この記事では、「節約」と「倹約」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「節約」と「倹約」の違い
「節約」とは、お金や物を無駄に使うことをやめて、切りつめることです。
「倹約」とは、金銭を無駄に使うことをやめて、出費を抑えることです。
どちらの言葉にも、無駄に使うことをやめるという意味が含まれていますが、「節約」は金銭のことも物のこともいうのに対し、「倹約」は金銭のことだけをいいます。
金銭や物を無駄に使うことをやめて切りつめるというと、今苦しい状態で切りつめなければならないと捉えてしまいがちですが、「節約」にはそのような意味はなく、効率的に行う意味が含まれています。
「倹約」の場合は、ケチくさいという評価を伴うことがあります。
「節約」と「倹約」の使い方の違い
どちらの言葉も、無駄を省くことに使用をしますが、無駄を省くものによって、どちらの言葉を使用するのかが違います。
金銭については、「節約」も「倹約」の使用が可能です。
物については、「倹約」は使用せず、「節約」を使用します。
また、「節約」は効率的に行う意味も含みます。
たとえば、水を「節約」する場合で考えてみます。
歯磨きをしている間に水道の水を出しっぱなしにするのは、水を無駄にしています。
環境への負荷が大きくなり、水道代がかさんで家計の負担にもなります。
歯磨きをしている間に出しっぱなしにしていた水をとめると、環境への負荷が減り、家計の負担も減り、効率的です。
「水を節約する」のように使用し、物なので「倹約」は使用しません。
「節約」と「倹約」の英語表記の違い
「節約」は英語で“economy”や“saving”と表現をします。
「倹約」は英語で“economy”や“thrift”と表現をします。
「節約」の意味
「節約」とは、金銭や物を無駄に使うことをやめて、切りつめることです。
「無駄」には、それをしただけの価値がない、無益、役に立たないことという意味があります。
たとえば、一般の住宅の場合、人がいない部屋の電気をつけておいても、電気をつけておくだけの価値はありません。
これは無駄であるといえます。
この無駄をやめることが「節約」です。
特別に用事はないけれど、何となくコンビニに入ってしまい、お菓子を買っていたとします。
お菓子を食べなくても、食事をしていれば栄養は足りているので、心の栄養にはなるかもしれませんが、お菓子はなくても生きていけるものです。
なくても生きていけるものなので、無駄といえるでしょう。
お菓子を購入することをやめれば、金銭を「節約」することができます。
「節約」というとケチくさいマイナスのイメージを持つかもしれませんが、「節約」の言葉にはマイナスの意味はなく、効率的であるというプラスのイメージが伴うこともあります。
「水を節約する」「紙を節約する」などはその例です。
「節約」の使い方
金銭や物の無駄遣いをやめることについて使用をします。
「給料前で節約をしている」というと、マイナスのイメージを持ちますが、「エネルギーを節約する」のように合理的でプラスのイメージで使われることもあります。
「節約」を使った例文
・『昼食は手作りのお弁当を持参して、昼食代を節約する』
・『1日のスケジュールを見直して時間を節約する』
・『シャワーの出しっぱなしをやめて水を節約する』
・『食費を節約して作った料理でもおいしい』
「節約」の類語
「倹約」「切りつめる」が類語です。
「切りつめる」には、できるだけ出費を抑えるという意味があります。
「節約」の対義語
「浪費」が対義語です。
金銭、物、時間などを無駄に使うという意味があります。
「倹約」の意味
「倹約」とは、金銭の無駄遣いをやめて出費を抑えることです。
外食をすると自炊よりも食事に費用がかかります。
外食をやめて自炊をすることで、これまでよりも食事にかける金銭を減らすことができます。
このようなことが「倹約」です。
生きていくためには食事をする必要があるので、食事にはどうしても費用がかかってしまいます。
しかし、高いものを食べなくても生きていくことは可能で、安いもの選択するという方法もあります。
安いものを選択することで出費を抑えられます。
「倹約」の使い方
金銭の無駄遣いをやめて、出費を抑えることに使用をします。
金銭だけに使用をし、物には使用しません。
必ずしもマイナスの意味で使われるわけではありませんが、「小遣いを倹約する」などはケチくさいイメージが伴うことがあります。
「倹約」を使った例文
・『徹底した倹約ぶりだ』
・『倹約を意識した生活』
・『倹約を心がけている』
・『倹約した生活を送る』
「倹約」の類語
「節約」「切りつめる」が類語です。
「倹約」の対義語
「浪費」が対義語です。
まとめ
無駄遣いをやめるという意味を持つ2つの言葉ですが、使い方に違いがあります。