この記事では、「叱咤」と「叱責」の意味や違いを分かりやすく説明していきます。
「叱咤」とは?
失敗して酷く落ち込む相手を勇気付けるとき、叱りつけて気持ちを奮い立たせることを「叱咤」【しった】といいます。
まるで、自分のことのように心配してあげるだけでなく、あえて悲しい気持ちを吹き飛ばせるように叱りつけて、心が弱っている人を前向きにするわけです。
ときに背中を叩いて元気を出させたり、大きな声で「叱責」して元気を取り戻してあげる人もいます。
「叱責」とは?
失敗した人に対して叱りつけ、責めるように咎めて反省させることを「叱責」【しっせき】といいます。
相手を叱りつける人は、立場が上の教師や顧問、上司といった者で、生徒や部下が普通なら起こさない失敗したことに怒りを込めつつ叱るのです。
ときに大声で怒鳴りつけて気を引き締めさせたり、今度こそはミスが出ないように気合を入れます。
「叱咤」と「叱責」の違い
「叱咤」と「叱責」の違いを、分かりやすく解説します。
問題が起きて落ち込む人に元気を出してもらうため、あえて叱りつけることを「叱咤」といいます。
相手の身になって話を聞いてあげながらときに叱り、相手の気持ちをいい方向へ向かわせるのです。
もう一方の「叱責」は失敗した者をわざと人前で叱りつけて、本人がいかに恥ずかしい思いするか屈辱を与えます。
このように、自分が悪いことをしたか反省させるために怒る行為を指すわけです。
「叱咤」の例文
・『親が死んで自暴自棄になる弟を叱咤して、やる気を出させた』
・『後輩に叱咤して、背中を押すと呆気なく新記録を出して驚いた』
「叱責」の例文
・『何度やっても効率良く仕事ができないので、上司に酷く叱責された』
・『人の足を引っ張る行動が目立つ生徒に強く叱責し、根性を叩き直した』
まとめ
同じ「叱」という漢字で構成される言葉を2つご紹介しましたが、相手のことを思って叱るのであれば「叱咤」といい、ただ頭ごなしに叱りつけるのは「叱責」と覚えておくといいでしょう。