、なしは関係なく、なにげなく言った言葉が「蔑視している」と解釈されることもあります。


「軽視」と「蔑視」の使い方の違い

「軽視」「蔑視」は、どちらも相手のことを「軽く見る」といった意味では同じです。

ですが内容的には大きな違いがありますので混同しないようにしてください。

「軽視」は重要ではないと考えて軽く見ることです。

相手の能力、物事などを「それほど大したことではない」と考えてしまうことに使います。

一方「蔑視」はある人のことを人格、能力が劣っていると決めつけて馬鹿にすることです。

相手を下に見て軽蔑するといった意味ですので「差別的な目で見ている」という悪い意味で使います。


「軽視」と「蔑視」の英語表記の違い

「軽視」を英語で表す場合“make light”を使います。

訳しますと「低く評価する」「馬鹿にする」となります。

“make light of the problem”(その問題を軽視する」という風に使います。

「蔑視」を英語で表す場合“despise”を使います。

訳しますと「蔑視する」となります。

“despise women”(女性を蔑視する)“dispise money”(金を蔑視する)などと、使います。

「軽視」の意味

「軽視」とは人や物事など「重要ではない」と考えることを言います。

差別的というよりは、自分が上である、優れているという自惚れがあり、相手側を下に見ているといった間違い、油断があります。

相手のことをそれほど大した実力はないと決めつけるのは失礼なことですし、仕事においては重大なミスを招くリスクも高まります。

「軽視」する傾向がある人は自分の性格を直す、謙虚になるといった心がけが必要とも言えるでしょう。

「軽視」の使い方

「軽視」は、重要ではないと考えて、軽く考える、馬鹿にする、粗末にするといったことに使います。

例えば、能力の高い人のことを低く見てしまうこと、大事にしなければならないことを粗末に扱ってしまうこと、見過ごしてしまう、油断してしまうといったことに使います。

ポジティブ思考なのはいいことですが、悪い意味でポジティブになり過ぎている時は「軽視」という言葉が当てはまります。

「軽視」を使った例文

・『臨時アルバイトだからと軽視してはいけない、彼らはこの道のプロとして長年やってきた人たちだ』

・『単純作業だからと軽視すると、あのような重大なミスを招くのだ』

・『少額しか買わない客を軽視するような店はいずれ潰れる』

・『彼女はそれほど売れないだろうと事務所から軽視されていたが、次々にヒット曲を出した』

・『彼は目立たない存在だが、軽視すると痛い目を見るぞ』

・『父が亡くなると我が家は親戚連中から軽視されるようになった』

・『それは売れないと軽視されていた商品だが、こんなにバカ売れするとはわからないものだ』

「軽視」の類語

「軽視」の類語は「低く評価する」「見くびる」「甘く見る」「過小評価」などがあります。

「軽視」の対義語

「軽視」の対義語は「重視」「尊重」「重要視」となります。

「蔑視」の意味

「蔑視」とは、人に対して見下げる、馬鹿にする、軽蔑するといった意味があります。

また人格や能力が劣っている、卑しいといった決めつけで相手を見るといったことですので「蔑視」という言葉そのものが差別的で悪い印象があります。

人によって何が「蔑視」の対象となるかは違いますが、心の中にある差別、価値観が悪い意味で出てしまっている状態とも言えるでしょう。

ようするに特定の人を「差別の目で見ている」ということですので「蔑視」自体、恥ずべき行為なのです。

通常の生活において「蔑視する」「蔑視された」など、あってはならないということは覚えておきましょう。

「蔑視」の使い方

「蔑視」とは人を馬鹿にする、軽蔑する、卑しい者として見るといった時に使います。

人を「蔑視する」という行動は悪い印象を与えます。

例えば「彼は女性を蔑視するタイプだ」などと、言いますと「女性差別をする人」と同じ意味となります。

また「差別された」「見下されている」といった現状を表す時に「蔑視に耐えられない」「蔑視された」「それは蔑視にほかならない」などと、使います。

「蔑視」を使った例文

・『彼女の家は、あることないこと噂され、近所から蔑視されていた』

・『他の人にどう思われようと構わないが、彼の蔑視には耐えられなかった』

・『困っている人をそんな風に蔑視するなんて、あなたは思いやりのかけらもない人だ』

・『僕は彼女のことを実は蔑視していた。だが彼女も同じく僕を蔑視していたのだった』

・『これ以上、女性蔑視をするなら、あなたが社内に居づらくなるだけです』

・『彼女は離婚する人を蔑視していて、離婚するぐらいなら仮面夫婦を選ぶと言っていた』

「蔑視」の類語

「蔑視」の類語は「軽蔑」「見下す」「侮る」「小馬鹿にする」などがあります。

「蔑視」の対義語

「蔑視」の対義語は「尊敬」「リスペクト」「重視」「感心」「敬意を持つ」などがあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「軽視」「蔑視」二つの言葉の意味と違いを説明しました。

どちらもいい意味とは言えない言葉です。

特に「蔑視」は悪い印象が強いですので使い方には十分気をつけてください。